「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい6つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。
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認定NPO法人Future Codeの代表理事を務めております大類と申します。今回、私たちの活動地の一つであるバングラデシュで、重要なプロジェクトを開始しており、説明させていただきたいと思います。
近年、バングラデシュでは首都ダッカを中心として経済的な発展が進んできました。しかしながら貧富の差の拡大が起こっており、首都西の郊外にある、ショラの地域では72の村があり、数万人が暮らしていますが、住民の多くは未だに現金収入がほとんどなく、極度の貧困の状態が多数見受けられます。さらに医療機関までの距離が遠く、徒歩しか移動手段がない住民は数時間かけて移動しなければなりません。

そこで私たちFuture Codeの支援活動として、2025年2月にこの地域で診療を行う唯一の医療機関の新設を支援し、開設していますが、検査機器などは予算の問題もあり少なく、住民の貧困の問題からも、診療費は低額に設定しているものの、最低限の診療を行うのみとなります。また現地医療者等の人件費などの問題からも、週に数日の運営のみとなっています。
診療で精密検査が必要と判断された場合は、首都の病院と連携するなどの対応を取ってきましたが、住民に取っては、首都に行くこと自体が困難である事も多く、この施設の限界を感じてきました。
これまでのこの施設での私たちの診療経験からも、また住民たちのニーズを叶え、命を守る確かな施設とするためにも、現地医療施設での検査と治療の設備や、そこで働く現地医療者の能力の向上が必要です。
これらの通常の診療に加えて、出産においてもこの地域では医療が関与して出産することは少なく、年長者の女性(産婆さんのような立場の方)が介助しての出産が多いのが現状です。医療がないため検査は行われておらず、原因は不明のまま、母子ともに死亡した報告もあり、今回はこの地域での周産期医療についても強化する必要があります。地域住民への妊娠期、出産後の診療の必要性について無料診療イベントを開催し啓発活動を行い、母子の健康を守る診療を提供したいと考えています。

現在までは運営の不安定さや資金不足により、収益が得ることができる状態には至っていませんが、この運営を支援し、住民たちからの信頼を得て、運営が軌道に乗るまでのスタートアップ支援を行うことで住民たちに低価格でクオリティの高い医療を提供し、SDGs目標3におけるユニバーサルヘルスカバレージ(UHC)の拡充を行いたいと思います。
このプロジェクトでの医療の提供とその拡大は、今までであれば貧困のため医療を受けることができなかった住民へ質の高い医療を提供できる機会の創出となります。
また、この診療所では、将来的にIT等の技術の発達と共に首都の病院との連携をさらに強化し、検査機器が充実していなくとも検査検体をドローンで首都に搬送するなどの構想もあり、実験も行う予定です。より簡素な設備で、他の医療施設がない地域での診療所開設のモデルとなるよう努力します。

医療、教育が欠落した状態、また貧困や飢餓が存在する状態では、社会構造的な暴力のため、平和が達成されているとは言えません。今回のこのプロジェクトでは、確かな医療の提供という社会構造的暴力の解決手段を提供し、住民の信頼を得た医療施設を確立し、私たちも日本の神戸の組織として世界での平和構築を推進していきたいと思います。
〈主な活動内容〉
血液検査の機器、レントゲン装置、超音波診断装置などの一般的な診療機器を充実させ、診療施設の環境の整備を行い、施設能力の向上を行いたいと思います。
またこの施設で働く医療者(医師、看護師、検査技師)の能力向上のため、日本からも医療者を派遣し、現地医療者の対しての研修を年間6回ほど実施できるよう計画しています。
その他、母子保健に関しても地域住民への診療の必要性についての無料診療イベントを開催し、啓発活動を行います。母子の健康を守るため妊娠期から出産後まで診療を行い、フォローアップを行いたいと思います。
〈期待される効果〉
現地の地域唯一の医療施設の医療検査機器を充実させ、首都まで精密検査を依頼することなく、現地の施設での診療と治療を完結させることができます。そのため住民にとっては首都までの移動をする必要性が多くのケースではなくなり、地域での診療で十分な治療を受けることができるようになります。現地の医療者にとっても、日本の医療者や専門家から研修を受けることで、医療技術の向上が望めるため、検査機器を正しく使い、確かな医療を提供する医療者育成に貢献できます。
母子保健の啓発活動を行い、妊娠、出産に対しても医療を提供することが可能になり、地域の母子の健康を守ることが期待できます。
この医療施設が住民からの信頼を得ることにもつながり、地域の多くの住民の来院によって、低価格で高い診療の提供を続けることも可能となり、医療施設運営の自立をはかります。
またこの活動を確かなものとすることで、日本とバングラデシュの相互理解、そして信頼関係の確立と強化に寄与したいと思います。
■バングラデシュ首都郊外での医療の普及と医療の質の向上支援
実施場所:バングラデシュ ショラ地域
実施期間:2026年1月~12月
・Future Codeさまのその他の支援活動はこちらから
「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための6つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2025年10月31日から11月13日まで行います。
期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)
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