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みんなでプロジェクトを応援! 「スーダン戦闘下の今だからこそ守りたい、子どもの教育機会!」(認定NPO法人 日本国際ボランティアセンター)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい5つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

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こんにちは。日本国際ボランティアセンター、スーダン事業担当の後藤美紀です。
私たちは今年戦闘が勃発したスーダンの南コルドファン州で活動をしています。

●スーダン危機で何が起きているか
2023年4月に首都のハルツームを中心にスーダン国軍と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)の軍事衝突が勃発しました。戦火は地方にも広がり現在も戦闘は続いています。4,000人以上の市民が犠牲になり、国内外に避難した人々は500万人以上、その数は現在も増加しています。物資不足により物価は高騰し、多くの医療施設やインフラが機能せず人々の生活は困窮を極めています。

JVCが活動を実施するスーダン南部の南コルドファン州は長い間紛争に苛まれ、貧困率が非常に高い地域ですが、今回の戦闘により首都から数万人の避難民が押し寄せました。さらにその後、南コルドファン州でも戦闘が勃発し、空爆、砲撃、地上戦が繰り広げられました。

●緊急下の教育の重要性
紛争により教育機会を失った子どもたちは、兄弟の世話や家事手伝い、家畜の世話、市場で物売りなど児童労働を強いられています。教育を受けられないことにより、将来の職の選択肢は限られ、兵士となって望まない戦争に加担するという負のサイクルが繰り返されてしまう現状があります。実際に現在、軍のリクルート活動が各地で積極的に行われて、多くの子どもや若者が新たに入隊しています。

さらに、子どもたちには度重なる退避を強いられ多大なストレスがかかっています。連日続いた交戦では、空爆音や爆撃音が激しく、ベッドの下に隠れて泣き叫ぶなど心理的なダメージを負っています。このような心の傷を負った子どもたちは、安心して時間を過ごせる場所、子どもらしい時間を過ごせる空間を必要としています。

補習校でスポーツをする児童たち

●教育の機会を失った子どもたちに
こうした学校教育へのアクセスを失った子どもたちに対して、補習校を開きます。補習校では教育省のカリキュラムに則って、アラビア語、算数、英語、宗教を学び、レクリエーションの時間ではスポーツや図画・工作をして楽しい時間を過ごします。約6ヵ月間勉強したあとに修了試験を経て正規校へと編入します。授業と並行して保護者への啓発活動や学校・行政・地域の連携を図る取り組みも実施し、子どもたちが継続して学校に通える体制を整えます。

補習校の授業の様子

●教育を受けて前に進みたい
補習校に参加する女子生徒が力強く語ってくれました。
「父親を亡くし、母親と2人で暮らしていましが、母親も亡くなってしまい、叔父に引き取られました。叔父は家畜の世話を強要して学校に行くことには賛成してくれませんでしたが、私は勉強したい。教育を受けることで”前進”したい、物事をもっと理解したいのです。大学まで勉強を続けて、将来先生になりたいです。」

このように、教育を妨げるものは、戦争だけでなく、家庭の経済状況、保護者の教育への関心の低さなど、様々な要因が交わりあっています。まさに緊急事態ではありますが、地域や行政の人々と協力して困難を取り除き、子どもたちに教育の機会を届けていきます。

〈主な活動内容〉

①補習校の運営
就学機会を失った児童を対象に、学校教育に必要な学力の修得を目指し補習授業を行います。教材・教具も支援し、児童には学用品及び給食に代わる軽食も支給します。また、スポーツや絵画、工作などのレクリエーションも実施し、子どもたちが子どもらしく過ごす時間を提供します。子どもたちは戦闘を経験しているためソーシャルワーカーによる子どもの心理サポートも行います。学習の習熟度の確認のための試験を実施して、児童の正規校への編入をサポートします。

➁教員研修
指導技術の向上を目的として、教員向けに教具の作り方、教案の作り方、クラス管理、模擬授業などの研修を実施します。また、教育局担当者が定期的に巡回指導し都度助言を行うほか、月例会議で成功体験や課題を共有します。

③保護者グループ支援
保護者グループが中心となって自分たちができる活動を話し合い、住民が補習校の実施において一定の役割を担うようサポートします。

補習校の修了式で喜ぶ児童と保護者

〈期待される効果〉

補習校を通して、戦闘の影響で教育を受けたことのない子どもたちや機会を失った子どもたちに、教育の機会を提供します。

私たちは子どもたちが補習校を修了することのみを目指しているわけではありません。JVCはこれまで約1,500人の子どもたちを支援してきましたが、90%以上の子どもたちが正規校での勉強を継続しています。このように、補習校を修了した後も子どもたちが学校で勉強を続け、さらに地域全体で学校に行くことが当たり前になるような環境を整えることが重要です。

紛争が起こった際、緊急支援として食料や医療支援が優先され、教育支援は後回しにされがちです。しかし教育の機会を提供することは、子どもたちを安全な場所に保護し、子どもらしい時間を過ごすことに繋がります。さらに基礎的な読み書き計算の知識や技能を習得すること、課題解決に必要な思考力、判断力、表現力を育むことは、将来を担う子どもたちの選択肢を広げるだけではなく、地域の安定化にも繋がると信じています。

相次ぐ政変や紛争が続くスーダンで、厳しい生活の中、子どもの教育機会を守り、拡げることを通じて、懸命に自ら生活を再建しようとする人々を支えていきます。

■スーダン戦闘下の今だからこそ守りたい、子どもの教育機会!
実施場所:スーダン共和国南コルドファン州カドグリ郡
実施期間:2024年1月~2024年12月
・日本国際ボランティアセンターさまのその他の支援活動はちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための5つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2023年11月1日から11月14日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。

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