フェリシモCompany60th

地球村の基金活動報告ー 「戦時下のウクライナで暮らす子どもたちの心のケア」(認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパン)

2024年に「フェリシモ 地球村の基金」から支援を行ったプロジェクト「戦時下のウクライナで暮らす子どもたちの心のケア」の活動レポートを認定NPO法人 ピースウィンズ・ジャパンさまよりいただきましたので、みなさまにご報告します。

*   *   *

〈プロジェクトの中間報告〉

ピースウィンズ・ジャパンは、戦争が長期化しているウクライナの子どもたちに対する心のケアを開始しました。子どもから大人に移り変わる多感な時期を戦時下で過ごす12歳から16歳の中学生や高校生に対し、ストレスの緩和やメンタルヘルスの問題の予防につながるよう、臨床心理士によるグループセラピーを行っています。

活動を開始した2月からこれまでの間、ウクライナ北部のチェルニヒウ州にある2つの学校で、63人の生徒がセラピーを受けました。セラピーは、約10人で構成されたグループごとに、全3回実施しています。それぞれの回では自分のことを知り、自分を大切にするためのテーマが設定されています。

テーマの例として
・自分の感情を知り、改善する方法を探す
・自分の内面の強さをはぐくむ
・自分の心を守ってくれる人(もの)を見つけて、レジリエンス(回復力/乗り越える力)を構築する 

などがあります。

自分の気持ちを整理してグループのメンバーに共有する生徒

臨床心理士のカテリーナさんが、緊張せずにリラックスした状態で参加できる雰囲気を作ることで、最初は戸惑いを見せていた生徒たちも自分たちが抱える想いをグループワークの中で表現していました。

臨床心理士のカテリーナさんが親しみやすい雰囲気でセラピーを実施

〈現地の様子・現地の声〉

2022年の侵攻開始から3年が経過した今も、空襲警報は毎日のように鳴り響き、そのたびに学校に通う子どもたちは地下の避難所に避難しなければなりません。不安な毎日が続き、生きる気力や意欲が薄れてしまっている子どもたちが増えてきています。このグループセラピーを開催している学校のナタリア校長先生は、「侵攻後、子どもたちは人生の目標を見いだせず、自分の将来を考えることが難しくなっている」と悲しそうに話していました。

今回のグループセラピーを受けた生徒たちからは、「自分が抱える不安にどう対処すればよいかが分かった」という感想が多く寄せられました。また、セッションを受ける前のアンケートでは、61.9%の生徒が「 “常に”もしくは“頻繁に” 不安を感じる」と答えていましたが、3回のセラピーを終えた多くの生徒が、この「不安を感じる頻度が少なくなった」と回答してくれました。また、13歳のゾフティアさんは、「緊張して不安なとき、どのように呼吸すれば楽になるのかが分かって良かった」と答えてくれました。

不安を和らげ、心理的ストレスを緩和する方法を聞く生徒たち

〈支援者のみなさまへ〉

みなさまからのあたたかいご支援によって、戦時下のウクライナで暮らす子どもたちに心のケアを届けることができています。
「自分はひとりぼっちではないのだと自信が持てるように。」
「物事を前向きに捉えて将来に希望が持てるように。」
「ストレスで息がしづらいということがなくなるように。」
そう願いながら、私たちはこれからもグループセラピーを継続していきます。彼らが本当に安心して過ごせる日が来るまで、ウクライナに思いを寄せていただけましたら幸いです。  

          

■戦時下のウクライナで暮らす子どもたちの心のケア
実施場所:ウクライナ チェルニヒウ州
実施期間:2025年1月~2025年4月
・プロジェクトの詳細はこちら
・ピースウィンズ・ジャパンさまのその他の支援活動はこちらから

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