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食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(にんじん・トマトの皮編)【7/7】

2022.2.9

食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(にんじん・トマトの皮編)【7/7】

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青江覚峰(あおえかくほう)さん

京浅草出身。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。料理僧として料理、食育に取り組む。日本初のブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。超宗派仏教徒によるインターネット寺院「彼岸寺」の創立メンバー。

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編集部 えいこ

食べることが大好きな料理初心者。おうち時間で自炊を頑張りたいと思っているが、ついつい食材を買いすぎて余らせてしまいがち……。

「にんじんの皮」「トマトの皮」をつかいきる

青江覚峰(あおえかくほう)さん 青江覚峰(あおえかくほう)さん

使いきりレシピも今回が最後です! 今バットにあるのは、「何かに使えるかも?」と残しておいたトマトの皮やヘタ、人参の皮や先端などです。

えいこ えいこ

ふだんだったら、全てまとめてゴミ箱に捨てている部分なのですが、これをどう活かすのでしょうか……?

このような細々した部分をまとめて使いきるには、前回お伝えした「刻んで入れる」方法が一番簡単です。今回は、これらの食材を活用して、コロッケをつくっていこうと思います。

「コロッケ」のつくりかた

(記事の最後に、材料と手順をまとめています。ぜひトライしてみてください!)

【材料】(2人前)
じゃがいも 1.5個
余った野菜(トマトの皮、トマトのヘタ、にんじんの皮・先端など)
オリーブオイル 大さじ1
塩 ひとつまみ
こしょう 少々
片栗粉 適量
水溶き小麦粉(水:小麦粉=1:1)適量
パン粉 大さじ5

まずはじゃがいもを水から15分ほど茹で、中まで串が通るようになったらマッシャーでつぶし、塩、こしょうを振りかけます。

じゃがいもは皮ごと茹でて大丈夫なんですね!

はい、皮が大きく残ったときは、このように取り除いて小さく切ってから戻してください。

次に、バットの中の食材を細かく刻んでいきましょう。まず、トマトの皮を小さく刻んでいきます。

トマトの皮って、食感がハードルなのかなと思うのですが……。

いいえ、逆に皮独特の食感を活かすんです。刻んで入れることで、コロッケのサクサク感だけでなく、トマトの皮のシャキっとした食感も楽しめるようになりますよ。

ふだんは使わない部分を活用することによって、お料理においしさをプラスすることができるんですね!

次に、トマトのヘタですが、乾燥してカサカサしている部分は取り除きましょう。根もとについている実の部分は食べられるので、使えるように切り取ります。

青江さんはこんなに細かい部分も見逃さないんですね。食材を使いきるということに、難しいテクニックは不要なんだなと改めて感じます。

同様にして、にんじんの皮や先端も、小さく切り刻んでいきます。余っていたキャベツも少し入れてみました。

刻んだ野菜は、オリーブオイルでサッと炒めます。そのときに、分量外の塩やしょうゆで少し味付けしてもおいしいですよ。炒めたあと、マッシュしたじゃがいもとよく混ぜ合わせてください。

じゃがいもと油が混ざることで、しっとりまとまりやすくなりました! それに、トマトやにんじんの彩りがきれいで、とても余っていた食材が具材になっているとは思えません。

最後に、たわら型に整え、片栗粉、水溶き小麦粉、パン粉の順番にまとわせていきます。

片栗粉は、ふわっと手でまぶすようにまとわせてくださいね。

170度の揚げ油(分量外)できつね色に揚げたら完成です!

とってもきれいな色! それに、ほくほくしていて、本当においしい! 具材の食感を味わうのも楽しくて、「刻んで入れる」の新しいレパートリーが増えてうれしいです

使いきるってきもちがいい!

最初にこれだけあった食材で、「かぼちゃの皮のきんぴら」「かぼちゃと小豆の二層羊かん」「いとこ煮」「キャベツの芯のおつまみスティック」「にんじんのラぺ」「ミネストローネ」「コロッケ」の7品を作り終えました!

お疲れ様でした。実は、今手元に残っている捨てる部分は、なんとこれだけです。キャベツの芯の薄く切った根元に、トマトのヘタ、かぼちゃの種の殻などです。

7品も作って、これだけしか残らないなんて、本当におどろきです……。まるで魔法にかけられたみたいに、きれいに使いきってしまいました。

「使いきる」ために大切な仏教の心

どの食材も、いつも捨てていた部分とは思えないほどとてもおいしく活かされていて、とても感動しました。本当にありがとうございました!

最後に、青江さんがふだんのお料理から大切にされていることを教えていただけますか?

はい。お寺ごはんをつくる際に大切にしている心に、「老心」というものがあります。

「老心」とは、親が我が子を思う心のこと。つまり、“我が子を養う気持ち”をもって調理しなさいという教えです。

食材を我が子のように大切に思えば、お米を洗うとき、例え数粒でも流してしまうことはしたくありません。それが野菜であれば、皮や端まで最後まで大切に使い切ろうと自然に思うようになります。

なるほど……。つまり、目の前のものに対して慈しみを持ち、大切にしたいと思う。その気持ちが使い切りの第一歩なんですね。

はい、その通りです。
使いきるということは、決して難しいことではなく、必要なのはちょっとした意識の変化だということがわかっていただけたらうれしいです。

ぜひ皆さんも挑戦してみてくださいね!

やってみよう

余った野菜を使って、コロッケをつくってみよう!

【材料】(2人前)
じゃがいも 1.5個
余った野菜(トマトの皮、トマトのヘタ、にんじんの皮・先端など)
オリーブオイル 大さじ1
塩 ひとつまみ
こしょう 少々
片栗粉 適量
水溶き小麦粉(水:小麦粉=1:1)適量
パン粉 大さじ

①じゃがいもを水から15分ほど茹で、中まで火が通るようになったらマッシャーで潰す
②余り野菜をオリーブオイルでサッと炒める。
③ ①と②をよく混ぜ、一口大に丸め、片栗粉、水溶き小麦粉、パン粉の順にまとわせる。
④170度の揚げ油(分量外)できるね色になるまで揚げる

料理僧青江さんがレクチャーするおてらごはんは、
ミニツクの『おてらの癒やしごはんプログラム』でたくさん学べます。

この記事はいかがでしたか?

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  • ひろめたい

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~ Thank You! ~

みんなの感想みんなの感想

  • 1. サチさん 2022年03月30日 22:22

    なるほど!と思うことがたくさんありました。ありがとうございます。

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