「おうちで体験 金継ぎ教室プログラム」で、器をリペアしてみた!

投稿日:2023年2月24日(金曜日)


こんにちは。フェリシモ女子DIY部ちまこです。

金継ぎを趣味で続けて数年。
ミニツクというブランドから「おうちで体験 金継ぎ教室プログラム」という、金継ぎキットとハウツーが載った手引書をセットにした商品も発売いたしました!

今回は、知人から器2点の金継ぎ依頼がきましたので、そのキットを使用して修復していきます。

修復後の器がこちら。小さな欠けとひびを直しました。

修復後の器

もうひとつはこちら。口の裏側の欠けを直しました。

口の裏側の欠けを直しました

まずは材料のご紹介です。

【材料・道具】
「金継ぎ教室プログラム」のセット一式
※パテ、真ちゅう粉、テレピン油など必要なものがそろっています。
デザインナイフ

このセットの中に、金継ぎのハウツーは掲載しているのですが、この記事ではポイント的に流れを書いていこうと思います。

まず取り掛かる前に、欠けている器の状態をチェックします。
この器は欠けだけでなく、全体的にひびが入ってしまっていました。

欠けている器の状態をチェック

全体的にひびが入ってしまっていました

もうひとつの器は薄く表面が欠けている状態。そのほかに傷はありませんでした。

薄く表面が欠けている状態

こうやってまずチェックして、どこを直すのか明確にしておくことが大切。
作業後に「あれ?ここも欠けてる!」となると、またそこだけ作業することになります。

では作業開始!
テーブルが汚れないように、「金継ぎ教室プログラム」のキットに入っている汚れ防止の紙を敷きます。
耐水性、耐油性の紙なので、水にぬれても大丈夫。気兼ねなく作業できます。
最初はパテをこねこね。欠けを埋めます。

パテをこねこね

器の欠けにキュッとくっつけます。

このぐらい最小限につけると、あとで削るところが少なくて済みますよ。

このぐらい最小限に付けると後で削るところが少なくて済みますよ

ひびには、パテをこすりつけていきます。これが案外むずかしいです。

手前みそですが……金継ぎ教室プログラムのキットに入っているパテが結構優秀です。
こねやすく作業しやすい粘度。
そして固まるまでの時間も比較的長い(でも10分くらいで固まる)ので、固まるまで何回も付け直すことができて、初心者さんに最適なんです!

固まるまで何回も付け直すことができて、初心者さんに最適なんです

こっちの器にも必要最小限のパテをくっつけます。この必要最小限というのがむずかしい。
ちょっと多いくらいがベストです。少ないとへこんだ仕上がりになるので……。

パテが完全に硬化するまで待機

パテが完全に硬化するまで待機したら、次の工程へ。余分なパテを削っていきます。
デザインナイフを用意しましょう。カッターナイフでもいいですが、このような丸い刃が替刃に付いているデザインナイフだと理想的。

デザインナイフを用意

丸い刃が替刃に付いているデザインナイフ

刃が丸いと、器の内側にフィットして気持ちよく削れます!

丸い刃がなければ直線の刃でも削れます

丸い刃がなければ直線の刃でも削れます。
……が、器の内側は圧倒的に丸い刃が便利!
下の写真のような器の外側のあまりカーブがない面なら、直線の刃でも削れます。

外側のあまりカーブがない面なら、直線の刃でも削れます

あらかたナイフで削ったら、付属のアルミの絵皿に水を入れて、耐水ペーパーで仕上げ磨きを♪
道具がセットになっているのが、やっぱり手軽でいい。私は最初、自己流でいろんな材料や道具を買っていたのですが、結局使わなかったり、使い勝手が悪かったりして、無駄になったものもありました……涙

気持ちを切り替えて、作業に戻ります!

耐水ペーパーで器本体を削ってしまうと細かな傷がつくので、慎重に磨きましょう!

あらかたナイフで削ったら、付属のアルミの絵皿に水を入れて、耐水ペーパーで仕上げ磨きを

慎重に磨きましょう

ここまできっちり磨けたらOK

ここまできっちり磨けたらOK!

付属の真ちゅう粉と合成樹脂塗料、テレピン油で金を施し、乾かしたら完成

いよいよクライマックス。
付属の真ちゅう粉と合成樹脂塗料、テレピン油で金を施し、乾かしたら完成です!

ここでちょっと小話。
このプログラムで使うのは、本物の金ではなく「真ちゅう粉」、本物の漆でなく「合成樹脂塗料」です。真ちゅう粉は金粉より作業しやすく、金色の輝きが出やすいという特徴があります。
漆に比べ「合成樹脂塗料」は、皮ふがかぶれない。乾燥が早い。
あと何といっても、どっちの材料も安価で済む。いっぱい作業して慣れたいビギナーさんには、まずこちらがおすすめです。
この材料で慣れたら、本物の金粉や漆を使った金継ぎにチャレンジしてみる。そんなステップを踏むと早くコツがつかめると思います!
金粉や漆を使うのは費用や難易度を考えてハードルが高い、と思う方はまずこっちで慣れていきましょう。

では最後に、今回の完成品を見ていきます!

完成品

ひびの部分には、線状に金を施しました

ひびの部分には、線状に金を施しました!

完成

所要時間(乾燥時間を含まない)は、約45分程度でした!

「金継ぎ教室プログラム」には必要なものがほぼすべて入っているので、すき間時間でサクッと取り組めるのがいいなと思います。

ただ注意点として、金継ぎした食器はレンジでチンできない。(バチバチなります!)
このキットに含まれる材料で金継ぎした器は、直接食品を入れたり、口を付けたりすることをおすすめできない。
(インテリアとして使ったり、口や食品が接触しない箇所に使用したりするならOK)
※真ちゅう粉や合成樹脂塗料などはもともとホビー用で、食器修復用としての基準を満たすのか、定かでないため。

例えばマグカップや急須の取っ手、大きなお皿のフチの欠け、器の裏面の欠けなどは、直接食品や口がふれることはないので、大丈夫ですよ。

このあたりにもご注意いただき、みなさんもぜひやってみてくださいね!

過去のブログ記事に「本物の金粉と漆を使った金継ぎ」もありますので、ご興味がある方はご覧ください^^

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