フェリシモCompany

地球村の基金活動報告ー「楽しいこといっぱい!ガーナでワクワクとびらプロジェクト」(一般社団法人SPUTNIK International)

2017年度にご支援をいただき、ようやくこのたび、10年来の夢だった図書館が完成しましたのでご報告します。

【図書館建設プロジェクト】

ガーナではチーフ制度と呼ばれる酋長制度があります。チーフと呼ばれるコミュニティのリーダーは部族や親族に対して絶対的な権力を持ち、祖先から受け継いできた土地を管理し、その土地で何かを始める場合には、チーフに挨拶をしなければなりません。

当初、図書館は2本の柱を使ったポーチがなかったために建物として認められませんでした。そこで指導に従いポーチを作ることになりましたが、チーフの要望で水洗トイレの設置も追加しなければならなくなりました。

「チーフの意見は絶対に従わないといけません。」この言葉が深く深く、胸にささります。

幸い水洗トイレは図書館の敷地外に設置することが認められたので、図書館の大きさは半分になるだけですみました。

この10年、必要なものにお金を渡してもその用途に使われない悔しさがあります。村の大工に収入が入るように書架の図面とお金を学校に渡しても、どこをどうしたらこのような書架が出来るのだろうという物が納品され、何度も何度も手直しをするたびに粗末なものになっていった苦い経験があります。

指定した色に塗られていなかったり、プロではない村人が塗っていたりと、明らかにプロの仕事と言えないものに対して、「まあいいでしよう」と妥協はしたくありませんでした。

また、作業賃金以外のものを渡すと、それを聞きつけた村人が「私にもくれ」とやってくるので、小さな村ではむやみに物を与えることは避けてきましたが、連日の猛暑で作業員の丁寧な仕事ぶりに頭が下がる思いだったので、この時だけはその誓いを破ることにしました。

校長の机イス、図書館の特注品の机2脚、イス6脚、ベンチ1脚、そして書架3脚がおさまった小さな図書館では、未完成のうちから図書館の利用が始まり、自習時間の多い中学生クラスの図書館の利用がこれまで以上に増えています。

11月に入ると15日から高校入試の試験も始まり、中学クラスの先生が入試の対応をすることもあってか、自習時間に図書館を利用する生徒も増えてきました。これはとてもうれしいことです。

しかし、自習時間であることをよいことに、相変わらず禁じられている遠方に出向く生徒や、最近与えられた生徒手帳の大きさのスチューデントバイブルを読む生徒など自習時間の使い方はさまざまです。

決してバイブルを読むなということではありません。宗教の違いなので自習時間にバイブルを手にして読むのもよいけれど、学校にいる間だからこそ読める本もたくさんあるので、そこから学ぶことが数多くあることに気づいてもらえたら、と思うのです。

図書館の書架には、ラミネート加工をした各国の国旗。形を作るための三角形のカードや、アルファベットのカードを置いています。置いた当初は、楽しそうに国旗探しをする生徒を見ると、とてもうれしい気持ちになったものの、「もしかしたら今後本を読む生徒がいなくなってしまうのでは?」と少し不安になりました。

けれど、先日、子どもが国旗が紹介されている本を開きながら、このカードを併用して、国名を当てるといったことをしていました。子どもが自ら、書架にあった本を見つけて発展させた、「遊び」と「学び」です。

ほかにも、日本語の工作の本を読む子どもや、ガーナの書店で見つけた時に、思わず「あーっ」と声をあげてしまい、高額ながらもうれしくなって購入した『かいじゅうたちのいるところ』の本を手にして読んでいる子どももいました。

そんな子どもたちをみると、「本をもっと増やしてあげたい」と強く思った場面でした。

■楽しいこといっぱい!ガーナでワクワクとびらプロジェクト
実施場所:ガーナ共和国 ボルタ州 アフィフェ村
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告(実績
・SPUTNIK Internationalさまのその他の支援活動はこちらから

この記事をシェアする
Twitter
Facebook
LINE

コメント

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

コメントを投稿する
ページトップへ戻る