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思いがつなげた、12年目のビーチクリーン【後編】

2021.7.14

思いがつなげた、12年目のビーチクリーン【後編】

沖縄水産高校とフェリシモが一緒になって12年間続けているビーチクリーン活動。前編に続き、後編では沖縄水産高校の先生たちにインタビューを行いました。
前編はこちら

余計な仕事が来たと思った

最初に川上さんから相談を受けたという酒井先生は、当時を振り返ってこう話します。

「学校の職員はとっても忙しいんですね。だから最初は余計な仕事が来たと思いました(笑)。

沖縄の子どもたちはちょっと自信がなくて、自己肯定感が低い子どもも多いのですが、例えばフェリシモさんのカタログで紹介されたり、新聞の取材などで自分たちの活動が紹介されたりすると、それが自信につながっていったようです。

また、先生だけじゃなく、外部の大人たちと接することで、コミュニケーションの取り方を学ぶ機会にもなりました。そして一番は海基金ですね。

県立高校は予算がなくてですね、消耗品だとか備品だとかを買うのが大変なんですが、そういったものや、海水を冷やす循環式のクーラー、それに海水の中のタンパク質のゴミを取ってくれるプロテインスキマーなど子どもたちが学ぶための機材や消耗品を購入することができました。とっても助かり、うれしかったです。

のべ400名程度の生徒が参加したということで、長く続けているとそういう数字になってくるんだな、と。少しでも自然を守りたい、海をきれいにしたい、っていう気持ちを持った子が巣立ってくれたらいいかな、と思います。うれしいことですね」。

当たり前のようにそばにある海について、子どもたちは、実は深く考える機会が少なかったかもしれない。ゴミの量や種類に驚いたり、改めて海のきれいさに、それが身近にあることの素晴らしさに気づく「機会」として、このビーチクリーンの果たす役割の大きさを感じます。

現在、クラスを担当する寺瀬先生も、「ただゴミをひろって終わりじゃなく、ゴミ捨てるのをやめようと言っていた子もいますし、環境について生徒たち一人一人が常に考えるようになってくれたらいいな、と思っています」と、子どもたちの変化に目を留めます。

また、琉球ガラス村に就職してからビーチクリーン活動に参加した、沖縄出身の高橋さん、佐藤さんも、予想以上に多いゴミを目の当たりにし、身近な海への意識の持ちようが変わったそう。「沖縄の海の美しさや、それを維持していかなければいけないということを、子どもにも伝えていきたいです」と高橋さん。

人間も環境の一部と知り、 身の回りに目を向けることから

「私たち人間も環境の一部です。自分たちで自分たちの生活環境を汚してしまっていて、取り返しのつかないところまで来てると思うんですね、学校として環境教育はできるんですけど、ぜひ家庭でも学びの機会をつくってほしい。

環境問題を語るときはいつも、志は大きく、行動は足元からって言うんですけど、ゴミを出さない、というぐらいの生活そのものを考え直すぐらいの必要があるのかな、と個人的には思います」(酒井先生)

「生き物ってしたたかで、人が気づいていないだけでどんどんいろんな場所に進出していくんですね。だから実は身の回りは生き物だらけで、それがわかるだけでも、環境を守ろうという意識、ゴミを減らそうという意識につながっていくんじゃないかなと思うので、ちょっとその石めくってみませんか、とか。その裏見てみませんか、とか言いたいです。そういうところで意識は変わるんじゃないかなと思いますので」(奥田先生)

「沖縄の海のためにできることをしたい」と始まったちいさな一歩は、琉球ガラス村のスタッフや沖縄水産高校の生徒や先生、関わる人を増やしながら続き、今年で12年目を迎えました。

ビーチクリーンの活動を続ければ続けるほど、関わる人が増えていく。それは「沖縄の海をきれいにしたい」「自然環境を大切にしたい」と考え、行動する人が社会のなかに増えていくということ。

社会貢献なんて言うとちょっと大仰で、ビーチクリーンに参加するのはなかなか大変そう、と思われるなら、ゴミをポイ捨てしない、きちんと分別する、お買い物で海基金に参加するだけでもよい。そんな、私とあなたの身近で、ちいさな一歩が、これからの社会を形づくっていくのです。

海基金

沖縄の美しい海を支えるサンゴ礁を守るために、フェリシモは2010年に「海基金(旧沖縄サンゴ基金)」を開始。2018年4月からは「未来のたからものサンゴの森基金」と一緒になり、活動を広げていきます。みなさまから支援していただいた基金額は合計7,779,846円(2019年4月現在)となりました。サンゴ礁の再生に取り組むNPO主催によるサンゴの植え付けや、ビーチクリーン活動、海洋環境学習に活用されています。

profile

酒井 利昌さん

沖縄県高等学校障害児学校教職員組合 法制・調査部長
ビーチクリーン活動 スタート時の担当の先生。

profile

寺瀬 雄太さん

沖縄県立沖縄水産高等学校 総合学科マリンスポーツ系列 教諭
ビーチクリーン活動 取材時の担当の先生。

profile

奥田 賢司さん

沖縄県立沖縄水産高等学校 総合学科 海洋生物系列 教諭
ビーチクリーン活動 取材時の担当の先生。

profile

中島 未愛

フェリシモ商品プランナー。2010年に「沖縄サンゴ基金」を立ち上げ、沖縄のサンゴとガラスを使用した商品開発を行ったひと。

海とかもめ部

ー海となかよくしながら、海をきれいにー

海好きによる海を楽しむための部活動。海にたたずむ、かもめのように軽やかに楽しく恩返しがしたいという想いでスタートしました。海基金をはじめ、サンゴ植え付けやビーチクリーン、海洋環境学習に取り組んでいます。

詳しくはこちら

やってみよう

「海基金」付きの商品を購入して、ビーチクリーン活動を支援しよう!

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海とかもめ部

社内外の海好きが集まって、海の環境を守るための活動や、かわいい海グッズの企画を行っています

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