スロバキア・コシツェで宝物チョコ発見〈フォラ〉その2
そんな長旅からコシツェのフォラに着きました。お兄さんと妹さんのファミリー経営で、チョコレートショップを持たず、アトリエでお仕事されています。
フォラはファミリーの名前だそうです。
とても歓迎してくれました。なにせ輸出が初めてだそうで。日本との関わりをまず喜んでくれていて、私の仕事はチョコでその国と日本をつなげる仕事なので、あなたのことやあなたの街や国を知りたいと言うとえらく喜んでくれました。しっかり分かり合えてると感じることが出来ました。
もちろん、通訳のステファンさんのお陰でもあります。
いつもはお休みの日なのに、日本から来るからとわざわざ開けてくださり、駆り出されたお母さまがさっきからチョコづくりのデモンストレーションをしてくれてます。
すみません。お母さん。

机の上には手作りのオープンサンドが。
「この上に乗ってるのは、お母さんの家の庭に生えている、何かわからない実です」
なかなか食べづらい説明です。
「オリーブですね」そうであってほしいと見た目のイメージで言ってみました。
「違います」
とにかく作ってくれたんだと思っていただきました。味もおいしくって、ほんと小粒の漬物みたいな感じでした。

そのほかにも見たことがないパンがあります。
みなさん。そんなに英語話されないので、パガーチと言っていました。甘い菓子パンみたいな。
説明してくれるんですが。
ピッグ、ピッグ、ファット、ファットと。
豚の油?
菓子パンにそぐわない材料だったので、その意味で首をかしげると、
女性のスタッフがみんなで笑いながら、豚のまねをしてくれるのです。
なんかかわいい。温かい空気です。その菓子パンもなんか、惣菜のような菓子パンのような、食べたことがないおいしさ。
食文化が面白いです。
いよいよきれいに並んだチョコが出てきました。

この人ちゃんとご理解いただいてるわ。と思ったのが、普通のキャラメルやプラリネなど出してこないのです。スロバキアの松の葉の先端を集めたチョコとか。スロバキアのはちみつやら。
ユニークな素材が並びます。私は気になったのがポピーシードとブルーベリーのチョコ。ポピーシード。確かにチョコにあまり使われてない。これおいしい。味わいは優しいブルーベリーだけど、明らかにチョコとポピーシードのコンビネーションが新しい世界を作っている。
それとやっぱり気になるのが、さっきからずっと作り続けているお母さんのチョコ。なんとデーツ(※なつめやし)を割ってナッツペーストを手で詰めて、それをチョコ掛けしているんです。手間がかかっています。

ひとつひとつていねいにとはこのことです。お母さん、お休みの日にまでありがとうございます。
日本人喜んでます。
きっと私以外の日本の方々もきっと日本で楽しんでくれますよ。
いっぱい作って送ってくださいね。

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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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