2021.7.14
世界各地の子どもたちを支援している国際NGOの「セーブ・ザ・チルドレン」。2020年7月に「セーブ・ザ・チルドレン」が支援活動を展開しているアフリカのウガンダの難民居住区に1284体のハッピートイズが旅立ちました。現地で弾けるような笑顔の子どもたちに大歓迎されている写真を見ると、私たちも胸がいっぱいになります。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでハッピートイズの窓口を務めてくださっている渡邊紗世さんと荒川知佳さんにお話をうかがいました。
※輸送費用の一部にメリーファンディングで応援していただいたお金を使わせていただきました。ご協力ありがとうございました!
話し手・渡邊紗世さん(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 海外事業部 プログラム・コーディネーター)
話し手・荒川知佳さん(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン パートナーリレーションズ部)
聞き手・湯本京子(フェリシモ ハッピートイズプロジェクト担当)
ぬいぐるみを受け取った瞬間の子どもたちはどんな様子でしたか?
ウガンダ事務所のスタッフが空港のある首都から7、8時間かけて車で運び、子どもたちに手渡ししています。
私たちも新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で現地に行けない状況が続いていて、手渡す瞬間には立ち会えてなかったのですが、「おぉ! これは何だろう!?」と興味津々な子どもたちの様子が想像できます。
驚きと興味に始まり、「え? もらえるの?」とわかってからは、もううれしさが爆発する様子も写真から伝わってきます。
子どもたちは現在、どんな風に遊んでいるのですか?
「こどもひろば」で活用したいと思っていたのですが、「こどもひろば」が閉鎖中なので、こころのケアを目的に家庭訪問していたスタッフが個別に手渡しています。
そもそも、ぬいぐるみを持っている子をウガンダでは見たことがないくらいだったので、子どもたちはさぞかしうれしかっただろうと思います。
持って走り回る子もいれば、ままごとをしていたり、思い思いに遊んでいたりしています。あと、親とはぐれてしまった子どもたちには、自分の気持ちを話しにくいと感じる子もいますので、ぬいぐるみ遊びを通して心にしまっている思いや考えていることなどを引き出していく心理・社会的支援につながるような使い方もしています。
コミュニケーションのきっかけを作るような使い方もされているのですね! ご両親の反応などはいかがでしたか?
親たちも自分たちがあまり遊んだことがないようなぬいぐるみが到着して、すごく喜んでいたそうです。日本と同じように家で過ごす時間が増え、親自身もストレスが溜まる状況の中、子どもがぬいぐるみを使って自分で遊ぶ時間をもてるようになったことで、大人にもよい影響があったと聞いています。
ウガンダの子どもたちの今
紛争の続く隣国・南スーダンやコンゴ民主共和国から逃れてきた難民の人たちが暮らすウガンダの難民居住区。国境を越える道中で親とはぐれてしまった子も多く暮らしています。セーブ・ザ・チルドレンでは、子どもたちが安心して遊べる「こどもひろば」を設置するなど、支援活動を展開。当初はハッピートイズもこの広場で使用予定でしたが、コロナの感染拡大によるロックダウンで昨年3月末から「こどもひろば」は閉鎖に。子どもたちは遊び場所が限られ、友だちと会う機会や学ぶ機会も少なくなっています。
※最新情報はスタッフブログでご覧になれます。
先ほど現地でぬいぐるみをほとんど見かけないというお話がありましたが、現地の子どもたちは普段どんなおもちゃで遊んでいるのですか?
現地でよく使われているのはサッカーボールですね。サッカーボールそのものでなくても、布をぐるぐる丸めて自家製ボールを手作りして遊んでいる子が結構います。あとはタイヤを木の枝とかで転がして競争してみたり、周りにあるものを活用した遊びが多いですね。
手作りしたもので遊ぶことが多いんですね。
そうですね。創意工夫がすごいです!
ハッピートイズも皆さんが心を込めて作っているので、子どもたちが普段から手作りに親しみを持ってくれていることがわかって、そこは安心しました。
特に一体一体違うところなんかも、子どもたちはうれしかったと思います!
渡邊さん自身がこの活動にかかわって、何か気づいたことなどありますか?
私たちは診療所の運営や教育事業など、大勢の子どもたちを対象にした支援活動を行うこともあり、また、駐在中も事業の進捗管理など大局的な視点から事業をとらえなければならないことが多いのですが、ハッピートイズの活動はすごく人と人が見えるところが特長ですよね。
作り手の皆さんが子どもたち一人ひとりのことを思って考えて、作って、届けたからこそ、受け取った子どもたちも最高の笑顔を見せてくれているのだと思います。改めて私自身も何のためにこの活動をしているのか考える機会をいただきましたし、一人ひとりのことをしっかり考えながら、小さな活動を積み重ねていくことの大切さを感じさせてもらっています。
ありがとうございます。ずっとニコニコしながら聞いてくださっていた荒川さん、いかがですか?
はい。私も普段の活動では、全体の進行状況の把握という俯瞰した視点で取り組むことが多いのですが、ハッピートイズを受け取った子どもたちの弾けるような笑顔とそのエネルギーを感じて「本当にすごいな!」ってその表情に釘付けになりました。同僚みんなで写真を見て、うれしい気持ちをシェアしました。
最後にハッピートイズを作ってくださっている皆さんにメッセージをいただけますか?
はい。皆さんの作ってくださったハッピートイズは海を越え、ウガンダの難民居住区の子どもたちにしっかり届いていますということをまずはお伝えしたいです。大変な作業を通して子どもたちとつながろうと思ってくださった皆さんの思いがとってもうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。
子どもたちの近況はセーブ・ザ・チルドレンのスタッフブログなどでも随時報告していますので、そちらにアクセスして現地に思いを馳せていただいたり、「ウガンダの子どもたちに届けたんだよー」などと活動のことをご家族やご友人に伝えていただけたらうれしいです。
荒川さんはいかがですか?
今、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、パートナーシップの重要性が指摘されていますが、パートナーシップって “つながり”だと思うんですよね。ぬいぐるみを作られた皆さん、一つひとつ梱包していただいたフェリシモの皆さんなどなど、いろんな人たちがつながり、つながって、ようやく1万km以上も離れたウガンダの子どもたちに届けることができました。
つながりの芽はいろんなところにあると思うので、今回のようなパートナーシップを活かして、一緒により良い未来を目指して私たちを取り巻く課題を解決していきましょう!
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現された世界を目指し、世界各国で子ども支援活動を行う民間・非営利の国際組織。現在は日本を含む29の国と地域の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で緊急・人道支援、保健・栄養、教育、子どもの保護、防災などの分野で活動しています。https://www.savechildren.or.jp/
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渡邊紗世さん
海外事業部 プログラム・コーディネーター。ウガンダに1年間駐在の後、東京本部で事業管理を担う。 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
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荒川知佳さん
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、主に西日本の企業とのパートナーシップを担当。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
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湯本京子
手づくりブランド「クチュリエ」で2017年よりハッピートイズプロジェクト担当。
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