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みんなでプロジェクトを応援! 「アフガニスタンの女子教育に光を!女子校への教育環境向上支援」(認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい9つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

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はじめまして、ピースウィンズでアフガニスタン事業を担当している山本恭之です。

ピースウィンズは、タリバン政権下の2001年のアフガニスタン紛争直後より緊急支援を開始し、学校建設や道路の修復、井戸の掘削、女性の収入向上や水資源調査に取り組みました。また2018年からは、東部ナンガルハル県で現地NGOと協働で帰還民や干ばつ被害者、アクセスの悪い地域で生活に困窮する世帯への緊急支援を実施しています。

私たちが支援しているナンガルハル県の特に険しい山岳地帯にあるパチェラガム郡は、1970年代のソ連侵攻から近年まで紛争が激しかった地域で、2019年ごろまではタリバンと「イスラム国(IS)」、政府軍、外国軍など様々な勢力間の紛争がありました。この紛争により、地域の多くの男性が亡くなって女性のみが残された世帯も多くあります。また大きな怪我を負って障害が残ったなど脆弱性の高い人々も多く暮らしています。さらに、紛争中は学校が軍事に利用されたり破壊されたりしたために、長い間、子どもたちは教育を受ける場所を奪われていました。この間は治安も悪かったため、政府や国際機関、NGOなどからの支援も届きにくく、あらゆる公共サービスが不十分で、教育環境も劣悪なままにされてきました。

パチェラガム郡のアガム女子校は2002年に設立された公立の学校 です。現在小学1年生から高校3年生まで合計1,655人の児童・生徒が在学しています。しかし、2021年にタリバンが政権をとってからは中学生以上の女子は学校に通うことが禁止されているため、現在は小学1年生から6年生までの1,192人の児童のみが通学しています。 

学校には8部屋(合わせて480人分)の教室と3部屋(合わせて60人分)の小規模な教室がありますが、生徒数が多いため授業は午前と午後の2部制で行われています。それでも教室が足りないため、小学1~3年生の生徒は夏場、炎天下の屋外にプラスチックのシートを敷いた上に座って授業を受けています。 

屋外で授業を受ける女子生徒たち

長年にわたるタリバンと政府軍・外国軍との戦いは終結していますが、いま現在でもこの地域には支援が行き届いておらず、政府による学習環境の整備も行われていません。さらにこの地域は、モンスーンの雨が多い時期もあり、雨の日は屋外の教室は休校となってしまうため、勉強に遅れがでてしまうこともあります。

屋外での授業を受ける女子生徒たち

また、この地域は山岳地帯にあるため、10月にもなると寒さが増し、屋外で授業を受けるには厳しい環境にありますが、生徒たちは寒さに耐えて授業を受けています。それでも11月からの本格的な冬の間は寒さが厳しく授業を継続するのがむずかしい時も多くあります。

2021年8月からタリバンが国を制圧していますが、現在は、これまでの戦闘状況はなくなり、安全な地域に戻っています。地域の人々は今こそ子どもたちが安心して教育を受けられる環境を切望しています。また、タリバン当局も通学中の女子生徒が安全に学習できる環境の支援自体には同意しています。

室内での授業の風景

ピースウィンズと現地パートナー団体「ユアボイス・オーガニゼーション(Your Voice Organization:YVO)」は、学校に行くことを楽しみにしている生徒とこの困難な状況下でも学びの場を提供することに熱心な教員のため、アガム女子校へ仮設教室(テント)と黒板の設置、そして全ての教室に絨毯を敷き女子生徒の教育環境の向上を行います。さらに、テントの1つは本を備えた図書館とすることで、小学生から高校生のたちが、読書を通じて教室で習った読み書きの力をさらに伸ばせるようにいたします。

〈主な活動内容〉

現在アガム女子校では生徒数が多いため、教室が足りていません。そのため、小学生1~3年生の約450人は屋外にビニールシートを敷いたところに座って授業を受けています。

しかし、悪天候の日や寒い冬の日は授業を受けることはできません。そのため、最大50名の生徒が収容できる大型のテントを仮設教室として使用し、教室に必要な黒板を設置することで、今まで外で授業を受けていた生徒たちが安心して毎日通学し、学習できる教室として利用されます。

また、通常生徒は床に座って授業を受けていますが、教室の多くは床には薄い敷物があるのみで決して良い環境とはいえません。そのため、全ての教室に絨毯を敷き、学習環境を改善します。

さらに、1つのテントを図書館として活用できるよう、本棚や本を設置し、全校生徒が利用できるようにします。

〈期待される効果〉

国連でうたわれている世界人権宣言では「全ての人は教育を受ける権利を有する」とあるように、学習環境が整っていないことが理由で、学齢期の、意欲ある女子生徒たちの学ぶ機会と未来を奪う状況の改善は急務です。特に、アフガニスタンの国全体で女子教育や女性の社会での活躍が阻まれている現状を、少しでも変えていく支援が必要だと考えます。私たちのこの支援により、炎天下や風雨にさらされていた女子生徒の学習環境を改善し、教育機会の損失を防ぐことが期待されます。

私たちは、信頼たる現地パートナー団体と、この地域で食糧支援を行ってきた実績もあり、地域の人々や政府からの信頼や協力を得られているという強みを生かし、より多くの生徒たちが教育を受ける場所として仮設教室や図書館が長期間この地域の人たちの手で適切に管理・利用されるように見守っていきます。 

本事業はパチェラガム郡の教育委員長および教育省とも協力を得ながら地域全体で学校の安全の確保を約束し、地域ぐるみで生徒たちの成長を見守っていく仕組みを取り込み、多くの女子生徒が楽しく、安心して学ぶことができる環境が継続できるよう目指します。

私たちは活動地域の人々と関わり続け、社会における女子教育の重要性を信じ、その強化を図るための一助となるべく本事業を通じて貢献したいと考えています。

■アフガニスタンの女子教育に光を!女子校への教育環境向上支援
実施場所:アフガニスタン、ナンガルハル県パチェラガム郡
実施期間:2023年1月1日~2023年3月31日
・プロジェクトの報告はこちら(実績
・ピースウィンズさまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための9つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2022年11月1日から11月14日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。

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