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アジアのチョコレート

2021.11.02

マレーシアに見る「チョコの未来」〈チョコレートコンシェルジュ〉

私はマレーシアの「チョコレートコンシェルジュ」さんとお話してて、チョコの未来図の中に来たような気持ちになりました。
本当に数年前まで、カカオといえば西アフリカと中南米でした。
チョコレートを食べる人口が世界的に増えて、カカオ不足が心配されていました。カカオの値段も高騰していました。
でも、私は思っていたのです。カカオは成長が早いので、きっと次はアジアのカカオの生産量が増えるに違いないと。
そうなっていました。
思っていたよりはるかに、そうなっていました。

すごい人に出会いました。チョコレートコンシェルジュのニンさんです。

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Zoomで商談させてもらった初めの印象は、この方もお若いなと思いました。
もともとアメリカの大学に進学し、プログラマーだったそうです。
コーヒーとチョコが好きだったそうです。
その当時マレーシアには、気候的に暑くてチョコが溶けてしまうこともあり、上質なチョコレートはほとんど売ってなかったそうです。
ニンさんはマレーシアに帰国して、おいしい本格チョコをマレーシアの人に食べてほしい、そう思って10年前にチョコレートビジネスをスタートさせました。しかも、世界的にトレンドの”ビーン トゥ バー”を飛び越えて、いきなり”ツリー トゥ バー”から入ったのです。
畑を買ってカカオの木を植え続け、現在なんと7,000本ものカカオの木を植えているそうです。Googleアースで「ここが畑」と見せてくれたのは、まるでジャングル。

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しかも彼は自然農法にこだわっていて、除草剤などを撒かないのです。健康な森にはそんなものはいらないと。

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たくさんの写真を見せてくれるのですが、そこには昆虫や動物やほかの多くの種類の植物が写っていて、写真の枚数は1万枚にも及ぶほど。多様性のある森に豊かなカカオができると。
カカオは直接太陽の光を浴びるのが苦手なのです。そこで、シェイドツリーと言ってカカオに日陰を作るドリアンやバナナなど、たくさんの森の木々も植えています。「どこにカカオの木があるの?」と思うほど、森はうっそうとしていました。

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写真で驚いたのが、カカオの実の大きさがばらばらなのです。あれ?
「この実はフォラステロ種ですか?」
ひとつ覚えの、薄いカカオ知識で質問すると、「長くなるけど、いい?」と前置きして、ニンさんのカカオの講義が始まりました。
私の知らない話がいっぱいで、わくわくしました。カカオの実は多様性のかたまり。

トリニタリオ、クリオロ、フォラステロのたった3種には収まらない。マレーシアだけでも10数種類のオリジンカカオがあるそうです。

それだけカカオに魅せられたニンさんですが、この方のすごいところは、センスがすごいのです。写真も上手いし、何よりおしゃれ。お店もパッケージも洗練されてセンス抜群。

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マレーシアの素材をふんだんに使ったチョコも、おいしいのなんのって。
マレーシアの人に、マレーシア産のカカオで作った上質なチョコレートを食べてほしいというニンさんの夢はもうかない始めています。本当に知識もすごいけど、センスも素晴らしい。今、ニンさんの息子さん2人はお父さんの畑が大好きなんですって。
家族も大事に、自然も大事に。そして今カカオのお仕事が楽しくてしょうがないそうです。

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日本の近くでこんなことになってるって、ぜひみなさまにもご紹介したい。
アジアでカカオの歴史は今確実に進んでいるんだなと知ってほしいなと思いました。

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チョコレートバイヤーみり

フェリシモでのチョコレートバイヤー歴25年以上、「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに約500ブランド・約2,500種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは約250ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!

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