
― フェリシモの商品・サービス企画の根底にあるサステナビリティ・ストーリー ―
事業性、独創性、社会性が重なり合い生み出されるフェリシモならではの商品やサービス。
この連載では「社会性」にフォーカスし、プロジェクト担当者たちの想いをお伝えしています。
今回ご紹介するのは、「フェリシモことば部」(以下、ことば部)です。
どこか遠くへ旅をしたり、
誰かの心が少しだけ明るくなったり、
そんな活動が出来ればと思います。
お守りみたいな言葉に、
どこかで出会えますように。
こちらは、ことば部のコンセプトの一部です。
何気ない会話のなかで、本のなかで、映画のなかで、仕事で、SNSで。
私たちの暮らしには、さまざまな言葉があふれています。
それらに元気づけられることもあれば、傷つくこともある。
ときには、うまく言葉にできない気持ちや、名前のつかない感情を抱えたまま過ごしてしまうこともあるのではないでしょうか。
ことば部は、そうした“余白”に目を向けながら、言葉を通して誰かの気持ちにそっと寄り添おうとする活動です。
短歌やエッセイ、ポッドキャストといった多様なコンテンツを通して、言葉を発していく。
その背景には、どのような思いがあるのでしょうか。
新部長のたっきーこと藤瀧さんと、部員のたんこと川内さんにお話を伺いました。
話し手:川内玲美さん、藤瀧碧さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局
言葉を通じて生活者の誰もが参加できる部活動

現在、ことば部は6名のメンバーを中心に活動をしており、Webサイトにてさまざまなコンテンツ記事やポッドキャスト番組などを発信しています。
ことば部は、メンバーのひとりが現代短歌作品を募る短歌賞の企画を手がけたことから始まります。この「おそろい短歌賞」は、もともとはフェリシモが11月11日に制定した記念日「おそろいの日」のイベントとして2023年から開催。審査員に歌人の岡野大嗣さんをお迎えした2025年には、550名から1369首もの応募が集まりました。

開催当初は、応募者を20代に限定していたものの、制限をなくしたところ、小学生から80代までの幅広い方々にご参加いただき、「言葉を通じて誰もが参加できる場」としての可能性が一気に広がりました。また、絶版となった書籍の復刊リクエストなど、言葉を軸にした活動をさらに展開し始めたことから、当時の部長が、言葉が好きそうな若手メンバーに声をかけ、部活へと発展していきました。
Webでは、メンバーそれぞれの感性を生かした連載が次々と立ち上がっており、言葉にふれながら、笑ったり、じんとしたり、考えたり、すっきりしたり。
さまざまな視点で語られる言葉が、私たちの日常に余白を与えてくれます。

誰かの心が少し軽くなる言葉を届けたい

ことば部のメンバーの多くは、社会人として歩み始めたばかりの世代。環境が大きく変わるなかで、自分の気持ちをうまく言葉にできずに抱え込んでしまう人も少なくないでしょう。
だから、メンバーには、学生から社会人になったばかりの環境の変化の渦中にいる、同じように揺らいでいる人たちに対しても、言葉の力でアプローチできないかという想いがあります。
川内:私の場合は、社会人になると同時にひとり暮らしも始まり、自分と向き合う時間が増えることで考え込むことも多くなりました。そんな日々のなかで、本や言葉が自分を支えてくれた経験が活動の源泉になっています。
藤瀧:私も入社したてのころは、よそ行きの顔でピンと気を張って日々を過ごしていました。だから、みんなにとってことば部が、自分に戻れる場所になれたらいいなと思っています。
仕事や人間関係に悩むとき、言葉によって少しだけ心が軽くなる。そんな体験を届けたいという思いが、コンテンツの一つひとつに込められています。

言葉が好きなすべての人たちの新しい場所
ことば部というネーミングには、ひらかれた印象をおぼえます。
川内:“特定のメンバーだけの活動ではない”ものにしたくて。私たち部員だけのものではなく、お客さまをはじめ、言葉が好きなすべての方たちに参加していただきながら、みんながフェリシモことば部の一員だという感覚を共有したかったんです。

そうした想いが特に垣間見えるのが、2026年からスタートした「ことば部交換日記」。前の人が書いた日記を受けて、新たな書き手が自分の日記を書くという本企画。知らない人同士のやりとりだけれど、まるで、言葉で時間や空間がつながっていくような感覚をおぼえます。
フェリシモが企業として一方的に発信するのではなく、受け取る人も言葉を重ねながら参加していく、新しいかたちの表現の場ともいえそうです。

また、2026年からスタートしたポッドキャスト番組「あなたの本棚教えてください」では、たんこと川内さんがMCとなって、メンバーをはじめさまざまな人の本棚の写真をもとにトークを展開。その人ならではの言葉にふれることのできる、その時にしか生まれ得ない“場”としても機能しています。

ことば部では、商品企画も手がけています。普段はファッション媒体の編集チームに所属している藤瀧さんが初めて商品企画に取り組んだ「フェリシモことば部 お守りみたいなことばを集める めぶくしおり」は、読書の途中でクローバーが芽吹いていくようなデザインに。本好きならではの視点がうかがえます。

お客さまと言葉をかわしながら、社会とともにつくっていく
藤瀧:フェリシモは、一方的に何かを提供するだけではなく、与え合うところから生まれるしあわせを目指している企業です。ことば部もまさにそうだと思います。
一方的に何かを届けるのではなく、お客さまと一緒にやりとりしながらつくっていく。
どうやら、フェリシモに根付く文化が、ことば部の活動にも通じているようです。

また、短歌賞や復刊プロジェクトなど、多くの人の声が集まることでかたちになる企画は、個人ではなかなか実現しにくいものです。
川内:たくさんの声をお聞きしながら活動することは、フェリシモだからこそだと思います。社員一人ひとりの個性を尊重する社風も、活動を支えています。
さらに、ことば部の取り組みは、ただコンテンツや商品を届けるだけではなく、「言葉を通してつながる場」そのものを生み出している点にも特徴があります。
言葉を通して、気持ちにそっと寄り添えるような場をつくること。そうした活動の積み重ねが、結果としてフェリシモらしさにつながっているのかもしれません。
個人の感性を起点にしながら、それを社会に開いていく。そうした循環こそが、フェリシモならではの価値といえそうです。
後編では、お二人のご経験を交えながら言葉が持つ力について詳しくお聞きします。


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