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しあわせって、どんな味? sacciさんに学ぶ、心がつながる料理のヒント

2021.7.14

しあわせって、どんな味? sacciさんに学ぶ、心がつながる料理のヒント

「つながる」は、お料理を通しても楽しめる! 暮らしにエンタメをお届けすべく毎月発刊している『暮らしはエンタメ!Kraso[クラソ]』編集部が、”大切な人とつながる料理づくり”を実践されている料理人、sacciさんのアトリエを訪ねました。

おいしいしあわせは、 年齢も国境も超える

小さな菜園がそばにあるアトリエの扉を開ける。そこは、さまざま料理道具がにぎやかに並び、手づくり感があふれるキッチン空間。思わず見とれていると、「おはようございます!」と、sacciさんが太陽のような笑顔で迎えてくれました。

料理上手なおばあさんの影響で小学校に上がる頃にはキッチンに立っていたというsacciさんは、イタリアの二つ星レストラン、郷土料理レストランで腕を磨いて帰国。現在はアトリエを拠点にケータリングや出張料理、料理教室と幅広く活動されています。

そんな彼女が大切にしているのが、料理を通して人としあわせなつながりをつくること。「年齢も国境も超えて人をしあわせにできるのが、お料理のすごいところだと思うんです。言葉で伝えられないような想いも、おいしさを通して伝えることができるんですから」

家族をあたためた、 愛あるケータリング

料理を通したしあわせなつながりを感じさせるエピソードとしてsacciさんが話してくれたのが、93歳になるおじいさんのお誕生日祝いのケータリング。おじいさんは寝たきりで、流動食しか食べられない状態。

ご家族からのオーダーでは、「おじいちゃんはお料理を食べられないので、おじいちゃんの分はいいです。家族が楽しそうに食事をしているそばにいるだけでもうれしいと思うので」とのことでした。

その話を聞いた彼女はふと考えました。自分の誕生日なのに、自分の料理がないって、おじいさん、かわいそうじゃない、と。

そこでメニューに加えたのが、その時旬だったフルーツトマトを使ったゼリー。ゼリーなら、寝たきりで流動食しか食べられないおじいさんでも食べられるのでは、と思ったのです。

おじいさんのお誕生日祝いのあと、彼女はご家族から感謝の連絡をもらいました。なんと、おじいさんはフルーツトマトのゼリーをとても気に入って、家族全員の分を平らげたのだそうです。

「『おじいちゃんがあんなによろこんで食べるなんて奇跡みたいで、忘れられない誕生日になりました』ってご連絡いただいて、わたしもうれしくなりましたね。愛って言ったら大げさですけど、食べる人を想うって本当に大切なんだなって教えられたような気がします」

料理だから伝えられた、 言葉にならない想い

もうひとつのエピソードとしてsacciさんが話してくれたのが、別の道を歩むことになったイタリア人パートナーのご家族とのお話。別れて間もないころは、彼女とパートナー、そしてご家族との間にはわだかまりがあったそうです。

それでも、トスカーナにあるパートナーの実家にいる間はともに過ごす時間を楽しいものにしたいと、彼女は朝昼晩と手料理を作り続けました。

そして、いよいよ日本に帰るという日。口数の少ないパートナーのお母さまが「おいしい料理をありがとう。とても楽しかった。いつ来てもらってもドアは開いてるよ」と、やさしく声をかけてくれたのです。

それからはわだかまりも消え、今でもおだやかな関係が続いているそうです。

反抗期でも、料理を 通してわかりあえる

sacciさんは今、息子のレオン君と暮らしています。レオン君は反抗期真っただ中の中学生。一緒にいる時間も会話も少なくなり、ときにはぶつかることもあるそうですが、彼女は料理を通じて心を通わせている実感があるそうです。

「お互い忙しいですし、食事の時間は唯一のコミュニケーションの時間だと思ってとても大切にしています。毎日彼の様子を見て、想いを伝えるようにお料理していますね」

お料理教室でも、料理の作り方はもちろん、料理を通した心のふれあいを伝えている彼女。

「お料理教室って非日常というか、パーティーみたいな感じになるんですけど、そこでも『いまの幸せな気持ちを、今度は自分が料理をつくって大切な人に届けてくださいね』って言ってるんですよ」

生きる上で大切な食を通して、大切な人と心をあたたかくつなぐ。そんなsacciさんの料理に対する考え方を、デジタルなコミュニケーションが当たり前になっている今、あらためて心にとどめておきたいと思いました。

あなたも、誰かの笑顔を想像しながら、思い思いの料理を作ってみませんか。

後編ではsacciさんにおいしいオムライスの作り方を教えていただきます。

後編に続く

やってみよう

ケチャップコミュニケーションでつながろう!!

後編でsacciさんのオムライスのレシピを学んだあと、オムライスにケチャップでメッセージを描き、家族や友だちとのコミュニケーションを楽しみましょう。(詳しくは後編をご覧ください。)

profile

sacciさん

栄養学を学んだあと2000年にイタリアへ渡り、トスカーナのリストランテ「ラ・テンダロッサ」で6年、「アグリトゥーリズモ・イ・バロンチ」で1年の厨房勤務を経て、2010年に日本に帰国。DIYでリノベーションした大阪のアトリエを拠点に、料理研究家としてケータリングや出張料理、料理教室を展開。@ciaosacciのアカウントで、Instagramからおいしく楽しい毎日のフォト&メッセージを発信。

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みんなの感想みんなの感想

  • 1. まゆみさん 2021年07月19日 22:32

    サッチーさんの人柄が大変よく出ていて、愛のあるプロの料理人なんだなぁとつぐづくと思いました。

  • 2. マリリン8さん 2021年08月15日 07:28

    料理は人を笑顔にする!
    常々私もそう思って、食べる人の笑顔を想像しながら作っています。
    sacciさんの記事を読みながら、うんうん!そうそう!と頷きながら楽しく読ませていただきました!

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