2024年に「フェリシモ 地球村の基金」から支援を行ったプロジェクト「読書推進を通じた障がい児の思考とスキル向上プロジェクト」の活動レポートを認定NPO法人 エファジャパンさまよりいただきましたので、みなさまにご報告します。
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〈プロジェクトの中間報告〉
ラオスでは、2015年の教育法により、初等教育と中等教育は義務教育と位置付けられ、「すべての国民が学ぶべき」とされています。しかし、障がいのある子どもに対しては、2011年からインクルーシブ教育が推進されていますが、それらの子どもの状況については依然として十分に把握されていません。本事業では、障がいがある子どもたちが情報にアクセスできる環境をつくり、社会に生きるためのスキルを身につけます。
<学校図書室の整備>
2校の倉庫を図書室に整備しました。カウンターパートである子どもの家財団の生徒さんたちの力を貸していただきました。そして、子どもの家財団の施設内の一角にブックコーナーも設置しました。

<教材の購入・開発>
図書室の整備後、図書を購入しました。絵本や教科書、文房具を揃えています。新しい図書が届いた時に子どもたちは大喜びしていました。

<適切な教員指導の提供>
2校の先生を対象にして、インクルーシブ教育の研修会を行いました。内容は次の通りです。
・ADHDやASD・LDなどの障がいの種類をどのように識別するか。
・個別教育計画(Individualized Education Program)を使用して障がいをどのようにモニタリングするか。
・さまざまな障がいの種類に適した写真を用いた教材をどように開発するか。
・障がいのある子どもたちについての情報を収集するための計画について。
・さまざまな障がいのある子どもを受け入れるために、自分自身、学校、教材、環境をどのように準備するか。
以上の基礎的な知識の概要と実践を実施しました。

〈現地の様子・現地の声〉
図書室を整備し、移動図書館を運行し、本や教材を増やすことで、子どもたちはより一層本に興味を持つようになっています。図書室では、担任の先生が交代制で週に2回読み聞かせを行い、移動図書館は週に1回学校を訪問しています。移動図書館では、読み聞かせに加え、絵を描く活動や音楽に合わせたダンス、オンライン絵本の上映など、さまざまな活動を実施しています。さらに、インクルーシブ教育の推進においても、この活動は重要な役割を果たしています。先生方は、研修を通じて学んだことを授業に活かし、障がいのある子どもたちがより安心して学べる環境づくりに努めています。その結果、クラス内での相互理解が深まり、子ども同士が助け合いながら学ぶ姿も見られるようになっています。保護者からも「このような素晴らしい活動をぜひ続けてほしい」という声が寄せられています。
今後も、より多くの障がいがあるこどもたちに学びの機会を提供し、誰もが安心して成長できる環境を整えていくことを目指して、活動を継続・発展させていきます。そして、紙の本はもちろんですが、電子の本も届けていきます。
〈支援者のみなさまへ〉
皆さまのご協力のおかげで、子どもたちが安心して集い、学び、楽しく遊ぶことができる図書室を整備し、読書推進活動をスタートさせることができました。
「学校では教員の数が不足していますが、それでも障がいのある子どもたちを見捨てることはできません。どんなに困難があっても、子どもたちとともに乗り越えていく決意です。」
(パサイ小学校の先生より)
これからも少しずつ活動を充実させ、進むペースが遅くなることがあっても、一歩ずつ前へ進んでいきます。引き続き、応援をよろしくお願いします!
■読書推進を通じた障がい児の思考とスキル向上プロジェクト
実施場所:ラオス人民民主共和国ビェンチャン都シサタナック郡
パサイ小学校とサパントーングヌー小学校
実施期間:2024年9月1日~2025年3月31日
・プロジェクトの詳細はこちら
・エファジャパンさまのその他の支援活動はこちらから
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