こんにちは、日本職人プロジェクト リーダーの山猫です。

今日ご紹介するのは、アートディレクター・置田陽介さんと一緒に作った、置田さんの理想の出張鞄です。

1976 年大阪府生まれ。学習院大学法学部卒業後、友人らと東京でデザイン事務所を立ち上げ、企業の広告物制作を中心に活動。その後、フリーのグラフィックデザイナーとして活動しつつ、海外を放浪し、オリジナルのカルチャー雑誌を制作する。2005 年より2012年まで大阪のデザイン会社graf 所属。2013 年1月に独立し、Okita Yosuke Attitudesとして活動。2016年3月にAttitude inc.を立ち上げる。

なんと7年越しで実現!

置田さんとの出会いは2012年。当時置田さんは、フェリシモのG.N.P(がんばっているニッポンプロジェクト)カタログのアートディレクター兼グラフィックデザイナーを担当していて、私山猫も商品担当として参加していました。そのカタログの取材で、一緒に兵庫県たつの市にある革なめし工場へ取材に行ったときに、「革なめしの工程は米作りのように水がとても重要なんですね。仕上がるまで沢山の工程があり、本当に興味深い。どんどん興味がわいてきました!いつか山猫さんと一緒に日本職人プロジェクトの革製品を作りたいです」と置田さんに言っていただきました。それから約7年の月日が流れ、ついに日本職人プロジェクトで置田さんと鞄を作る機会がやってくることに。

きっかけは、日本職人プロジェクトメンバーのひとり、プランナーのYUDAIに「誰の理想の鞄を作ってみたい?」と聞いたこと。その頃、ちょうどYUDAIが別の仕事で置田さんにお世話になっていて、「置田さんの理想の鞄を作ってみたいです!」と提案してくれたのです。もちろんOK!ということで、さっそく置田さんと鞄作りが始まることになりました。

アートディレクターは荷物が多い?! 1泊2日出張の苦悩

まず置田さんにお会いして理想の鞄に関してヒアリングすることに。簡単な打ち合わせをしてから数日後、置田さんからたくさんの企画資料が! やっぱりプレゼンのプロでもあるアートディレクターはスピードも企画内容も違いました。今回はその内容の一部をご紹介します。

置田さんからの企画コンセプト資料

明日から出張。1泊2日。3件のクライアントと打ち合わせ。バッチリ資料も用意した。プレゼン後の会食も楽しみだ。ただ、憂鬱なこともある。いつものことだが、荷物が多すぎる。それも、異常に(苦笑)

まず、ノートパソコン。重いから本音は持ち運びたくないのだが、無いと話にならない。次に、資料。今回は3件とも別々の案件で、そのうち2件はプレゼンだから、出席者分のA3資料を持って行く必要がある。プラス、参考資料に雑誌を数冊。さらに、洋菓子メーカーとの商品開発の打ち合わせにはパッケージのサンプルも持って行く。

置田さんの仕事風景スナップ。デスク上はミニマルでも、いざ出張となるとそうはいかない。

ここに着替えも加わる。1泊2日と言えど、仕事なのでラフな格好はできない。2日目も洗いたてのシャツに着替えて挑みたいし、僕は寒がりでホテルの浴衣が苦手だから、自分用のスエット上下も必須。ついでにいうとホテルのシャンプーも信用ならんので、マイ・コンパクトお風呂セットも旅のお供。あと、新幹線で読む本や、ちょっとした羽織りもの、折りたたみ傘、筆記用具等々……これらをすべてを持ち歩くのは骨が折れる。

最近は2つのバッグに分けて持って行くのだが、どうもクールじゃない。両手が塞がって、改札機の前で荷物置いてICカードを探すことになったり、雨降ったりした日には携帯で話すなんて無理……何より「がんばって出張してます」感がどうしても出るんだよな……。もっと、すまし顔で出張行きたい! ということで、やたら荷物の多い僕の1泊2日出張を、すまし顔でこなしてくれる夢のバッグを作れないだろうか?

日頃から置田さんが肌身で感じられているリアルな内容ですよね。こういった具体的な改善案や気づきがあればあるほど、よい鞄を作るための要素が増えていきます。さらに驚いたのは、理想の鞄のラフイメージや細かい仕様の提案も用意されていたこと。こういった熱のこもった資料をもとに、置田さんとの鞄づくりが加速していきました。

一つひとつ、理想を形にしていく。

置田さんが自分の想いを整理し、まとめてくれたのがこの3つのポイント。

1. ひとつの鞄に書類と衣類を整理して入れられること
2. ビジネスライクすぎずカジュアルすぎない、お洒落な見た目
3. 出張先の様々な「困った」にしっかり対応できる使い勝手のよさ

ここまで材料が出揃ったら、あとはプランナーYUDAIの腕の見せ所。置田さんから受け取った想いを、着実に形にしていきます。

プランナーYUDAIによる鞄の試作品の修正指示。こういったやり取りを何度も繰り返し、最終のデザインと仕様を絞り込んでいきます。
プランナーYUDAIから置田さんんへの説明資料。ほぼ仕様が決まってきた段階のもの。

何度もサンプルを作っては置田さんにもらい、熱のこもったやりとりを重ねました。そして、ようやく遂に完成したのがこちら!

帆布と本革遣いの2ルームビッグトラベルバッグ

大容量でありながら、中身をきっちり仕分けできるオリジナルのトラベルバッグができあがりました! オールレザーにするかどうか迷ったのですが、置田さんの「ビジネスすぎず、カジュアルしぎない」という要望を踏まえて、8号帆布にアンティーク風のレザーを部分遣いすることに。(余談ですが、実はオールレザーでも値段はあまり変わらないんですよね。日本製の帆布は高品質ゆえに高価なのです)

置田さんの最重要ポイント「ひとつの鞄に書類と衣類を整理して入れられること」を実現するために、ブリーフバッグとボストンバッグが合体したような2室仕様にしています。

きっと置田さんは、右側にスウェットなどのお泊まりセット、左側にパソコンなどの仕事道具をまとめてくれるはず。荷物の多い置田さんの一泊二日出張もへっちゃらの大容量なので、みなさんにとっても大活躍間違いなしです。

さらに、持ち手を長くして肩に掛けられるデザインと充実のサイドポケットで「出張先の様々な『困った』にしっかり対応できる使い勝手のよさ」も実現!

肩に掛けて歩ける長めの持ち手。
両サイドにポケットを配置。こちらにはペン・メモ帳・スマホなどを。
もうひとつのサイドポケットには、飲み物やマスクなどを。

置田さんの夢だった、すまし顔で一泊二日の出張に行ける鞄。ぜひみなさんも、出張や旅行に活用してくださいね。

さて、4回に渡って山猫がお届けしてきた日本職人プロジェクトの商品(と裏話)紹介、お楽しみいただけたでしょうか? ブログでは紹介しきれていない商品がまだまだたくさんあるので、ぜひWEBサイトものぞいてみてください。

これからも、誰かの欲しくてほしくてたまらないけど手に入らない物が、誰にとっても使いやすく多くの人に求められる物だと信じて、ものづくりを続けていきます。どうぞご期待ください! このブログも続けていきますので、どうぞお楽しみに。

それはそうと、量産第一号を置田さんに早くお届けしないと!置田さん、待っててくださいね~!(いつもコラボレートさせていただいた方には1個量産品をプレゼントしているのですが、お客様優先なので少し後になってからお渡しすることにしているのです)

※ 日本職人プロジェクト「職人の秋鞄」の商品は、ご注文いただいてからひとつずつ仕立ててお届けします。
※ 「職人の秋鞄」のお申し込み受け付けは終了しました。

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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