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アジアのチョコレート

2021.10.29

じいちゃんっ子の作るベトナムショコラ

ベトナムのちょうど真ん中あたり、ダナンにお店を構えるのはヴィクトルさん。
バルセロナ出身のスペイン人ショコラティエです。
あれ? 若い方だな、というのが第一印象でした。

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まず気になったのは、どうしてこのベトナムでショコラティエになろうと思ったのかです。
彼のおじいちゃんはバルセロナで今も1892年創業以来5代続くパティスリーをしています。おじいちゃんのそばで小さい時からいつもお菓子づくりのお仕事を見ていたそうです。

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そして、お休みのたびになかよし家族で旅行に来ていたのがこのベトナム。
家族で毎年、ホーチミン、サイゴン、すべてのベトナムの都市を回ったそうです。この国とご家族はよく合ったのでしょう。大きくなった彼はベトナムに移住し、有名ホテルでパティシエとして勤めました。その後、友だちも多いこのベトナムに自分のお店を開くことに。ヴィクトルさんにとって自然な流れだったのでしょう。

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そして、このヴィクトルさんの口から「おじいちゃん、おじいちゃん」とやたら話に出てくるのです。ほんとうに温かな家族を感じました。コロナで会いにも帰れないでしょうと言うと、「そう、2年前に帰ったっきり。でも、オンラインでいつも会ってます」と。なんと感じのいいヴィクトルさん。

息子にしたいショコラティエ投票NO.1でしょう。

そして、この方の作るチョコがまた素晴らしい。
南ベトナムで採れるベトナム産カカオは酸味が強くフルーティー。そのカカオを使ったチョコは、地元の素材との素晴らしいハーモニーを生み出しています。
この店で一番有名なのは、ベトナムの軽井沢と言われるダラット高原で採れるいちごを使ったチョコレートです。これはベトナムらしいチョコです。こしょうをきかせたオリジナリティーあふれる作品。カシューナッツもベトナムを代表する味わい。とにかく地元素材をふんだんに使ったものが多いです。

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パッケージにも、ある意味地元の人はやらない、ベトナムが好きで外国から移り住んだ人ならではのセンスが光ります。ベトナムのバッチャン焼きという陶器でオリジナルの器を焼いて、その中にベトナム素材のチョコを入れる。器用なベトナムならではの竹かごにチョコを入れる。特に竹はカカオの産地と同じところのものなんだとか。

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「工芸品づくりはチョコづくりと似ているよ」。
なるほどー。パッケージにまで「ベトナムの良さを紹介したい」というベトナム愛があふれています。
「パッケージは大事。食べたあともその時のことを思い出すから。そして、使い捨てせずにまた使えて持続可能なことも大事ですね」。
わぁ、いい人だけじゃなく、意識高い人やぁ。

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このヴィクトルさんのチョコはおいしいに違いない、と私が思ったところは、話しながらずっとチョコを食べているのです。
商談中こんなに自分の作ったチョコ食べる人珍しいです。
いやー。よく食べるわね。
そのチョコの説明をするたびに自分で食べてる。私は画面の向こうで食べれないのに。
ちょっと、笑ってしまいました。
彼はほんとうにチョコが好きなんです。
ショコラティエは普段から味見してるので、あんまり自分のチョコを食べる人は少ないですから、見てて気持ちいい食べっぷり。

ベトナムで仕事する良いところは? と聞くと、自国でカカオを栽培してるから、すべてのチョコづくりの工程が同じ国で見れるところ。そこがバルセロナとは違う、と。
なるほど、納得です。

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今、なんとスタッフは11人もいらっしゃるそうです。
「とってもいいチームです!」そうでしょう。きっとみんなで楽しくチョコを作っているんだろうな。

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ベトナムからとってもとっても紹介したいショコラティエが見つかりました。
いつかまたベトナムに行ける日を夢見て! ヴィクトルさんのチョコ食べよう!

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チョコレートバイヤーみり

フェリシモでのチョコレートバイヤー歴25年以上、「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに約500ブランド・約2,500種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは約250ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!

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