2021.12.10
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もちこ(新入社員/生活雑貨のカタログ製作)
アップサイクルには美大生の頃から興味があり、師匠のFuに様々なアップサイクルなものたちを紹介してもらったりしている。
どんなものにも必ず隠されたストーリーがあると思っている。
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WEB SHOP 「Fu's Note(フーズノート)」 店主 fu(ふー)
以前は、Mrs.fやmama.fとして、オリジナル商品の企画や海外商品の買い付けをしていました。1999~2010年、イギリスとドイツ暮らしのあと帰国。現在は、WEB SHOP 「Fu's Note(フーズノート)」店主 fu(ふー)として活動中。ライフワークとして公私にわたり「アップサイクル」を追求し続けています。
Fuさんが私に見せてきたこのタオル。とても鮮やかで絶妙な色合いがかわいい!
「なにで染めてると思う~~?」
「そりゃ~何かの染料でしょ!(どやっ)」
「これ野菜からできてるんやで。しかもナスの皮と実の部分!」
「えっ!!どうやって…というかなんでナス…??」
「そう思うやろ~!じゃあ実際に現地に行って教えてもらおう~!」
泉州特産水なす漬け本舗 マコト商店
なす…?漬物…?まさかさっきのなすって…!!
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「水なすタオル」の原材料は私たちの漬物用の水なすを生産をしている農家さんのものなんです!
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形が悪かったり、様々な理由で販売できなく、廃棄されるはずだった水なすから色を抽出し、それで染められたタオルだったのです。
やっぱり自然のものだから、他のものと違う形で育ってしまうものとかもあって、それが理由で農家さんが育てた野菜を廃棄することへずっと抵抗を感じていたマコト商店 常文さんと袋谷タオル 謙治さんの思いが生み出したタオルなのか…!!
次に訪れたのは射手矢農園
実はなす以外にもキャベツやにんじんなど色んな野菜で染められたタオル “雫シリーズ” があるのです!
絶妙な色のスモーキーさが品があってかわいい…!!!!
その中でも、玉ねぎとキャベツを栽培している射手矢農園さんにお話を伺いました!
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みんなで動いたらいろんなことが動き出すんよ!!
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これが原料のキャベツですか~?
これはまだ収穫前やけど、本来なら収穫後の残った外葉を染料にするよ。
そうなんですね!本当なら、廃棄されてしまうけど、タオルの染料にすることでまた新たな使い道として第2の人生がはじまるってことですね!すてき!!
射手矢さんと袋谷さんは長年の友人で袋谷さんからタオルを染めるのに廃棄してしまう野菜を使いたい!と誘いを受けて、すぐ誘いに乗ったそう!
キャベツのほかには玉ねぎも傷がついて出荷できないものもタオルの染料にします。
射手矢農園のたまねぎは1つが
とってもおっき~~いんです!!!
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ミシュランのシェフもお墨付きです!
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「まわりを巻き込み、みんなで動けばいろんなことが動いていく!」と射手矢さんの言葉で、このタオルの誕生にはただ “廃棄されるものをつかう” だけじゃなくて “みんなとのつながり、知恵をつかいきる” ことが重要なんだ!と感じました!
移動の途中、袋谷さんがおいしいおむすび屋さんに連れて行ってくれました~!
王道のうめやのりの他にも、季節の栗ご飯やサツマイモ、サツマイモのツルの佃煮など他の店では味わえないような変わり種もありました!!
商品名の「お結び」がとても素敵できゅんとしました~!
雫シリーズ誕生の根源の袋谷タオルへ。きっかけや思いなどをお伺いしました!
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泉州は日本のタオルの発祥の地!もっと地元の人が自慢できる “なにか” を作りたかったんです。
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タオルの原材料の綿花も農産物。地元の農産物を組み合わせて、泉州にしか作れないタオルを作ろうとはじまった雫シリーズ。
「一生懸命作られた作られた野菜、旬の野菜は不思議といい色がでるんですよ。」
「日本中に同じような問題を抱えている地域があって、この取り組みを見て自分たちもおもしろいことやってみよう!って思ってもらえたらうれしい!!」
と袋谷さん。
最初はどうやって染めているんだろう…?や なんでなす…?って思っていたんですが、その疑問以上に人との繋がりやきっかけがとっても深く、濃い内容でびっくりしました!し、とても勉強になりました。
地元に愛される、泉州でしか作れない「なにか」を作りたいと思った袋谷さん。
丹精込めて育てても市場に回らない野菜があり、困っていた射手矢さん。
形が悪いことなどで漬物として販売できない野菜を廃棄することに抵抗のあった、マコト商店さん。
袋谷さんが声をかけて始まったプロジェクトですが、経緯やきっかけがまるで最初から作られることを想定していたかのようにピッタリとはまっていて聞いていてとても感動…!
地元の農産物が織りなす唯一無二のプロダクトは「アップサイクル」の一言では言い表せないストーリーが隠されていました。
ひとりひとりの情熱や知恵、そしてそれぞれの技術。それらをすべて「つかいきった」からこその新しいモノ・コトなのだとこの取材を通じて感じました!!
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泉州特産水なす漬け本舗 マコト商店 2代目店主 袋谷常文・亜美夫妻
常文さんは、袋谷タオルの代表、袋谷謙治さんのいとこ。「雫」シリーズのはじまりとなった「水なすタオル」は、なんと!常文さんと亜美さんの結婚式の引き出物として誕生したそう。「落ち着いた色味がいいですよね」と妻の亜美さんもお気に入りです。
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射手矢農園代表 射手矢 康之さん
キャベツの収穫祭以外にも「田んぼアート」など、地元を盛り上げる活動をしています。ユニークなお友だちが多く、「なんかね~ポジティブがポジティブを呼んでくるんよね~」とキャベツ畑をバックに語る射手矢さん。納得。
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袋谷タオル5代目 袋谷謙治さん
創業95年の老舗タオルメーカー。学生時代から絵を描いたり、ものづくりが好きだったという代表の袋谷さんは、袋谷タオルの5代目。先代たちが手掛けてきたタオルづくりを継承しつつ、新しいタオルづくりにもチャレンジしている。
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今よりちょっとだけ上手な「つかう」を覚えたら、 今よりちょっとだけ「つかいきれなかった」が減ったら、 それは前よりちょっといい世界かもしれません。
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みんなの感想
1. 163.Fさん 2021年12月30日 00:54
野菜からの色がとても素敵ですね
白いシャツとかも、くたびれてきたらこんな色に染め直してまた着られると楽しそうと、妄想してしまいました
廃棄野菜で染料キットが出来たら欲しいです