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みんなでプロジェクトを応援!「(ホンジュラス)住民の手でトイレを設置し、より良い衛生環境を」(認定NPO法人AMDA社会開発機構)

はじめまして、AMDA社会開発機構ホンジュラス事務所の陰山です。ホンジュラスでは、2014年8月からエル・パライソ県テクシグア市にて母子の健康向上のためのプロジェクトを実施しています。

対象地域は乾燥地帯の山間部で、主に天水農業で生計を立てているため、収入が天候に左右されて不安定であることや保健医療施設が遠いことから、病気になった時や怪我をした時など、必要な時に治療を受けることは容易ではありません。

この事業では、特に母子が必要な治療やアドバイスを受けたりすることができるように、また、遠いからと病院に行かずに我慢し続けるのではなく、病院に行かなければならない状態を判断できるように、地域住民に対して保健の知識を身につける教育を行ったり、軽い症状であれば村で薬を処方できるコミュニティ薬局を設置したり、緊急時に保健医療施設へ搬送するための体制づくりを支援しています。

事業対象12村の1つであるアグア・カリエンテ村(102世帯)は、対象村の中でも特に保健施設へのアクセスが難しい村です。上記事業において地域住民と話し合った結果、5歳未満の子どもがしばしば下痢になり、体力が低下し風邪をひくなど、健康の問題が深刻であることが分かりました。

下痢の要因として、アグア・カリエンテ村ではおよそ半数の家庭がトイレを所有しておらず、草叢などで用を足すことが日常化しているため、衛生の意識・知識が低く、汚物を気にせずに外で遊び回る子どもたちが、知らず知らずに汚物と接触して下痢を引き起こしていることが挙げられました。

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アグア・カリエンテ村の住民会合の様子。
5歳未満の子どもの健康問題が深刻であることが分かりました。

子どもの下痢を予防し、健康な生活を送るために、アグア・カリエンテ村の住民はトイレを設置したいと考えていますが、農業を主な収入源としているところ、近年降水量が少なく、主要作物のトウモロコシは今年95%が枯れて収穫できないなど日々の食事すらままならない状況であるため、各家庭がトイレ設置費用をねん出することが非常に難しい状況です。

しかし、このような状況であるからこそ、母子の健康を守るための解決手段として住民自らがトイレの設置を実現し、衛生環境を改善することで、次の課題も自分たちで見つけ、取り組んでいくための大きな一歩にできればと願っています。そのため、住民と話し合い、今回「フェリシモ地球村の基金」へ申請しました。

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子どもたちの健康について話し合う住民保健委員会のメンバーとの会合の様子。村人
たちは子どもたちの明るい未来のために、生活をよりよくしようと日々努力しています。

〈主な活動内容〉

みなさまからのご支援により、以下の活動を行います。

1)トイレを所有していない46世帯へのトイレの設置
2)村の住民に対する保健衛生教育

1)トイレの設置では、アグア・カリエンテ村のトイレを所有していない46世帯に対し、建設に必要な資材(便器、セメント、パイプ、屋根用トタン、壁用木材など)を提供します。排泄物を堆積させるために2メートルほどの穴を住民が協力して掘ったのち、上記資材を用いてトイレを建設します。

建設に先立っては本事業スタッフが主にこれらの46世帯を対象にトイレの設置や適切な利用・管理方法について研修を行い、住民自身によるトイレの設置を指導します。

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設置予定のトイレ。奥のセメント部分の下の深さ2メートルほどの穴に、
トイレからパイプをつたって流れ落ちた汚物が堆積されます。

2)の保健衛生教育については、広く住民を対象に、毎月1回トイレの正しい利用方法、衛生管理、汚染物が原因となる病気の予防など5つのテーマに関する保健衛生教育を実施します。このように、病気を予防できる正しい知識と実践できる機会(トイレの設置)を一緒に提供することで、トイレの利用による衛生環境の改善を促進し、子どもの下痢症の減少と健康増進につなげていきます。

〈期待される効果〉

本事業によりトイレを設置し、村の全世帯がトイレを利用できるようになることで、汚物が家屋の周りに散在されることが少なくなり、子どもたちが外で遊び回っても、汚物が手足に付着する機会を減らすことができます。また、トイレの設置をきっかけに保健衛生教育を同時に行い、たとえば汚物を放置してはいけないこと、それらを触ったり汚れたりした手を口にしないこと、手を洗うことなどを積極的に促すことで、下痢症をはじめとする不衛生が原因の病気を予防することができ、健康を保つことができます。そしてこれまで、特に夜の闇の中、蛇に怯えながらトイレのために外の叢へ出ていた子どもたちにとって、トイレがあることは大きな安心です。

子どもたちが病気にかかりにくくなれば、時に大きな負担となる医薬品の購入や保健医療施設の受診などの医療費の軽減につながり、そのお金をより栄養価の高い食品や、子どもたちが勉強するためのノート・鉛筆などの購入に充てることができるなど、より健全な生活を送ることができるようになります。健康であれば学校でも勉強に励むことができるようになり、それは子どもたちの未来につながります。

健康な子どもが育つことは村人にとって一番の喜びです。トイレの設置という活動は、それだけの効果にとどまらず、住民が将来の希望を持って毎日を生きていくことにもつながります。

■住民の手でトイレを設置し、より良い衛生環境を
・プロジェクトの詳細はこちら
プロジェクトの報告(中間実績
・AMDA社会開発機構さまのその他の支援活動はこちらから

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