
―フェリシモの商品・サービス企画の根底にあるサステナビリティ・ストーリー―
事業性、独創性、社会性が重なり合い生み出されるフェリシモならではの商品やサービス。
この連載では「社会性」にフォーカスし、プロジェクト担当者たちの想いをお伝えしています。
今回ご紹介するのは、「フェリシモMama」が企画した「Moredde 背負って安心 水筒バッグ」です。子どもが水筒を斜め掛けにして歩く姿は、保育園や小学校でよく見かける光景ですよね。しかし近年、転倒した際のけがなどが懸念されています。
この水筒バッグを企画した「フェリシモMama」は、フェリシモのママ社員を中心としたプロジェクト。マタニティから産後まで、からだや心の変化を迎える時期の毎日を少しでも楽しく過ごしてほしいという思いから、商品づくりに取り組んでいます。
水筒バッグの発起人である寺嶋さんも、幼児を育てる母のひとり。水筒の事故も決して人ごとではありませんでした。子どもの安全を守りたいという想いとともに、フェリシモMamaにかけるメンバーの取り組みについてお聞きしました。
話し手:寺嶋明那さん、為實ほのかさん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局
子育てをする人にもっと“今”を楽しんでほしいから

フェリシモMamaは、子育てをする人たちのリアルな声をもとに商品企画を行うプロジェクトでありブランドです。メンバーの寺嶋さんは、フェリシモMamaのコンセプトについてこう話します。
寺嶋:子どものためだけではなく、子育てをしている保護者自身も、今の暮らしを楽しむ時間やできごとが増えて、自分らしくいられることを目指しています。
たとえば長く支持されている商品が、授乳もしやすいワンピース型のパジャマ。宅配便の受け取りやゴミ出しのときにもそのまま外に出られるよう、普段着のようなデザインになっています。

寺嶋:最初はシャツ素材のワンピースだったんです。けれど、コロナ禍をきっかけに、おうち時間を大事にしたいという気持ちが世の中的に強くなり、素材をカットソーに変えて、よりリラックスできるデザインも展開しています。
社会の変化や暮らし方の変化に合わせて、商品も少しずつ進化していく。子育てのリアルな経験から生まれるアイデアは、多くの人の共感を集めています。
水筒を背中側に持つことで転倒時のリスクを減らす
2026年3月に誕生した「Moredde 背負って安心 水筒バッグ」は、子どもが水筒を持ち歩くときの安全性に着目した商品です。
一般的に、子どもの水筒は斜め掛けで持つことが多く、保育園や小学校でもよく見られるスタイルです。
しかし、子どもが走って転倒した際に、斜めがけしていた水筒が前に移動して腹部を強打するなど、保護者にとって心配な事故が起きています。

子どもは大人に比べて転倒しやすく、転んだ際に腕で体を支える動作もうまく取れないことがあります。また、水筒が当たった際の衝撃によって深刻なけがにつながる懸念があります。
そのため、消費者庁やこども家庭庁においても、水筒は斜めがけをせずなるべくリュックに入れましょうなどといった注意喚起がなされています。(※1)

寺嶋:事故のことを知ったときは、衝撃を受けましたし、ショックな出来事に胸が痛みました。
それ以来、ストラップを外してご自身のバッグに子どもの水筒を入れるなどの対策をとっていた寺嶋さんが考案したのが、背中側に水筒を背負うスタイルでした。
※1:「みんなの消費安全ナビ from 消費者庁」 Vol.635 水筒を持ち歩くときの転倒事故に注意!を参照
発案のきっかけは、園長先生の一声だった
実はこの商品、寺嶋さんの子どもが通う保育園でのできごとがきっかけに生まれたアイデアでした。
寺嶋:ある日、保育園の保護者説明会で、園長先生から「今年から水筒の斜め掛けはNGにします」というお話があったのです。理由はもちろん、前述の水筒による転倒事故を防ぐため。

しかし、水筒の斜めがけの使用が禁止になると、どうやって水筒を持たせればよいのか、どのような対策ができるのかという別の問題が浮かび上がります。
寺嶋:そこで園長先生が、ご自身のお母さんに水筒用の筒型のナップサックを手作りしてもらい、園児全員分を作って配ってくださったんです!
それを見て、すごくいいアイデアだと思いました。一方で、手づくりゆえに限られた人にしか届かないのはもったいないなと思ったんです。
こうした想いから、「Moredde 背負って安心 水筒バッグ」の企画がスタートしました。
子どもに限らず誰もが使えるデザインに
寺嶋:この商品を見て、「水筒って持ち方によっては危ないこともあるんだ」と気づいてもらえるだけでも意味があると思っているんです。
実は、水筒リュックの企画をする過程で、フェリシモのお客さまが水筒の転倒事故についてどの程度認識しているのかを知るため、アンケートも実施しました。担当した為實さんは、その目的についてこう話します。
為實:アンケート結果を見ると、事故の存在を「聞いたことがある」という人は一定数いたものの、詳しく知っている人は多くはありませんでした。また、回答者の中には祖父母世代も多く、お孫さんのことを思って気にされている方が多い印象でした。

こうした背景もあって、子どもに限らず幅広い年齢層の方に使っていただける商品へと企画の過程で用途が広がっていきました。
為實:「大人が使うのにも便利そう」「手ぶらで水筒を持ち歩きたいときに便利」といったお声もいただきました。高齢のお母さまにもいいかもしれない、というご意見もあって、お子さまに限らず、さまざまな方に使っていただけそうだなと思いました。

ストラップは長さを調整できるため、子どもに「持って」と頼まれたとき、親がそのまま背負える仕様に。カラーは子どもに人気のパープルと持つ人を選ばないブルーのペールトーンを採用し、誰でも使いやすい落ち着いた色合いに仕上げています。
子育てのリアルな場面に加え、お客さまの視点を取り入れながら細かな仕様が決められていきました。
後編では、「子育ての経験はキャリア」という視点のもと、リアルな経験から生まれた気づきを社会に届けようとするフェリシモMamaの思いをお聞きします。


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