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みんなでプロジェクトを応援!「ヨルダン・ザータリキャンプのシリア難民に対する水衛生環境緊急改善事業」(認定NPO法人ジェン)

こんにちは、JENの西田です。私たちが支援活動を行うのは、中東の国、ヨルダン北部にあるザータリ難民キャンプです。2011年から続くシリア紛争によって、シリアの近隣国には約230万人の難民が避難しています。ヨルダンには、約53万人が避難しています。現在、このキャンプには約12万人が暮らし、その半分以上が12歳以下の子どもです。開設からまだ1年3ヵ月にも関わらず、ザータリ難民キャンプは、シリア難民向けのキャンプの中で最も大きなキャンプとなりました。道路、学校、病院などが次々と建てられ、生活環境の整備は進んでいます。しかし、人口密度の高さ、不十分な水の供給量、放置されるごみなど、問題は山積みです。

2013JEN_1.jpg(水不足状態が続くキャンプ)

特に、公共のトイレが不足していることやトイレ設備が故障していることに対し、早急に対応してもらいたいという要望が多くの難民の方々から寄せられています。現在、キャンプ内に設置された約400カ所の公共トイレのうち半数以上のトイレが詰まっていたり、トイレの部品が盗まれたりして使えません。

2013JEN_2.jpg(部品が盗まれたバリアフリーのトイレ設備。キャンプ内のほとんどのトイレは、和式です)

公共トイレが使えないので、その代わりに個別の簡易トイレをそれぞれのテント内に作る住民が増えています。自作の簡易トイレには排水設備など一切ないので、多くの住居から汚水が流れ出ています。ザータリ難民キャンプは砂漠地帯の真ん中にあるので、水はけがとても悪いです。そのため、キャンプ内のところどころで汚水の水たまりができ、悪臭が漂っています。 

2013JEN_3.jpg(住居から流れ出た汚水)

すぐそばでは、子どもたちが遊んでいます。水たまりにゴミが捨てられていることも多く、ねずみも発生しています。これからヨルダンは雨期になるので、大量に降った雨で汚水がキャンプ中に広がる可能性が高いです。血便性の下痢、A型肝炎、コレラなど、水を介した伝染病の蔓延、特に、キャンプ人口の半数以上を占め、感染症に対する抵抗力の弱い乳幼児や小さな子どもへの蔓延をとても心配しています。 

2013JEN_4.jpg(キャンプで暮らす子どもたち。週に50もの新しい命も生まれています)

支援内容
そこでJENは、公共トイレを修理し、キャンプ内の衛生環境を改善します。まず、高水圧機器を2台購入し、トイレの詰まりを解消します。これにより再び公共のトイレが使用できるようになれば、個別のトイレを設ける住民が減り、住居から垂れ流される汚水はなくなります。さらに、住民達のトイレにいくストレスが軽減されます。

次に、マニュアルスネークという、軽度の詰まりを直す道具を200個購入します。このマニュアルスネークを、JENがユニセフと協働で立ち上げと運営のサポートをしてきた、水衛生委員会のメンバーに使用してもらいます。現在キャンプ全体で191の委員会が活動し、約2000名のメンバーが参加しています。水衛生委員会は、今までも衛生知識の普及キャンペーンを行い、その結果キャンプ内での水因性疾患の割合を5%減らしました。

今回、半数以上のトイレが詰まっているという事実も、委員会メンバーとJENスタッフが毎日行っている公共トイレ(約400カ所)の見回りと使用状況確認によって判明したものです。

2013JEN_5.jpg(問題があるトイレがあるかどうかを日々確認するJENスタッフと水衛生委員会のメンバーたち)

支援効果
機械を購入し提供することは、単なる物資支援ではありません。水衛生委員会のメンバーが自ら機器や道具を使って公共トイレを修理・維持していくことで、キャンプ住民の自信につながります。また、メンバー同士、水衛生委員会同士のつながりも強くなり、キャンプ内のコミュニティ強化にもつながります。

JENが支援を実施した後には、トイレの詰まりが解消され、感染症の蔓延要因やねずみの発生要因にもなりかねない汚水の水たまりを減らし、キャンプ全体の生活環境が改善されます。また、トイレの詰まりを取り除く機材を使っての活動を、水衛生委員会とともに実施していくことで、委員会メンバーの個人の活動能力および委員会の運営能力の強化に繋がるよう支援します。再び似たような問題が浮上した場合、住民が中心となって解決できるようになることも大いに期待しています。

予想以上に長く、困難な避難生活を強いられている12万人のシリア難民の方々が、安全で衛生的な公共トイレを利用し、自らその運営維持に関わることを支援する。そして、いつの日かシリアに帰れる日まで、JENは様々なサポートを続けていきます。

JENは2012年9月からザータリ難民キャンプにて、少しでもシリア難民の方々の苦しみを軽くできるよう、女性用の洗濯設備の設置や衛生促進キャンペーンの実施、水衛生委員会の設立など、衛生面での環境改善プロジェクトを複数行ってきました。私たちJENの活動の中でシリア難民の方々から、「遠い国、日本の人々が私達の心配をし、助けてくれていることはとても嬉しく、励みになります。本当にありがとう」という言葉をいただくことが、よくあります。ぜひ、みなさんもシリア難民の方々が再び住み慣れた母国で安心して暮らすことができる日まで、応援してください!

・プロジェクトの報告(中間実績

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