NISHIYANの一目惚れグラス、ついに販売!

こんにちは、日本職人プロジェクトのリーダー山猫です。

日本のモノづくりを通して、たくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。誰かの「好き」「欲しい」をカタチにした、ここにしかないプロダクトを生み出しています。

2022年夏シーズンのテーマは「Enchanted jewel color – 魅惑の宝石色 – 」。美しさを詰め込んだ、持つ人を輝かせる魅惑の夏アイテムを作りました。どれもみんな、いろいろな人の色とりどりの物語から生まれたもの。その中から、この夏を彩るとっておきを、見つけてください。

今回ご紹介するのは、まさに宝石みたいに輝くグラス。日本職人プロジェクトメンバーのNISHIYANが惚れ込んで、どうしても取り扱いたい!!と熱望したアイテムです。

展示会での直談判で、回り始めた運命の歯車

場所は、大阪・天王寺のカフェ&雑貨ショップ。山猫と一緒に訪れたそのショップで出会ったグラスに一目惚れしたのが、日本職人プロジェクトメンバーのNISHIYANです。NISHIYANはアクセサリーからインテリア雑貨まで、幅広いフェリシモアイテムを知るかなり目の肥えたプロジェクトメンバー。良いものをたくさん知っていて、普段は時間をかけて厳選したものを好むのですが、今回は一目で心を奪われたよう。まるでオーロラが溶け込んだような色彩の美しさに魅了され、このグラスを作った作家さんを応援したい!と意気込みました。

真夏の太陽のように熱い男・NISHIYANはさっそく、グラスを扱う信頼のおける知り合いのメーカーさんを通じてアプローチ。しかし残念ながら、お返事はNGでした。意気消沈するものの、NISHIYANはそれでもやっぱり「このグラスが好きだから!」と、日本職人プロジェクトメンバーMOEの誕生日プレゼントに贈るべく、作家さんが出品する展示会を訪れます。

NISHIYANが惚れ込んだグラス。今では日本職人プロジェクトメンバー3名も、それぞれ愛用しています。

運命の歯車は、そこで回り始めます。展示会場で作家さんの奥さまとお会いして、なんと作家さんご本人とお話する機会ができたのです。その作家さんとは、神奈川県小田原市に工房< glass calico >を構える岩沢達さん。念願かなって、岩沢さんと日本職人プロジェクトメンバーがzoomで打ち合わせできることになりました。

岩沢さんと直接お話してわかったことは、NGを出したのは「同じものをいくつも作れないから」という理由だったこと。一点ずつ手作業で作っているため量産ができず、大手通販会社での販売は難しいと判断されたということでした。そこで私たちは、「ひとつひとつ違うものだからこそ愛着が深まります。同じものがふたつとないからこそ、岩沢さんのグラスを取り扱いたいんです!!」とお伝えしました。(自分用に購入してすでに愛用していた山猫も、ぜひ!と強くお願いしました)

その想いが通じ、日本職人プロジェクトで岩沢さんの一番の自信作を販売することが決定!!NISHIYANの一目惚れが、ついに実ったのでした。

作家さんを訪ねて、小田原のガラス工房へ!

取り扱うことが決まってから、NISHIYAN、MOE、山猫の3名で、小田原にある岩沢さんの工房を訪ねました。幹線道路に面した3階建て住宅の1階が、工房とショップになっています。目の前に広がるのは、ひろーい太平洋!きらめく海と水平線の向こうには、大島が見えます。「この景色を見たときに、この建物を購入しようと決めました」と奥さま。古くてボロボロだった建物を、ご自分たちで改装されたそうです。

工房は、相模湾を一望できる絶好のロケーション!取材当日は、雲ひとつない快晴で、抜群の景色でした。

岩沢さんが説明してくださった工程をまとめてみました。

(1)金属製の長いパイプ(吹き竿)に、溶解炉(なんと1250℃!)でどろどろに溶かされた透明ガラスを付けます。パイプの先を再加熱用の炉に出し入れしつつ、再度溶解炉の透明ガラスを重ねたりして、独自の色あいを作り出します。

(2)だいたい適量になったら金属型に熱したガラスをはめ込み、グラスの模様を刻みます。パイプに息を吹き込んでガラスを丸くふくらませて形を整えていきます。(ほぼ真円にふくらんでいました!)

(3)アシスタントさん(奥さま!)がもう1本、熱した透明ガラスがついたパイプを準備し、パイプ先のガラス同士を合体させて、丸くふくらんだガラスを最初のパイプから切り離して新しいパイプに付け替えます。(ご夫婦の息の合った手際の良さに感動)

(4)新しいパイプに付け替えたガラスを再加熱し、くるくるとパイプを回転させながらハサミで切り整えたり、工具でグラスの飲み口を形づくります。

(5)形が整ったグラスをパイプから切り離します。この状態でガラスはカンカンと音が鳴るくらい硬いのですが、約500℃もあるそうです。そして底面に★印を刻印します。ガラスは急冷すると割れてしまうので、徐冷炉で一晩かけてゆっくり冷まし、検品と研磨を施して出来上がり。

炉のまわりの家具も岩沢さんの手づくりで、作業しやすいように高さや幅を調整したオリジナル。すべてにこだわりあるアトリエだからこそ、芸術品のようなタンブラーグラスが生まれるんだと感じました。

あまりにも素晴らしい制作風景に、メンバー一同すっかり魅了されてしまいました。山猫が撮影した映像ですが、ぜひご覧ください。

工程を丁寧に説明しながらも、手際よく作業を進めていく岩沢さん。見ている間に、ひとつのグラスが出来上がりました。とは言え、ひとつひとつ手作りのため、集中してクオリティーを保てるのは最大でも一日30個程度。忙しいときは一日8時間くらいガラスを吹き続けているとか。ずっと吹き続けるのはしんどくないのかな、と思いきや、「ガラスを吹いているときの方が、精神が安定します」ときっぱり。心の底から、吹きガラスを愛しておられるんですね。

かけらすらも愛おしい、岩沢さんのガラス愛

岩沢さんはなぜ、ガラス作家という道を選んだのでしょうか。ご本人が話してくださったその物語は、私たちの予想をはるかに超えるものでした。

20代は自動車整備士として働いていた岩沢さん。同級生が落ち着いた人生を築いていく中、「自分って何だろう?どんなことが本当はしたいんだろう?」と疑問を抱きます。「ガラスがなんとなく気になる」と思い始めてはいたものの、その気持ちを特に表すこともありませんでした。

それがあるとき、当時所属していた社会人サッカーチームの仲間に「ガラスが気になるんですよね」という話を何気なくしていたところ、たまたま横でその会話を聞いていた人が「『横濱硝子』を紹介するよ」と声をかけてくれました。「横濱硝子」とは、横浜市の吹きガラス工房(現在は工房を閉鎖。ブランドは継続されています)。たくさんの吹きガラス作家さんたちが横濱硝子で腕を磨いてきました。

岩沢さんは「横濱硝子」の工房で、作家さんたちの真剣な制作風景を目にし、「自分の求めていたものはこれだ!」と確信。吹きガラス作家になることを決意します。その気持ちに本気で向き合うため、お金を貯めて石川県のガラス工房の講座で1年間学び、吹きガラスの基礎を習得。そしてまた奇跡的なタイミングとご縁で、翌年「横濱硝子」の工房に入り、吹きガラス作家としての人生がスタートしました。

独立後も作家としての人生は決して順調なものではなく、工房を開く資金づくりに昼はトラック運転手、夜は作品制作という忙しい毎日が8年も続きます。仕方がなかったとは言え、当時まだ小さかったお子さんと一緒に過ごせなかったのが悔やまれると岩沢さん。また、同世代のガラス作家たちが次々と頭角をあらわす中、なかなか作品に向き合う時間が取れないことに焦りもあったそうです。そんな日々を経て、現在の吹きガラス工房「グラスキャリコ」の作家・岩沢達さんが在るのですね。

「すべてのご縁は、神さま的な力が導いてくれていると思う」と岩沢さん。工房には、タコに乗った神さまのガラスオブジェも水槽の中に飾られていました。

「偶然がつないでくれた縁に感謝しています」という岩沢さんご夫婦。努力や苦労を重ねて、出会いに導かれてきたからこそ、吹きガラスへの愛や情熱はひとしおです。製造の工程で作品にならなかったガラスのかけらも、「捨てられないんです、こんなにきれいだから」と仰います。小さなかけらであっても、この場所で生まれるガラスすべての愛情を注いでいる岩沢さん。保管したかけらは、「キャリコブルー」と名付けたオリジナルカラーのガラスに生まれ変わります。これはリサイクルの観点からも素晴らしい取り組みですし、何よりも「きれいだから捨てたくない」という岩沢さんの思いに感動しました。

<glass calico> の作品の美しさは、岩沢さんの純粋できれいな心と、ご夫婦のお人柄が映しだされているからだと思いました。お会いできて、お話できて、本当によかったです。

朝・昼・夜、光のプリズムを楽しんで

岩沢さんがひとつずつ、大切に想いを込めて作るグラスたち。中でもこのグラスは、光のプリズムのような色合いを安定させるまでに試行錯誤を繰り返し、ようやく完成した作品です。

吹きガラスで作られているから、色の混ざり具合も形も、同じものはふたつとありません。グラスなのにどこか有機的なあたたかみを感じさせるのは、岩沢さんの作品ならでは。ガラスを愛する気持ちも一緒に閉じ込められています。

色ガラスのかけら(カレット)が混ざり合って生まれるオーロラ色。色の出方やふくらみ方が、少しずつ違うところが素敵です。どの色合いが届くかを楽しみにしていてくださいね!

このガラスの何よりの魅力は、色ガラスの表面につけた凹凸が光を受けて、美しく輝くところ。太陽の光がたっぷり入る工房で生まれたガラスたちが、光の屈折で色とりどりのプリズムを見せてくれます。グラスそのものも、グラスからできる影も、見惚れるほどの美しさ。朝の明るい光から夕暮れの光、夜の灯まで、時間によっていろいろな表情を見せてくれそうです。

飲み干すと、グラスの底に☆があらわれるサプライズ! こういう小さな仕掛けも素敵です。

ほどよいサイズ感で、手にしっくりなじむのもいい感じ。口当たりがいいように、フチ部分はわざと波々になっています。何かと使いやすいサイズで、NISHIYANは毎朝オフィスでミルク(牛乳好きなんです)、山猫は冷たいミネラルウォーターを飲むのに使っています。炭酸水を入れてしゅわしゅわの泡を眺めたり、カクテルや梅酒を入れても素敵です。

ほのかに波打つ形状の飲み口は、「食器としての使い心地も大切だから」という心遣いから。なめらかなやさしい口当たりです。(商品により飲み口の形状は異なります)

ドリンク以外の使い方として、MOEはアイスクリームとフルーツを入れてミニパフェにアレンジしていました。見た目にも涼やかで、夏の冷たいデザートにもぴったりです。中に入れるものによって表情が変化するのも、魅力のひとつ。

MOEは、市販のアイスクリームを盛り付けてパフェを作ってくれました。デザートグラスにもいい感じです。

朝のお水から夜のお酒まで、一日を色鮮やかに演出してくれるグラス。眺めているだけでリゾート気分が味わえるから、お庭やベランダで楽しむのもおすすめです。グラスひとつで、何気ない日常の風景も素敵に変わります。ぜひ、のグラスで特別な夏を過ごしてください。どんな色味のグラスがお手もとに届くのか、お楽しみに。

次回は、金沢の時計工房さんと作った4つの時計をご紹介。夏のスペシャルな時間を閉じ込めた、ときめきあふれるアイテムです。お楽しみに!!

※ご注文が集中したため売り切れとなりました。申し訳ございません。

小田原のガラス職人が作った オーロラが溶け込んだタンブラーグラス[グラス:日本製] 

¥5,225(税込み)

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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