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森山未來の使う/使わない Vol.1

2021.12.10

森山未來の使う/使わない Vol.1

俳優、ダンサー、あるいはパフォーミングアーティスト。身体を使ったさまざまな表現活動をされている森山未來さん。彼は、私たちが当たり前のように使っている、携帯電話、腕時計、カーナビを使わないという。Vol.1では、森山さんは便利なものを使わない代わりに何を使っているのか、はたまた使わない理由は何なのか? のお話しです。

profile

森山 未來(もりやま みらい)

1984年、兵庫県生まれ。幼少期からさまざまなダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。ダンスで培った表現力をベースに、映像、舞台、パフォーミングアートなど、カテゴリーにとらわれない表現活動を行う。2013年には文化庁文化交流使として1年間イスラエルに滞在。日本だけでなく、海外にも活動の場を広げている。

「使わない」代わりに、「使う」もの。

カーナビを使わないのは、自分で空間を認識してその場所に行きたいから、ですかね。もちろんスムーズには行きたいとは思っているんです。地図を持って、あらかじめ確認してから行く。ナビゲーションに頼ると、自分の意志で行っている感覚がしなくて、もう一度行ける気がしないんです。初めて行く場所は道に迷ってしまうけど、その感覚を経ることで、もう一度行けるようになるから。

携帯電話は20歳ごろにやめました。予定のない日にガラケーで麻雀ゲームをしていたら一日が終わっていたということがあって、もうやめよう……と(笑)。電話は今も公衆電話を使うし、どうしてもというときは、人に借りたらいいかなって。重要な電話番号は頭の中にあります。

時計も持ち歩かないですね。コンビニの時計を見ながら歩いたり、見当たらないときは人に聞いたりする。体内時計?よさげです(笑)。それを鍛えるために何かをしているわけではないけど、当たる感じがします。

便利なものを使わないことで 得られることってなんだろう?

携帯電話やカーナビ、時計って、使わないことで、人と関わらないと状況を理解できなくなるんです。道に迷ったときは地元の人に聞かないといけない。難儀なときもあるけれど、関わりが生まれるというのはいいことですよね。

電話を持ち歩いていると、そのときに会いたい人に気軽に連絡できるけど、持っていなければ予め約束をして会うことになる。人と会う機会がある種かぎられるけど、だからこそ、人とばったり出会ったときの感慨もひとしおで、偶然会ったことの意味を考えてしまいます。

仕事上の不自由もあまりない、というか、まわりが持ってないことを理解してくれているというのもあってか、僕自身はそんなに困ることはないですね。

身体の感覚を大事にするということ。

みなさんは、行き道と帰り道って変えたりします? 僕は行きと同じ道を帰るのがどうも嫌で、道を変えて帰ろうとする癖があるんです。

以前、ロボットのプログラムと比べて人間の機能がいかに難解ですごいかという話を、人工生命の研究をしている池上高志さんからお聞きしました。例えば、目の前のコップひとつを取るにしても、人間の場合は無数の方法で取ることができる。でもロボットの場合は、シンプルなプログラムだとひとつ障害があるだけでコップが取れなくなる。それを回避するためにロボットのプログラムは複雑化され、技術が開発されていくのだと。それを聞いて、〝人間は解決能力を持っている〟という感覚を大事にしたいとあらためて思いました。

本を読むという行為にしてもそうですね。今はスマホでも紙でも本を読むことができるけど、スマホだとLEDの光っている文字を視覚的に追うだけ。それが紙なら、紙という立体がそこにあって微々たるものでもインクの盛り上がりなどが知覚として入ってくる。本の厚みと終わりを認識しながら読むことになる。スマホと紙とでは、同じ文字データを読むにしても感覚の持ち方がずいぶん変わってきますよね。

撮影場所:淡路島、おのころ藍工房 撮影場所:淡路島、おのころ藍工房

「森山未來の使う/使わない」他のエピソードはこちら

森山未來の使う/使わない Vol.2

森山未來の使う/使わない Vol.3

STAGE
『Newcomer/Showcase#3
森山未來×国内ダンス留学@神戸7期
Re: Incarnation in Nagata』
森山未來が振付を担当した若手ダンサーたちの舞台。
出演/秋田乃梨子 石山樹野 川崎萌々子 楠田東輝 久保亜樹子 小松菜々子
2022年1月21日(金)・22日(土)
▼ArtTheater dB KOBE 前売2,500円
▼お問い合わせ:http://db-dancebox.org/
 078-646-7044(NPO法人DANCE BOX)

ARTIST IN RESIDENCE
アーティストサポートプログラム『エラ・ホチルド×中野信子×森山未來「Dance of Death」(仮)』
来秋に控えた新作公演のリサーチ&クリエーションのための公開イベント。
出演/エラ・ホチルド 中野信子 森山未來他
2022年1月9日(日)・11日(火)
▼デザイン・クリエイティブセンター神戸 無料(事前予約)
▼会場お問い合わせ:http://kiito.jp/
 078-325-2235(KIITO)

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みんなの感想みんなの感想

  • 1. さこさこさん 2021年12月14日 20:13

    スマホ、カーナビなど頼らないという生き方、みんなが使ってるからこそ、あえて使わない事で、体の五感が発達してより自然と人と共存していけるんだなぁと感じました。、私も、電子書籍より、紙の本派です。
    全部は無理でも、五感を取り戻す為に、週一くるいでデジタルデトックスしたいなぁと思いました。

  • 2. ぱぐさん 2021年12月14日 20:23

    vol.3まで読ませていただきました。ふだんどんなwebの記事もあまり読み進めるのが得意ではないのですが、この特集では、文章や写真が森山さんの魅力を最大限というか、ありのままをひきだしていて、あっという間に最後まで読むことができました。
    インタビュー形式だったはずなのに、本人がずっと語っているかのような構成が、短編ドキュメンタリーを見ているような気分になりました。
    この記事を作ったみなさんのほかのおしごとと見たいとおもったのですが、記事は基本的におなじみなさんで作っているのでしょうか。
    とにもかくにも、すてきな記事をありがとうございました!

  • 3. れっちさん 2021年12月20日 05:46

    未來くんから学ぶことは多い。
    未來くんみたいに生きたかったな。

  • 4. さっちゃんさん 2021年12月29日 11:18

    なるほど〜〜と思うけど、スマホが無ければないで生活は出来るかもしれないけど、無いならないで困る事もあります。記事を読んで真似は出来ないけど、なるべくスマホを触らない時間帯を作れればなぁと思います。

  • 5. パナマルさん 2021年12月29日 13:36

    道具を使っているのか、はたまた道具に使われているのか分からない近頃。
    道具を使うって、本当は能動的な事で、こういう事なんだろうなあと思いました。
    全部が全部は無理にしても、少しだけ、ちょこっとだけ心にとめて実践してみたいと、うっかり万年不携帯電話派の私は思いました。

  • 6. ぽぽさん 2021年12月29日 15:00

    私もたまに、スマホを持たずに出掛けます。
    たった数十分、スーパーへお買い物に行く時間程度ですが。
    それでも解放されたような気持ちになります。
    森山未來さん、とても興味深い方ですね。

  • 7. 蒼さん 2021年12月29日 15:05

    良いとか悪いとかではなく、単純に、
    この方は「使わない」選択肢を選んだんだな、と思った。
    昔なら、「使う」選択肢自体が存在しないため、選ぶことすらできないので、
    今は本当に、良い時代だなあ。
    使うを選んだ人のことも、使わないを選んだ人のことも、自分は尊重できる人でありたい。

  • 8. こよみさん 2021年12月29日 15:19

    森山未來さんが好きなので、気になり読みました。私は携帯がないと不安になるタイプですが、カーナビと時計は使いません。小説や漫画は紙じゃないとダメなので、とても共感しました。友人や周りの人に、携帯で読めばいいのにと言われて、上手く答えられなかったのですが、森山未來さんの言葉をお借りして自分なりに話してみたいと思いました。素敵なプロジェクトをありがとうございます。

  • 9. てちてちさん 2021年12月29日 15:45

    「当たり前を疑う」って必要でなと改めて感じました。やりたいように、生きたいように生きるって以外にブレーキをかけてるのは周りではなく、自分かも。

  • 10. ピッピさん 2021年12月29日 16:40

    自分の生き方を貫ける人って、最高に強くて素敵ですね。

  • 11. サッチーさん 2021年12月30日 10:46

    人間の本来持っている感覚を大事にしなければ私たちは退化していくばかりだと思う。
    そのことを森山未来さんから静かに教えてもらった。
    何かひとつから実行します

  • 12. mikoさん 2021年12月30日 10:51

    ナチュラルな方ですね。 不思議な魅力を感じました。いい役者さんです。 スマホの様な現代のツールに慣らされたら抜け出すのは難しいのに、ストイックな方だと思いました。 その信念でこれからもいいお芝居に取り組んで下さいね。 応援しています。

  • 13. びわのはさん 2021年12月30日 14:45

    何でも自分の所有するものに考えて必要なものをチョイスする事がその人の魅力につながるのもおまけですね

  • 14. ねのねさん 2021年12月30日 18:42

    スマホの多機能さに必要性を感じない為、未だにガラケーユーザーの私。サービス終了が近づいて、スマホデビューするべきか悩んでいるのですが、「こういう生き方もある」ということを示して頂けて、選択の幅が増えた気がしました。
    素敵な記事を有難うございます。

  • 15. rippeさん 2021年12月30日 21:07

    なるほど本の厚さと終わりを確認ってところが共感出来ました❗️
    ナビでどこでも行けるって思ってたけどどこにも行けないのかなぁって思えてきました。

  • 16. さくらのさん 2022年01月04日 11:07

    なんだろう?
    読んでいて、非でも可でもなく ただそこを見つめる みたいな不思議ぃ~な 読書時間でした。
    体の中の微々たる流れているモノが 反応したようなしてないような。体が道具。からだ大事に使かっていうと思いました。

  • 17. かさねさん 2022年01月08日 09:19

    冊子版の紙面を見た瞬間、好きだ!と思いました。写真と文章と誌面の構成が最高に良かったです。
    森山未來さんは岸辺露伴のドラマで知ったのですが、演技力が凄すぎて何度も見返したし、とても印象に残っています。
    これだけ物が溢れ、便利なツールに囲まれた時代に自分の身体と直感に従って生きる生き方っていいですね。人間は何も持たずに生まれてくるので、生きていくために必要な智慧みたいなものは初めから自分の中にあるんじゃないかなあと私は思っているのですが、文章を読んでいて似ているものを感じました。
    特に携帯電話を持ってないのは凄いですよね。携帯の向こう側に広がる世界は余計な情報や他人のジャッジに溢れすぎていて本当の自分がどうしたいかを見失いがちなので、そういった世界から離れて自分の軸を大事にするのはとても良いなあと思いました。私もデジタルデトックスをして自分の心の声を大事にしたいです。素敵な記事をありがとうございました!

  • 18. はるさぼさん 2022年01月10日 21:06

    森山未來さん、とてもステキです。
    webでの文章を読むことは滅多にないのですが、引き込まれてしまいました。
    紙と言葉が好きなので本はもちろんめくるもの。
    手紙も時々手書きで送ります。
    仕事でマックは使うけど、紙と鉛筆だと思ってます。
    時計ももたないし、スマホもほとんど使ってない。
    でもゼロには出来ない…。
    確かに便利な道具がない方が身体の感覚は研ぎ澄まされます。
    もっと五感を使う時間を増やしていきたいな。とあらためて思いました。ありがとうございました。

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