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自分の中の「好き」を大切に。 | 魔法部スペシャル座談会 【4/5】

2022.8.10

自分の中の「好き」を大切に。 | 魔法部スペシャル座談会 【4/5】

今回は「好きなものを好きでい続けること」「いろんな作品に触れること」の大切さについて。子ども時代の自分をぎゅっと抱きしめたくなる、人生の先輩たちからの熱く優しいメッセージが並びます。

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宇垣美里さん

2014年4月にTBSに入社。アナウンサーとして数々の人気番組に出演。
2019年3月にTBSを退社後、オスカープロモーションに所属。
現在はフリーアナウンサーとして、テレビ、ラジオ、雑誌、CM出演のほか、女優業や執筆活動も行うなど幅広く活躍中。
昨年12月には週刊文春での漫画評連載をまとめた「今日もマンガを読んでいる」を発売。

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図師さん

1996年講談社入社。現「なかよし」副編集長。ファンタジーものや魔法少女もののマンガを数多く担当。担当作品に「ヴァンパイア男子寮」「東京ミュウミュウオーレ!」「どうせ、恋してしまうんだ。」「ぴちぴちピッチaqua」など。

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前田

フェリシモのブランド「魔法部」の商品企画やプロモーションを担当。「魔法部」は、魔法使いの出てくるファンタジーや魔法少女の物語が大好きだった人に向けて、「大人になっても自分の好きな世界を愛し続けられるよ!」と提案しているブランドです。

前田 前田

幼少期に好きだったことが、現在のお仕事にいい影響を与えていると感じることはありますか?

宇垣さん 宇垣さん

少女時代からさまざまな物語を読んできたおかげで、自分の中に自然に蓄積されてきたものというのは確実にあると思います。そのおかげで気持ちを表現する方法が豊かになったり、共通の話題がきっかけで、人との会話やインタビューが盛り上がったり、マンガ評や映画評の仕事をいただけたり。子どものころは、まったくそんなつもりで好きなものにふれてきたわけではなかったんだけど、大人になってから、すごく自分の栄養になっているのを感じます。

前田 前田

図師さんはいかがですか?

図師さん 図師さん

物語を読むことも、文章を書くことも、小さいころから好きでした。絵にも興味がありましたし、中学生時代までは油絵も描いていました。マンガの編集は言葉と絵を見る仕事でもあるので、これらの経験はとても役に立っているように思います。
あとは、映画やドラマもすごく好きで、子どものころからかなりの数を観ているほうだと思います。アジアの映画や昭和20年代の日本映画も好きで、脚本集を読むのも好きです。
高校生になってからは、BSで宝塚を知り、その美しさに驚いて今に至ります。今では、時間のある限り観劇しまくっています。女性の夢を詰め込んでいる…という点で、少女漫画との共通点もかなり多いと思っています。

宇垣さん 宇垣さん

私も宝塚大好きです!女性だけで作られる、あのファンタジックな世界のときめきは、少女漫画にかなり通じるものがありますよね。男役の方のかっこよさたるや、そのまま少女漫画から飛び出してきたみたいで…!昔から少女漫画でよく描かれる、美しい男性が花を背負って出てくる描写がありますが、あれの実写版が宝塚なのでは…と思います。すべてが理想というか、まさに夢の世界ですよね。最高です。

前田 前田

では、逆に、好きなことがあることで困った、ということはありますか?

宇垣さん 宇垣さん

そうですね…、電子書籍でマンガを読むことが増えてから、総額のことを考えなくなってしまって(笑)。紙のマンガだと、本屋さんから持って帰れる量も限界があるし、部屋に積み重なっているのを見たら「やばいな」って思えるんですけど、電子書籍だとそれがないから、リミッターが完全に外れてしまって、無限に買ってしまうんですよ。しかも深夜の0時になった瞬間に更新される連載も多いので、クリックしまくりで。眠る時間も忘れて読んでいます。

図師さん 図師さん

理想の読者ですね…(笑)。素晴らしいです。

前田 前田

図師さんは、好きなことがあることで困った、ということはありますか?

図師さん 図師さん

うーん…。あるとすれば、時間が足りないことでしょうか(笑)。

前田 前田

今現在のご自身にも影響を与えているお二人の好きなことですが、「それを卒業したほうがいいよ!」などと誰かから言われたことはありますか?

図師さん 図師さん

全然ないですね。ドラマや映画が好きなのは母の影響ですし。また、担当している漫画家さんと一緒におすすめの映画や舞台を見に行ったり、私のおすすめのドラマを漫画家さんに見ていただいたりすることもよくあります。一緒に同じ作品を作っていく上で、お互いに共感する感覚を確かめ合う、という作業もとても大切なんです。だから、誰も私の「好き」を止めません(笑)。

宝塚の劇場に行くと、お元気で生き生きとした高齢の大先輩のファンの方々がいらっしゃって、みなさまとても楽しそうです。私もいつかああいうベテランのファンになりたいので、卒業はしないと思います(笑)。それに宝塚を通じて社内でも社外でもいろんなお仕事をしている友人がたくさんできて、人生がとても豊かになりました。
「女の人が女の人にときめくの…?」と、言われることもあるかもしれませんが、実際ときめきまくっているので(笑)、全然気にしていません。

宇垣さん 宇垣さん

私も図師さんも、強いですからね(笑)。前田さんも、もし誰かに何かを言われたとしても、気にしなくていいんですよ。

私は、アナウンサーになりたてで、自分のパーソナリティーがちゃんと伝わっていないころは、見た目のイメージなどからか、私の好きなものに対して「意外だね」と言われることはありました。

観劇が好きで、同じ舞台を何回も見にいくこともあるのですが、それを「舞台ってチケット高くない?」とか「なんで同じのを何回も見にいくの?」って言われることはときどきありますね。観劇チケットを高いと思う人もいるかもしれないけど、その値段で得られるものがあまりに大きすぎるから、「実質無料でしょ?」くらいに私は思っているし(笑)、舞台というのはナマモノなので、何回見に行ってもその都度まったく違うんです。でもまぁ、そんなことをその相手に対して一生懸命説明する必要はまったくないと思います(笑)。

前田 前田

かっこいいです…。わたしはわりと、周りにあれこれ言われることを気にしてしまうタイプだったから、素直に好きなものを好きだといえない時期があって。だから自分が学生のころ、宇垣さんがアナウンサーなのに堂々とマンガやアニメを好きだと公言していて、その姿にすごく勇気をもらったんです。

宇垣さん 宇垣さん

そうかー、アナウンサー「なのに」、という捉え方になってしまうんですね。

前田 前田

そうですよね…。自分もマンガやアニメが大好きなのに、宇垣さんに対して「アナウンサー『なのに』」と思ってしまっていたことに、今気づいてハッとしました。誰よりも、私自身が、なんらかの固定観念にとらわれてしまっていたのかもしれません…。

図師さん 図師さん

今はオタクはメジャーな存在ですが、お二人より上の世代の中には、マイナーな存在だと思われていた方もいたのかもしれませんね。景気が良かった時代を生きてきた人たちって、おそらく気持ちが外に向いている方が多いけれど、マンガやアニメを愛する活動っていうのは、自分の内側と対峙するような性質がありますよね。だから、そういうのが信じられない、もっと外に出かけろよ、男女交際しようよ、車を買おうよ、バーベキューしようよ、みたいな感覚が、あるところにはまだあるのかもしれませんね。

宇垣さん 宇垣さん

バーベキュー…(笑)。

そういえば、私はメイクが大好きなんですが、「そんなメイクしてるとモテないよ」みたいに言う人は確かにいますね。そういうときは、「ウケる!」って心の中で思って、スルッと流してます(笑)。そんなこと言う人たちにモテてもまったくうれしくないし。そもそも自分のためにメイクしてるんだから、自分が楽しければそれでハッピーなんです。

前田 前田

宇垣さんは本当にお強くて、聞いていて勇気が出ます…。好きなことに対する偏見などに困ることはないですか?

宇垣さん 宇垣さん

強いので、ないです(笑)。なにか言われたとしてもまったく気にしない。偏見に対して傷ついたりもないです。

図師さん 図師さん

もし何か言ってくる人がいたとしたら、その人は、物事に深くハマったことがないんじゃないかな?と思います。人が心から楽しんでいることに対して、軽々しく茶々を入れるなんてこと、あってはいけないですよ。
私は漫画家さんに対しても、どんどん漫画以外のものを享受してほしい、と言い続けています。なぜなら、クリエイティブな仕事をしている人は、作品を作れば作るほど、自分の引き出しが空になっていくからです。
たとえば少女マンガでも、高校を卒業したばかりの若い漫画家さんであれば、つい最近のものごとや自分の感情を思い出して作ることができるかもしれません。けれど、年齢を経るとそれがなかなか難しくなっていきます。

図師さん 図師さん

あるフィクションを享受するということは、自分ではないもう一つの人生を生きる、ということだと思うんですよ。ものを作り出して空になった自分の引き出しに、どんどん新しい体験や人生、感情を詰めていくことが必要です。
物語を創造するお仕事に就いていない方でも、私は何か架空のストーリーを享受することで、自分とは違う立場の人への共感や、温かい眼差しを学ぶことができると思っています。
人が生きていく上でいちばん大切な、想像力が身につくと思います。

前田 前田

ありがとうございます。お二人の言葉が、胸に刺さります。

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