[2024/03.01]

ぼくの、シンプルレシピ

#06. しょうが焼き

スーパーで見かけたあの光景が、
それまであまり自炊をしなかった
ぼくの心に火をつけた。

しょうがを手に取り、
軽く品定めをして
なんの迷いもなく、かごへと入れる――

仕事帰りだと思われる
同世代ぐらいのその人は、
玉ねぎやにんじんを買うように
ごく自然な感じで、しょうがを買った。

なんだか、すごくかっこよく思えた。

チューブじゃない状態のしょうがは、
手の込んだ料理や昔ながらのレシピで
使うものだと思い込んでいた、そのころ。

ふだんの暮らしに
当たり前のように取り入れているさまは、
「自炊上級者」であることを
何も言葉にしなくても語っていたから。

今では、しょうがを買うときには
なるべく自然な振る舞いを
心がけている自分がいる。

あのときのぼくのように、
見知らぬ誰かの心に火がつくのを
ちょっとだけ期待しながら。

HOW TO COOK

しょうがの皮をむきます

包丁や皮むきグッズは使わず、スプーンで軽くこするだけでむけていきます。指をけがする心配がなくてうれしい。

野菜を切ります

玉ねぎはくし形に。しょうがはすりおろす分を残して、大きすぎず小さすぎないサイズに切ります。

しょうがをすりおろし、
調味料を合わせます

すりおろしたしょうがに、酒、しょうゆ、みりんを同量ずつ加えて合わせ調味料を作ります。すりおろし器は貝印のセラミック製。底に滑り止めがついていて、押さえる力があまりいらないのでらくちんです。

つけあわせのキャベツを切ります

キャベツの葉を一、二枚洗って、握りやすいサイズに丸めて千切りをしていきます。千切りをするときは「千切り選手権に出場している」という状況をイメージすると、ていねいにできるかも。

豚肉に片栗粉をまぶします

ポリ袋に豚肉(今回はしょうが焼き用のロース肉)と片栗粉を入れて、袋に空気を入れてふくらませ、シェイクしています。ここまでで下ごしらえ完了。余談ですが、いつも行くスーパーでは「しょうが焼き用」と書かれた豚ロース肉には、しょうが焼きのたれがセットでついてきます。とても親切。

野菜を炒めます

フライパンに油をひいて玉ねぎと刻んだしょうがを炒めます。

豚肉を焼きます

大きめのフライパンを使ったので、炒めた野菜はいったん端に寄せておいて、空いたスペースに豚肉を並べました。両面をしっかり焼きます。

調味料を絡めます

合わせておいた調味料をバシャ―と流しかけ、全体を混ぜながら絡めていきます。

お皿に盛って完成

千切りキャベツの他にミニトマトも添えると、より彩りがおいしそうに見えますよ。お皿は、この連載で現在最多登場中のARABIAの24hアベックシリーズ・ブルー(26cm)。

【材料(ひとり分)】
◎豚ロース肉(しょうが焼き用) 4,5枚
◎たまねぎ 1/2個
◎しょうが 好きなだけ

・酒  大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・みりん 大さじ1
・片栗粉 小さじ1

(つけ合わせ)
◎キャベツ 1,2枚
◎ミニトマト 3個

(メモ)しょうがを保存するときは

保存容器にしょうがが浸るくらい水道水を注ぎ、冷蔵庫に入れておくと長持ちします。しばらく使わないときも水だけは替えるようにしています。

STAFF
photo / text : けんち(このごろ編集部)
illustration:yuko