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ベトナムのコーヒー農園と日本のチャレンジド、たくさんの思いがつながるBIG SMILE COFFEEのストーリー【後編】

2021.7.14

ベトナムのコーヒー農園と日本のチャレンジド、たくさんの思いがつながるBIG SMILE COFFEEのストーリー【後編】

チャレンジドのみなさんのひと手間が スペシャルなコーヒーをよりおいしく

コーヒーは輸入時に割れや虫食いなど欠陥のある豆がどうしても混入してしまいます。こうした欠陥豆を選別する作業を“ハンドピック”と呼びます。何時間も豆とにらめっこしなければいけないのでかなり根気の要る作業ですが、雑味の少ないおいしいコーヒーにするためには欠かせない工程です。「8 COFFEE ROAST」の黒田吉範さんの提案で福祉作業所に通うチャレンジド(※)の皆さんがハンドピックを始めたことが、フェリシモCCPとの出会いにつながり、BIG SMILE COFFEEプロジェクトが始まりました。ハンドピックを行っている工房で責任者の上木教子さんと黒田さんにお話をうかがいました。

前編はこちら
中編はこちら

話し手・黒田吉範さん(ハチコーヒーロース 代表)、上木教子さん(はこべ工房)
聞き手・永冨恭子(フェリシモ CCPプランナー)

※ハンディキャップのある人たちを、“神様から挑戦する課題を与えられた人たち”とポジティブにとらえた呼び方。

コーヒーの香りが充満する ハンドピック工房

永冨 永冨

すごく良い香りがしますね! 焙煎もここでされているのですか?

黒田さん 黒田さん

基本、受注焙煎なんです。大きなドラムで焼くと作り置きの古い豆になってしまうのですが、ここでは注文をいただいてから焼いています。いつも鮮度の良いものがお届けできるのは一つの強みですね。売れ行き好調な理由もそこだと思います。

上木さん 上木さん

お客さんも入るなり「良い香り!」と言ってくださいますね。常連さんもおいしいとリピートしてくださいます。

永冨 永冨

こちらでは何人の方が働かれているのですか?

上木さん 上木さん

14人です。皆さん市内在住です。私たちのNPO法人の作業班は全部で6チームあって、ここが1チーム目。少し離れたところに第二工房と茶房があるのですが、そこが2チーム、3チーム目。他に掃除に出かけるチームが3チームあります。だから働いている皆さんは6チーム合わせて40人弱になります。中でもここの人たちはすごくやる気を持って取り組んでいます。仕事したいしたいという感じです(笑)。

永冨 永冨

ハンドピックの作業は、1日何時間くらいされているのですか?

上木さん 上木さん

ケーキ屋さんの箱を折る仕事もやっていて、通常は箱優先でやっています。それがいつも午後2時くらいに終わるので、その後にハンドピックをやっています。箱の仕事が入らない時は朝からずっとハンドピックをやっています。

14人のうち2人の方は、箱折りよりハンドピックの方が断然好きみたいで、毎日朝から実働時間の5.5時間ずーっとハンドピックをやっていますね。

永冨 永冨

ハンドピックの作業は機械でもできるのですか?

黒田さん 黒田さん

石や金属など、混入した異物を光センサーで弾いていく選別機はあります。虫食い豆を見つけ出すというより、異物混入の方ですね。

永冨 永冨

なるほど。とりきれない欠点豆もあるので、手でやった方が良いのですね。

黒田さん 黒田さん

そうですね。僕はずっと手作業でやっていました。虫が一口食べたような欠点豆は機械では絶対とれないけど、手でやれば目視でとれる。より雑味の少ない豆になります。

もっとたくさん仕分けたい! 没頭する女の子も

永冨 永冨

作業している皆さんはどんなことをおっしゃっていますか?

上木さん 上木さん

言葉で感想を聞くことはあまりないのですけど、同じことをやり続けることが苦痛でなくて、かえって同じことをずっと続ける方が好きだったり、その方が安心できる方が何人かいるので、彼らの特性に合う仕事なのかもしれません。

自閉症の方がわりと同じことをずっとするのが得意で、細かいことが好きな傾向がありますね。分ける基準があいまいと言えばあいまいなので、どこが良いのか悪いのか、悩んでしまって苦手、という人もいます。

先ほど話したハンドピック好きの2人のうち一人の女の子はとにかく豆の仕分けが好き。中には砂のように “ザザーッ”とこぼす人もいるので、豆を雑に扱う人がいると彼女は怒ったりします(笑)。

永冨 永冨

仕分け方法は、どのように教えられたのですか?

黒田さん 黒田さん

最初は、横につく感じですね。「これは良いね、これはダメだよ」みたいなところから始めて、例えば、本人は悪いと思って取り除いたものでも良い豆の場合があるので、「これ、どこが悪い?」と確認しながら、繰り返しやってコツをつかんでもらいました。

一番は職員の方にわかってもらう必要があるので、職員の皆さん向けの練習もしながら繰り返し、ですよね。ハンドピックが大好きなその女の子に「次回はもっと汚い豆を持ってきてほしい!」と言われた時、僕は良かったなぁって思いました。

イエメンの豆はかなり仕分けがいがあるので、「じゃあ、今度イエメン渡すよ」って。普通だと嫌がるくらいのレベルなんですけど、彼女はぜひそれを持ってきてほしいと(笑)。

永冨 永冨

二重、三重に見るしくみをうまく作っていらっしゃると聞いています。

上木さん 上木さん

全員で2回ずつ見るようにしています。良い豆を分けたら全員で良い豆を見て、見逃しがないかもう一度確認しています。

逆に基準に厳しい人もいて、これは良いって豆もバンバン弾いていくとすごい量になるので、最後に悪い豆が集まってきたらそっちも職員が見て、「これは良いよね」という豆を良い方に戻します。

永冨 永冨

手間がかかっていますね!

上木さん 上木さん

根気が要りますね。でも、このお仕事はいつでもやれるところがすごくありがたくてね。他の作業所では受注がなくて仕事が入らない日も結構あると思うんですけど、うちの場合はハンドピックのおかげでいつも仕事はある。

しかも、いつまでに納めなければならないということもないから、私たちにとってはすごくありがたいお仕事ですね。

飲んで納得! おいしいコーヒーで売り上げも好調

永冨 永冨

そもそもハンドピックを始めたきっかけは何だったんですか?

黒田さん 黒田さん

確か、はこべ工房を立ち上げたばかりの頃、10数年前かな。

上木さん 上木さん

そう、始めはすごく狭いところでしたね。

黒田さん 黒田さん

狭いスペースでスタートした頃、僕のお店にいらした当時の代表の方から「コーヒーをやりたいんです」みたいなお話をいただいて、たまたま僕が老人ホームでコーヒーをふるまうボランティアをやっていたので、給仕をお手伝いしてもらうところからスタートしました。

そこからハンドピックもおまかせできるかなと思ってお願いしたら、すごくハマってくれて。でも、ハンドピックだけだと工賃は安くなってしまうので、自家焙煎して販売まですることで利益を出していきましょうとご提案させてもらいました。

永冨 永冨

飲んだ後味がすっきりしていると評判です。

上木さん 上木さん

焙煎してからも平皿に移して、色の薄い豆を弾いています。だから正確には3回見ているということですね。

実は、職員がハンドピックした豆としていない豆の飲み比べをしたことがなくて、この前「それはやらなあかんよ」となって皆で飲んだら、「あ、全然違う!」って(笑)。

やらない方はえぐみがあるし、やった方は雑味がなくなりますよね。手間をかけてやる意義がよくわかりました(笑)。

やってみよう

ごちそうさまを届けよう!

more felissimoでは、BIG SMILE COFFEE生産者のトイさんや、はこべ工房のみなさんへのメッセージを募集しています。BIG SMILE COFFEEを飲んだ感想「ごちそうさま」を送りませんか? 「ごちそうさまを届けよう!」プロジェクトの詳細は下記をご覧ください。

はこべ工房
伊丹市のNPO法人が運営する福祉作業所。市の障害者福祉センター1階の「茶房はこべ」の運営委託を受け、今ではハンドピックに加えて、自家焙煎や給仕の仕事にも取り組んでいる。

BIG SMILE COFFEE
チャレンジドの皆さんが持ち前の集中力でハンドピックした高品質コーヒー。みんなの笑顔がつながる「BIG SMILE COFFEE」として販売、ご好評いただいています。

profile

上木教子さん

NPO法人手をつなぐ・就労サポートぽりっしゅ(就労継続支援B型事業所)はこべ工房責任者。6チーム・39名の仲間たちのやる気と個性を活かした作業を通して、社会とのつながりを持てるよう支援している。仲間たちが作業と社会との交流から、充実した生活を過ごせることを目指している。

profile

黒田吉範さん

「8(ハチ)コーヒーロースト」代表。兵庫県宝塚市でコーヒーショップや自家焙煎のコーヒー豆・焙煎機などの販売を手がける。10年前からコーヒー豆のハンドピックを通して福祉事業所とのパートナーシップを育てる。ベトナムで2年にわたりコーヒー農家を歩き回り、2019年からフューチャーコーヒーファームの日本総代理店として輸入販売を始めた。


profile

永冨恭子

フェリシモ CCPプランナー。2003年のCCPのプロジェクト立ち上げ時から商品企画を担当。全国の福祉事業所やNPOとともに、障がいのある人たちの個性や能力を価値とした商品づくりに取り組み、これまで250種類以上の商品を企画開発しました。黒田さんとの出会いは2014年、ハンドピックした世界のコーヒーと福祉事業所のハンドメイド雑貨のコレクションからでした。

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みんなの感想みんなの感想

  • 1. のんちゃんさん 2021年07月22日 09:14

    チラシの方の記事を読んで、ベトナムコーヒーのセットを注文しました。もっと詳しく記事を読んで、コーヒーセットがますます待ち遠しくなりました(≧∀≦)

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  • THANK YOU♡

この記事の
コラボレーションブランド

チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト

CCP

障がいのある人もない人も、ボーダーレスにつながる社会の実現を目指して

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