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「森のクレヨン」はどうやって生まれた? 発案者・Playfoolさんにインタビュー

2022.4.14

「森のクレヨン」はどうやって生まれた? 発案者・Playfoolさんにインタビュー

建物や家具にならない木材を主な原料とした「森のクレヨン」。木は単なる茶色ではなく、こんなにも多様な色をしているのだと気づかせてくれます。今までにない木のプロダクトを発案したのは、クリエイティブユニット・Playfoolのおふたり。クレヨンが生まれるまでのストーリーと、クレヨンに込めた想いをうかがいました。

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Playfool コッペン・ダニエルさん & サキさん

Playfoolはコッペン・ダニエルさんとサキさんによるクリエイティブユニット。すべての人のイマジネーションやクリエイティビティを促すことをミッションに、遊び心あふれるプロダクトや体験の企画・開発、youtube動画の制作などを行う。国内外で受賞多数。

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フェリシモ 小倉

フェリシモの商品企画担当。Playfoolさん発案の「森のクレヨン」商品化に携わる。以前から地元・神奈川県の伝統工芸である寄木細工など、色の違う木を使ったプロダクトに魅力を感じていたため、今回のプロジェクトには興味津々!

「木材」にとらわれない、新しい木の使い方を探して

小倉 小倉

「森のクレヨン」のプロトタイプは、これまでにない国産木材の使い方を探すプロジェクト「WOOD CHANGE CAMP」から生まれたんですよね。

サキさん サキさん

はい。私たちはもともと森や木とはあまり縁がありませんでした。どちらかというと3Dプリンターやプラスチックなどを扱うことが多くて。プロジェクトに参加して、初めて日ごろきれいだねと眺めていた森がたくさん問題を抱えていることを知りました。

例えば、日本の森林の半数近くが人工林で、維持するためには伐採や植林が必要であること、林業従事者が少なく、放棄林が増え、自然災害の温床となってしまっていることなどです。それで、多くの人に森林に関心を持ってもらうために私たちにできることはないかなと思ったんです。

小倉 小倉

木の建物や家具に使えない部分を粉にして、顔料として使うという発想には驚きました。

サキさん サキさん

最初は家具やおもちゃを作るイメージでいたんですよ。
でも、なぜ日本で国産材があまり使われないのかというのを聞く中で、運ぶのが大変でうまく流通網に乗せられていないという話が出てきたんです。製材所(伐採した木を加工する場所)が港のそばにあることが多く、船で運ばれてきた海外からの輸入材が使われやすいと。
そこから、林業に関わる人たちの負担がなるべく少なく、既存の流通網に乗せやすいプロダクトにしたいと考えるようになりました。

小倉 小倉

それで、本来家具などに使われない部分を粉にすることを思いついたんですね。

サキさん サキさん

粉に至るまでに、実はいろいろな実験をしていました。とにかく「木材」という形から脱却する方法はないだろうかと思って、木をゆでたり、凍らせたり、食べてみたり……。あと何をしたっけ?

ダニエルさん ダニエルさん

電流を流したり。

サキさん サキさん

そうそう(笑)。ある時、岐阜県飛騨市の土場(木材の集積場所)でいろいろな種類の木材を見たんです。電動やすりをかけてみたらすごくキレイな色の粉が出て、顔料として使えるんじゃない?と思ったのが「森のクレヨン」の始まりです。

岐阜県飛騨市の土場(木材の集積場所) 岐阜県飛騨市の土場(木材の集積場所)
小倉 小倉

私もクレヨンになる前の木の粉を初めて見た時、樹種によってこんなに色が違うんだと驚きました!

サキさん サキさん

土場に行ったのが葉が落ちた冬の森を見た後だったので、カットされた木の鮮やかさが一層際立って見えたんですよね。森に行ったのが夏だったら、緑の美しさに目が行って木の色には気付かなかったかも。

小倉 小倉

めぐり合わせがあったんですね。そんなクレヨンを商品化するのは、苦労も多かったですよね。

サキさん サキさん

本当に! 大変でしたよね。少量作るのと、たくさん作るのとでは全然違って……。

ダニエルさん ダニエルさん

たくさんの人に届けたいと思うほど、使える樹種に制限ができてしまったりね。ジレンマもあったけど、こだわり続けたのは木の色の違いを表現すること。木は単なる茶色じゃなく、たくさんの色のグラデーションがあるんだというのを見せたくて、妥協せず探しました。

クレヨンを作ってから、木を見るのが楽しくなりました

サキさん サキさん

私はこのプロジェクトを通して、木の名前をたくさん覚えました。街の中にもいろいろな木が植えられていることに気づくようになって、街路樹を見ると「あ!」って(笑)。

小倉 小倉

分かります! 知ってる木を見つけるとうれしくなりますよね。

サキさん サキさん

以前よりも木を見るのが楽しくなったし、木を見る時間が増えましたね。
ふたりでキャンプに行くようにもなりました。キャンプってそこにないものを何かで代用したり、即興的な工夫が必要じゃないですか。自然の中で人間の本来の力を取り戻すような瞬間がたくさんあるのが楽しくて。
特にダン(ダニエルさん)はもともとアウトドアが好きじゃなかったのに、プロジェクトのおかげで自然がすごく身近になったと思います。

小倉 小倉

そんなふうに、「森のクレヨン」を通して森を身近に感じる方が増えたらうれしいですよね。

サキさん サキさん

本当にそうですね! 森と人との距離を近づける存在になってくれたらいいなと思います。 あと、国を超えたコラボレーションもやってみたいです。

小倉 小倉

いろいろな国の木でクレヨンを作るということですか?

サキさん サキさん

はい。実は今年の2月から6月まで、ダンの故郷のイギリスで「森のクレヨン」の展示をしているんです。イギリスも、輸入材の使用率が高くて国産材があまり使われていない。このままでは森が枯れてしまうので、いかに国内での循環を保つかという問題に直面してるんです。日本と同じですよね。
同じ問題を抱える地域はたくさんあるから、日本だけじゃなくてイギリスの「森のクレヨン」、ケニアの「森のクレヨン」みたいにほかの国の木でも作りたい。アフリカにはすごくカラフルな木が生えているんですよ。赤とか、紫とか。

小倉 小倉

おもしろそう! どんな色のクレヨンができるのか見てみたいです。

小倉 小倉

それでは、最後に読者のみなさまにメッセージをお願いします。

ダニエルさん ダニエルさん

このプロジェクトで、私たちは木によって色がまったく違うということを見つけたし、森や木についてたくさん知ることができました。そのおかげで、ふだんの生活の中で気づくことも増えました。「森のクレヨン」を通してみなさんにも同じ驚きを味わってほしいし、その驚きが生活を豊かにすることにつながってほしいと思います。

サキさん サキさん

木材はスキルがないと加工がむずかしいと思いますが、「森のクレヨン」ならお子さんでも、ツールを使えなくても何かを作ることができます。これから「森のクレヨン」でどんな絵が描かれるのか、とても楽しみにしています。

やってみよう

「森のクレヨン」で絵を描こう。

木の色だって、実はこんなにいろいろ。表情豊かな茶色のカラーパレットで、あなたなら何を作る?

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