2022.4.14
Playfoolさんのアイデアからはじまった「森のクレヨン」作り。お客さまのもとにお届けできるかたちになるまで、たくさんの挑戦がありました。フェリシモのプランナーが、開発の舞台裏をお話しします。
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フェリシモ 小倉
フェリシモの商品企画担当。Playfoolさん発案の「森のクレヨン」商品化に携わる。以前から地元・神奈川県の伝統工芸である寄木細工など、色の違う木を使ったプロダクトに魅力を感じていたため、今回のプロジェクトには興味津々!
今回のクレヨンのコンセプトとして、「木の色の違いを感じてもらいたい」という想いがあったため、着色料は混ぜずに木の幹の色だけでクレヨンを作ることにこだわりました。
果たして、色のバリエーションが出せるような木の種類は集められるのでしょうか?
ヒダクマさんに相談したところ、日本各地の林業関係者さんに声をかけてくださり、集まった木はなんと44種類!
森のクレヨンの商品化に対して、たくさんの方々が「おもしろい取り組みだね」と興味を持ってくださり、こんなにも多くの種類の木くずを集めることができました。
届いた木くずを並べてみると、同じ木なのに、ひとつひとつ色が違うことがわかります。森の中で見ていた木の表面からは想像できないカラフルさ。
強い赤色だったり、緑色に近いものや、白、黄色、こげ茶、グレーがかったものなど、木の色だけでこんなにカラフルなパレットができるんだ!と驚きました。
ミカンはうっすら黄色かったり、ヤマザクラやツバキはほんのりピンクがかっていたりして、実や花のイメージ通りの色のものや、ヒノキやイチイなどよい香りの木、聞いたこともない名前の木もたくさん。
こんなにある中からサンプル制作ができる数に絞ることは、至難の業でした。
茶色ばかりに見えるグラデーションの中でも、赤っぽいもの、黄色っぽいもの、暗い色、明るい色など、色味の種類で分けて、発色のよさそうなものや身近に感じられる木をセレクトし、サンプルを作ることに。
木くずを細かい粉末状にして、米ぬか由来のライスワックスと米油という材料と混ぜてサンプルを作りました。
粉末化した木はこんな感じ。
木くずの時よりもやわらかい印象の色になりました。これだけ見ると、スパイスみたい。
▼クレヨンはこのような工程で作ります。
熱して溶かしたライスワックス・食用の米油・木粉を混ぜ合わせます。
混ぜ合わせた材料を、クレヨンの金型に流し入れます。
冷まして、固まったところを型から抜くと、きれいなクレヨンのかたちに!
はじめてできあがったクレヨンのサンプルで実際に描いてみたところ、思っていたような色は出ず、発色や描きやすさも種類によってバラバラでした。
どうして!?
急いでクレヨン業者さんに相談したところ、この段階での木の粉の粒度は80~100マイクロメートルという粗い粉だったため、うまく色が出なかったようです。
そこで、さらに木の粉を細かくする機械を通して、微粉末化することに。
おおよそ30マイクロメートルという、フェリシモで商品づくりをしていて今まで聞いたこともない単位の材料を使うことになりました。(ちなみに、抹茶で20マイクロメートルくらいだそうです。)
そして、今度はクレヨンのベースとなる材料をミツロウで作ってみました。
微粉末でつくったサンプルが18色出来上がり、きっと色が出るはず、と期待したのも束の間。
また描けません……。
ミツロウの粘り気のあるテクスチャが紙に引っかかってしまい「最初のサンプルの方が描きやすかったかも?」と思うくらいでした。
色の違いがわかりやすいもの、発色のよいものを選び、米油とライスワックスで再々チャレンジ。
結果、種類によって色の強弱の違いはあるものの、画用紙に色が乗るようになりました。
木の粉だけで色を付けることにこだわったため、顔料を使った普通のクレヨンのようにはっきりとした色は出ませんが、自然の素材ならではのやさしい色合いに。
描く紙の質感によっても、色の乗り方は異なります。
黒い画用紙に描いても、それぞれ異なる雰囲気を味わっていただけます。
ちなみに、描き味が種類によってばらついていたのは、木の幹の硬さがそれぞれ違うため、細かい粉になりやすいものと、そうでないものがあるのだそうです。
木の種類によって、色だけでなく描き心地もさまざま。硬さにも木の個性が出ているなんて、いっそう木への愛着が湧いてきますね。
「生えている時はどんな姿だったのかな?」「どんな性格の木なのかな?」なんて想像しながら、それぞれの木の特徴をお楽しみください。
このように加工のプロセスや木の特徴、魅力を知ることで、クレヨンだけでなく建物や家具、雑貨の向こう側に、森の風景をイメージしていただけたらうれしいです。
森の地面に小枝が重なって落ちているようなイメージでデザインしたパッケージに入れてお届けします。
やってみよう
「森のクレヨン」で絵を描こう。
木の色だって、実はこんなにいろいろ。表情豊かな茶色のカラーパレットで、あなたなら何を作る?
この記事はいかがでしたか?
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みんなの感想
1. SAKIさん 2022年05月19日 22:27
木の種類で色の差がこんなにあるとは驚きました。
絵手紙を描く方にプレゼントすると喜ばれそうです。
木の粉末の大きさを変えたり、ベースを変えたりと、試行錯誤している様がよくわかり、手塩にかけてつくった商品を大切に思っていることが伝わってきました。