2021.12.10
無意識に捨ててしまう野菜の皮や芯、使い切れずに腐らせてしまう食材たち。そんな食材の使いきれる限界を模索すべく、“お寺ごはん”のプロ、料理僧の青江覚峰(あおえかくほう)さんに料理教室を開催していただきました。第一回目では、かぼちゃの皮を使いきるレシピを紹介します。
profile
青江覚峰(あおえかくほう)さん
東京浅草出身。浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。料理僧として料理、食育に取り組む。日本初のブラインドレストラン「暗闇ごはん」代表。超宗派仏教徒によるインターネット寺院「彼岸寺」の創立メンバー。
profile
編集部 えいこ
食べることが大好きな料理初心者。おうち時間で自炊を頑張りたいと思っているが、ついつい食材を買いすぎて余らせてしまいがち……。
料理をしていると出てくる野菜の芯や皮、残さず使いきりたい気持ちはあるのですがどうやって使ったらいいのかわからず、結局いつも捨ててしまうんです……。
それはもったいない。実は、食材を使いきるのは、決して特別で、難しいことではないんですよ。実は、日本の食文化にはもともと、「使いきる」の精神が根付いているんです。例えば、魚のアラや骨から出汁を取って味に深みを出しますよね。
確かに! つまり、「使いきる」ということは、食材を無駄にしないだけでなく、料理をさらにおいしくすることにも繋がるんですね。そんな方法、他にもたくさん学びたいです!
今日は、これらを使って、食材を無駄なく使いきるための7つのレシピをご紹介します。
「かぼちゃの皮のきんぴら」「かぼちゃと小豆の二層羊かん」「いとこ煮」「キャベツの芯のおつまみスティック」「にんじんのラぺ」「ミネストローネ」「コロッケ」です。
そんなにたくさんの品数ができるんですか?どんな風に食材を使いきっていくのか、楽しみです!
前半では、「かぼちゃの皮のきんぴら」「かぼちゃと小豆の二層羊かん」「いとこ煮」でかぼちゃをまるごと使いきります。
かぼちゃって、皮や種、わたなど、捨ててしまう部分が多い印象なのですが……。
実はそれ、全部食材として使いきれるんです!まずは、「かぼちゃの皮のきんぴら」からつくってみましょう。
【材料】 かぼちゃの皮 1/4個分 ごま油 大さじ1 砂糖 小さじ1 醤油 大さじ1 炒りごま(白)少々 鷹の爪(輪切り)少々
まず最初に、かぼちゃのわたを取り除きましょう。根もとに少し切り目を入れてから、スプーンですくうように取り除きます。
わ、ごっそり取れました!
取ったわたは、バットによけておきましょう。私は料理中、いつもこのようにバットを傍に置き、何かに使えそうな部分が出たらまとめてよけておきます。
不要な部分を、“無意識にゴミ箱に入れてしまう”か、“バットに一旦よけておき何に使えそうか考える”か、このちょっとした意識の差が食材を使いきる上でとても大切なのです。
なるほど!とりあえずバットに入れておけば、他の料理をつくるときにも追加の材料として考えやすいですね。
それでは、皮を削いでいきましょう。ポタージュやスイーツなどをつくるときは、つい捨ててしまいがちなかぼちゃの皮ですが、この部分で一品つくっていきます。
皮だけで一品つくれるんですね! どんな料理になるのか想像がつきません……!
切り落としたかぼちゃの皮は、3ミリ幅の千切りにしていきます。
皮が固くて、切るときにちょっと緊張します。
包丁の先端側から、てこの原理でくっと押し込むように切ると、切りやすいですよ。切り終わったら、フライパンにごま油と鷹の爪を入れ、中火にかけていきます。鷹の爪はお好みで3~5枚入れるのがおすすめです。十分に加熱したら、千切りにしたかぼちゃの皮を加え、炒めてください。
香ばしい、いいにおいが漂ってきました……!
強火でサッと炒めるのがおいしく仕上げるポイントです。全体がしんなりしてきたら、砂糖、醤油の順に入れて、よく混ぜてください。
盛り付けをし、炒りごまをふったら完成です!
色合いもきれいで、副菜にぴったり!かぼちゃの皮の食感も楽しめて、とてもおいしいです。いつもは捨ててしまう皮の部分だけで一品つくれてしまうなんて、おどろきです。
大切なのは、いつもの当たり前を疑ってみることです。そこから新しい発見が生まれますよ。次回は、最初に取り除いた「かぼちゃのわた」を使ったレシピを紹介します!
やってみよう
かぼちゃの皮で、きんぴらをつくってみよう!
【材料】
かぼちゃの皮 1/4個分
ごま油 大さじ1
砂糖 小さじ1
醤油 大さじ1
炒りごま(白)少々
鷹の爪(輪切り)少々
①かぼちゃの皮を3ミリ幅の千切りに切る
②フライパンにごま油と鷹の爪を入れ、中火にかける。十分に熱したら①を加え、炒める
③全体がしんなりしたら、砂糖、醤油の順に入れ、よく混ぜる
④盛り付けをして、炒りごまをふる
料理僧青江さんがレクチャーするおてらごはんは、
ミニツクの『おてらの癒やしごはんプログラム』でたくさん学べます。
この記事はいかがでしたか?
~ Thank You! ~
食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(かぼちゃのわた編)【2/7】
食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(かぼちゃの種編)【3/7】
食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(キャベツの芯編)【4/7】
食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(にんじん編)【5/7】
食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(しいたけの軸編)【6/7】
食材のつかいきれる限界はどこ? 料理僧青江さんによる料理教室(にんじん・トマトの皮編)【7/7】
今よりちょっとだけ上手な「つかう」を覚えたら、 今よりちょっとだけ「つかいきれなかった」が減ったら、 それは前よりちょっといい世界かもしれません。
あなたの前の読者が
を押しました!
みんなの感想
1. みずたまさん 2022年01月30日 20:33
わたをつかったレシピ気になります!
とりあえずパッドによけておく、もやってみます!!
2. くみもうさん 2022年03月30日 12:07
いつもはなるべく皮付きで使ったり、ベジブロスに利用したりするのですが、皮だけの料理は思いつきませんでした
ワタはどう使うのかな?
楽しみです
3. ごまねこさん 2022年03月30日 20:31
食材を使い切るのは気持ちがいいですね。カボチャはオレンジのものをハロウィンで使いました。日本のより柔らかいカボチャです。「わた」はパンプキンパイのフィリングに、たねはオイルと塩をまぶしてオーブンで焼いてスナックにしました。そういえば私の祖母(故人・関西人)がカボチャの種を揚げたのか焼いたのか、それが大好物でした。
4. つちのこさん 2022年04月01日 17:53
こんな事が記事になる。そんな時代なのですね。
料理がただの作業ではない、想像力と素材への愛情。
やり方(レシピ)の問題ではないと誰か教えてあげて下さい!
それが分からないと、このレシピも実践しないでしよう、。
5. あおものさん 2022年04月06日 10:58
えー、南瓜って皮をむいて使うの?と衝撃を受けました。
農家育ちの母が作る料理は、昔から皮はむかない野菜料理が多かったから、自分もそうしていました。