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シンプルライフ研究家 マキさんの「着る」は、目からウロコが落ちるほど“合理的”!【第1回】

2022.12.12

シンプルライフ研究家 マキさんの「着る」は、目からウロコが落ちるほど“合理的”!【第1回】

「本当にお気に入りだけに囲まれた暮らし」を提唱する、シンプルライフ研究家 マキさん。フェリシモのファッションブランド<リブ イン コンフォート>ではおしゃれで機能的なコラボアイテムが大好評。おうちに届く習いごとレッスン<ミニツク>では「やさしいものの手放し方レッスン」も監修されています。今回は、そんなマキさんの「着る」についてインタビュー。そこには、いわゆる“おしゃれ”だけではない、シンプルライフ研究家らしい視点やこだわりがありました。

profile

シンプルライフ研究家 マキ

夫と娘2人の4人暮らし。ブログ「エコなセイカツ」が人気を博し、『しない家事』(すばる舎)や 『暮らしのセンスの磨き方』(宝島社)など著書も多数。

マキさんが「シンプルライフ研究家」になった理由

‐‐まず最初に、マキさんが「シンプルライフ研究家」として活動されるようになった経緯を教えてください。

もともと広告代理店に勤務しながら2人の娘を育てるワーキングマザーだったんですけど、7~8年前からシンプルライフ研究家としての活動も始めました。シンプルライフ研究家は、シンプルライフという考え方を世の中に広めるために、本を出したり、雑誌やメディアに出たり、商品を企画したり、みなさんの前で講演をしたりという活動をしています。

‐‐何がきっかけで、活動を始められたんですか?

次女が生まれる時に、家の物を減らそうと思ったんです。赤ちゃんが増えると物も増えるということが上の子の時にわかったので、引っ越すのではなく、今使っていないものを減らして、赤ちゃんを迎えるためのスペースを作ろうと考えたんですね。
物を減らしていく過程をブログで書いていたんですが、その記事を見た出版社の方が 、本を出しませんかと声を掛けてくださって。それがきっかけで、シンプルライフ研究家として世に出ることになりました。実はこの肩書きも、「ただのマキさんだとあれなので」って、雑誌社の方がつけてくださったんですよ。

‐‐シンプルライフ研究家になろう!と思って活動を始められたわけではないんですね。

そうなんです、たまたま声を掛けていただいて活動が始まったという感じです。

‐‐下のお子さんが生まれるまでは、どのようなライフスタイルをされていたんですか?

いたって普通の主婦というか、物を捨てる、減らすという発想は全くなくて。使わなくても、壊れていなければ「とりあえず保管する」という感じでした。だから、収納グッズを駆使して、使ってないものをしまって、着ていない服をたたんで、なんとかクローゼットに収めていました。

‐‐「とりあえず保管」していたのが、下のお子さんの誕生をきっかけに、「使わないものは捨てる」というスタイルに変わったんですね。

保管してきたものは溜まる一方で、でもそれを手放さないと赤ちゃんのものが入らないので。それで、ずいぶん捨てました。独身時代と子育て中では、身に着ける物も持ち物も違いますよね。引っぱられるからネックレスをしなくなって、ネイルもアイシャドウもしなくなりました。やっぱりライフスタイルって変わるんだなと思って、いまの自分に似合うもの、いまの自分が使うものだけにしようと思ったんです。過去との決別ですね(笑)。

‐‐似合うもの、使うものだけ選ぶ作業は、すぐに実践できましたか?

やっぱり、すぐには無理でした。産前産後休暇が2年ほどあったので、 その期間に少しずつ不要な物を減らしていって。トータルで一年半ぐらいかかったかな。
物を減らしていく作業の中で、自分にとって必要なものはこれなんだなとか、これ買ってみたけど使わなかったなとか、自分の中の基準がわかってきたんです。残ったものが、自分の好きなものだから。時間はかかりましたけど、じっくり取捨選択したことで、物を選ぶ基準が明確になりました。

‐‐捨てることで、自分の好きなもの、使うものが見えてきたんですね。

物を捨てるってすごく労力がいるし、精神的にも負担ですよね。だから、忙しいとなかなかできないんです。ちょっと時間ができて余裕がないと、物に向き合うって難しい。だから、産前産後休暇で家にいた2年間が、いい機会だったんですよね。自己流ですけど、物のデトックスができたというか、手放し方がわかるようになりました。

‐‐「シンプルライフ」を意識されるようになったのも、同じころからですか?

無駄のない暮らし方は意識していました。子育てに多くの時間をとられることはわかっていたので、その中で自分の時間をいかに作れるか、とか。でも、それも後付けなんです。物を減らしていったら、時間が生まれるようになって。たとえば、掃除の時も、テーブルの上に写真立てや花びんびんがあると避けて拭かないといけないし、写真立ての上のほこりも取らないといけない。でも何もないと、一瞬で終わるということに気付いたんです。掃除機をかけるときも物がないほうがスムーズだし、家事がすごくらくになるっていうのは発見でした。「あ、物がないって時短になるんだな」って気が付きました。

‐‐持たないということが、メリットになったんですね。

そうそう、結果として、いい発見だったんですよね。自分にとっていいことばっかりだなと思えたので、よりもっと減らそうって思えたのかもしれないですね

心を痛めて服を手放して、わかったこと、気付いたこと

‐‐マキさんの「持たない暮らし」について、どんな感じか教えていただけますか?

たとえば、下着も以前は7日分そろえてたんです、多いほうが安心かなと思って。でも減らしていったら、結局2セットあれば回るんですよ。一応、予備はあるんですけど。着て、洗濯して、乾いたものを着るというルーティーンだと、収納しなくていいんです。

‐‐なんとなく、「多いほうが安心」って思ってしまいがちですよね。

持ってないと不安な気持ちもわかります。でも私の場合は、持っていないことで、時間が浮くことのほうにメリットを感じるんですね。物が少ないと、探したり迷ったりする時間が減らせるんです。洋服もたくさんあると、あれこれ探したり、組み合わせを考えたりしますけど、数が少ないと、ある中から着るしかないから。

‐‐たしかにクローゼットを開けて、何を着ようか考え込むことはよくあります。

みなさんよく、「たくさん服を持っているけど着るものがない」っておっしゃるんですよ。私も以前はそうだったんです。いつも、何を着ようか迷ってました。でも、いま振り返ると、クローゼットに着たいものがなかったんだなと思って。
「着たおす」という感覚がなくて、傷んでいないものは手放す理由がないから、ずっと取っていたんです。そういうものがどんどん残って、クローゼットがいっぱいになってしまう。

‐‐なるほど、思い当たるふしがありすぎます!

気に入っている服はよく着るから、やっぱり劣化も早いんですよ。だから、そういうものは手放すときがくるんです。結局、残っていくものはあまり着ないもの。それは、着たい服も見つかりませんよね。だから、全部着たいものしか入っていない、お気に入りだけのクローゼットにすることが、すごく重要だなと思ったんです。

‐‐何シーズンも持ち越しているけど、ぜんぜん出番のない服、たくさん持っています……。

衣替えのたびに一応は出すけど、またしまうんですよね(笑)。でもその労力ももったいないし、収納するスペースももったいない。

‐‐マキさんは「手放す」ことで、その状況を脱したんですね。

一年出番がなかった服は、来年なくても困らないだろうという基準で整理しました。売ったり捨てたりして家の外に出したんですけど、服を売ったときに、買取金額がすごく安いのにびっくりして。ブランドものなら別かもしれないですが、ふだん着ているものは買い取ってもらえても10円とかなんですね。わずか10円にしかならないものに、長年ずっとクローゼットを占拠されているのはもったいないと感じて、だいぶ思い切って手放すことができました。

‐‐それなりの値段で買ったものが10円というのは、なかなか辛いですね……。

そうなんです、心が痛むんです、思い出も思い入れもあるから。でも、その経験のおかげで、次に買い物をするときにずっと慎重になれるんですよ。心に傷を負いながら手放したからこそ、自分の好きな素材やテイストがわかって、買い物で失敗しなくなりました。
手放した先の快適さを知っていると、不要なものを手放す勇気が持てると思います。私も何年かかけて心が強くなっていった感じなので、毎年少しずつ、でもいいと思います。

第2回はこちら

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みんなの感想みんなの感想

  • 1. ゆう子さん 2022年12月21日 16:56

    目から鱗でした

  • 2. ブラックアリスさん 2022年12月21日 17:13

    来てないタグ付けの服が何年寝ています。服を捨ててもまた増えるの繰り返しで、出かける時にないと困るからで買った物は結局来てないですね。好きな服を見つけて大切に来たいと思います。

  • 3. クロさん 2022年12月21日 19:03

    毎年少しづつでも、という言葉がとても優しい…悩みながら処分していった方だからこその言葉。
    シーズンオフだと勢いよく捨ててしまってまた似たものを探すことになったりしました。
    それで、すっかり片付けが嫌になってしまっていました。
    でもこの記事を読んで、この冬は着ながら考えて着ていないものを分別してみて捨てられないのは理由を見つめ直しながらゆっくり整理してみます。

    ありがとうございました。

  • 4. モモちゃんさん 2022年12月21日 19:20

    本当に、売りに持って行っても全部で200円(ToT)
    なので、貰ってくれる人に譲ります。
    私には、思い出があっても他の人には関係有りませんからね (^o^;)
    最近は、気に入った物だけ購入しています。
    年齢も、関係あるでしょうけど・・・

  • 5. 同感ですさん 2022年12月21日 19:34

    先日、中央がへしゃげた机の天板のみをついに買い替えました。新調した天板は前の天板の半分の面積で、机の上の小物類を置く場所が確保できるか不安で、パートナーにこぼすと「棚を買うか?」と返ってきました。「物は増やさない」と即答した私。
    変な空気が流れましたが、棚を買う必要もありませんでした。
    私の言うことはほとんど聞き流しているパートナーに、この記事を見せます。ありがとうございます。

  • 6. nemooinyaさん 2023年03月23日 23:10

    more felissimo のカタログp12のマキさんのコメント「思い切って整理しました」でわたしも火がついて、服やバッグなどを大量にチャリティに出しました。今日宅配便の人に集荷してもらって、すっきり! 「いまクローゼットにあるのは、本当に着る服だけ」まであと少し。web のコメントを読むと、まだまだ参考になることがたくさんあります。さまざまな気づきを与えてくださって、本当にありがとうございます。

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