フェリシモCompany60th

防災をふだんの生活の中に取り入れながら、おしゃれもかなえてくれる。備えの常識をアップデートするアプデのアイテムにまつわる10のこと。

9月1日は防災の日。「今の私をアップデートするファッション・ファッション小物」をお届けしているブランド「UP.de(アプデ)」(以下、「アプデ」)が、防災視点を取り入れた3つのファッションアイテムをつくりました。

テーマは、“おしゃれと備えを両立。いつもの装いにそっと忍ばせる。衣食住の衣から防災を考えるために。”  「防災バッグにはロングスカートを!」との発信がSNSでも注目を浴びた解説系スタイリスト、りささんとコラボレーションしています。

また、フェリシモには、災害への備えと対策に関する知識を有する”防災士”の資格を持つ社員がいます。彼らのアドバイスも取り入れながら、アプデがこれまで積み重ねてきた知見を活かして商品企画を手がけました。

非常時にはお着替えポンチョやトイレの目隠しに使えるロングスカート、大切なものをほとんど入れてしまえる撥水加工の“着られるバッグ(R)”、1日分の防災グッズを入れっぱなしにできるリュックの3アイテムが完成!

商品にかけた思いについて、企画チームの雲類鷲(うるわし)巴菜さん、姫田芽衣さん、吉田恵さんの3名にお話を聞きました。

話し手: 雲類鷲巴菜さん、姫田芽衣さん、吉田恵さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局

Q1、はじめに、企画を担当されたみなさんの「防災」への想いがあればお聞かせください。

雲類鷲:私は、実家が金沢で、2024年の能登半島地震が起きたとき、ちょうど帰省中だったんです。直接的な被害はさほどなかったものの、家屋が古いこともあり大きな揺れを感じました。ひとまず避難の準備をしようと、半ばパニック状態で必要そうなものだけを母とともに車に積み込みました。結局、避難せずそのまま自宅待機となりましたが、もしもそのまま避難生活に入っていたらあの防災グッズではきっと不充分だったと思います。日ごろの備えを見直さなければ……と思わされた体験でした。

左から、雲類鷲さん、姫田さん、吉田さん
左から、雲類鷲さん、姫田さん、吉田さん

姫田:2011年に東日本大震災が発生した当時、私は高校生で、千葉の実家から約50キロも離れた高校に通っていました。あの日はたまたま、午前中で学校が終わるテスト期間で早めに帰宅していたのですが、もし夕方までの通常授業があったら、電車は動いておらず徒歩で帰らなければならない状況だったんです。帰宅困難や外出先での備えというものについて考えさせられるきっかけになりました。

吉田:私は神戸生まれで、1995年の阪神・淡路大震災を体験しています。幼かったため、あまり記憶はないのですが、父が怪我をしていたり、しばらく車で生活していたりしたことはうっすらと覚えています。そういう経緯もあって、やはり、災害のニュースを聞いたり、毎年“1.17”が来るたびに防災について考えますが、日常的に備えができているかというと微妙でした。

Q2、りささんの、防災×ファッションの解説動画(*1)との出会いがきっかけとなり、今回のコラボ企画が実現したということですが、みなさんが特に共感できたポイントはどんなところでしたか?

吉田:りささんのSNSでは、暮らしに近いところで防災をとらえていて、「これなら私でも気軽にできそう」だと感じました。また、ファッションのノウハウをわかりやすい言葉で届けることで、おしゃれをすることで服からパワーをもらえたり、明るい気持ちになれたりする体験をみんなにも感じてほしいというパッションを感じました。私たち企画チームも、時として言語化しにくいファッションのニュアンスをどう伝えればいいか模索しているなかで、りささんは、言語化しづらい悩みをすくい取って、ちゃんと説明されています。おしゃれな世界観をつくるだけではなく、着こなしのハードルを下げてくれるスタイリストさん。りささんとなら、ファッションに役立つ防災という、ふだん接点がないように見えるこの二つのポイントもしっかり結び付けて生活者に届けられそうだと期待が膨らみました。

アプデの公式Instagram
アプデの公式Instagramでは、りささんの解説動画も公開中! りささんは、スタイリスト歴17年。SNS総フォロワー数約30万人(※2025年7月現在)。TVや雑誌、CDジャケットなど、多数メディアで手がけたスタイリングは累計5万コーデ以上。「服は衣食住の“衣”であり、日常を支えるもの」という視点から、”防災×ファッション”といったおしゃれと安心を両立したスタイリング提案が人気を集めています。

姫田:商品企画を手がけるなかで、その素材を使う意味やバランスのいいスタイリングの根拠などを、プロであるスタイリストさんの目線かつわかりやすい言葉でお客さまにお伝えできないかと日ごろから思っていました。そんななかで、偶然、りささんの動画と出合って。ロングスカートを防災に活用するという動画だったんですけれど、すごく納得できる内容だったから、私、動画を見てすぐに、着なくなったロングスカートを防災バッグの中に入れたんです。

*1 りささんのロングスカートを防災グッズに活用する解説動画はこちら

Q3、どのように企画が進んでいったのでしょうか?

姫田:私たちの持っている商品企画のノウハウをベースにしてアイデアを昇華していただいたものもあれば、りささんのアイデアや思いから企画したものもありました。また、りささんのInstagramに寄せられるさまざまな思いや経験を持つ人たちからの貴重なコメントも参考にさせていただきました。そのコメントには、被災現場でのリアルな声や切実な想いも込められていて。

企画について話す姫田さん

吉田:当初は、「スカーフをかばんにするのはどう?」などといった、ユニークなアイデアもたくさんありました。でも、防災視点で考えたときに使いにくい、ならば、マザーズバッグをヒントにすれば、機能的なものができるのでは……という風に議論を発展させていきました。機能的なものづくりは、私たちの得意分野ですから、りささんとのアイデアと私たちの経験、つまり双方の“得意”をかけ合わせて商品をつくり上げていきました。

Q4、どの商品も興味をそそられますが、まずは「スタイリストりさ×UP.de 防災バッグに入れておきたい お着替えポンチョにもなる撥水(はっすい)ロングスカートの会」について教えてください。

姫田:防災と聞くと、パンツスタイルがよさそうな印象があると思うのですが、実は、ロングスカートってたくさんの機能を兼ね備えているんです。例えば、避難所で集団生活をしないといけないときに、着替えの場所がないときやトイレの個室がないときに目隠しになってくれます。そして、もちろんふだん使いもできます。今回の企画をはじめるにあたり、非常時を想像しながらいろいろなロングスカートをかぶってみて研究をしたのですが、既製のスカートでは丈が短すぎたり、身幅がせまくて着替えるほどのスペースが確保しづらかったり。だから、着用時のシルエットを大事にしながらも、生地をたっぷり使って着替えられるだけの幅を持たせ、丈も長めにとっています。

避難所での使用を想定した中性的なカラーではありながら、畳んだときに見えるポケットの内側に、りささんセレクトの元気な蛍光色を採用。ポケット部分のリフレクターも機能×アクセントに。スポーティな印象になりすぎないように部分的に配置しました。
避難所での使用を想定した中性的なカラーではありながら、畳んだときに見えるポケットの内側に、りささんセレクトの元気な蛍光色を採用。ポケット部分のリフレクターも機能×アクセントに。スポーティな印象になりすぎないように部分的に配置しました。

実はこのスカート、ポケッタブルかつ撥水機能もあるんです。撥水のアイテムってシャカシャカと音がしがちで、オフィスで着ているとどうしても音が気になってしまうのですが、このスカートはやわらかい生地を使っているので、音がしないのがうれしいポイントです! 企画の過程では、リバーシブルにして裏側にシフォン生地を使い、二面性のあるデザインにしたいというアイデアもありました。けれど、シフォン生地だと物に引っかかりやすくて防災という観点から見ると使いづらい点や、生地がすごいボリュームになってしまって、防災バッグに入れたいのにかさばる。そういうこともあり、現在のこのデザインに落ち着いていきました。

お着替えポンチョとしてかぶるとこんな感じに(左)。コンパクトで天気を選ばないので、裏テーマは「旅行に便利」。たしかに、スカートのポケット部分に畳むととてもコンパクト!ポケッタブルにありがちな、収納袋が小さすぎて入らないというよくあるストレスを感じさせない余裕のある作りもうれしいポイントです。

Q5、「スタイリストりさ×UP.de もしもの時に手ぶらになれる 着られるバッグ(R)撥水(はっすい)ジャケット〈UV&撥水/オリーブブラウン〉」は、デイリーに使えそうなアウターに見えますね。

雲類鷲:MA-1からヒントを得たカラーリングの撥水加工のジャケットで、“着られるバッグ”という、フェリシモが商標を取得しているポケットがたくさんついた服のシリーズから展開しています。5つあるポケットの一部にフラップやファスナーをつけて、ものが飛び出ないような仕様になっています。また、左胸にはスマホが入るポケットがついています。実際に逃げないといけない場面になった時に、胸元にスマホが入っていれば振動が伝わりやすいという防災的な視点からここに配置しました。

スタイリストりさ×UP.de もしもの時に手ぶらになれる 着られるバッグ(R) 撥水(はっすい)ジャケット〈UV&撥水/オリーブブラウン〉

ファッション面でどうしても譲れなかったのは、ふだん着として着用する際にこなれ感がほしくて腰部分に付けたドロストと、着用したときのゆるっとしたサイズ感。実はこのドロスト、はじめは外側についていたんです。しかし、防災士から、外側に紐が出ていると物にひっかけて転倒する危険性も考えられるというアドバイスがあり、改良しました。あと、うしろの中面にはフェイスタオルが入る大きなポケットも。体を横たえたときに腰への負担を和らげる機能があります。また、すべての商品に共通することなのですが、避難所などでの性被害などのリスクも考慮して性別を意識させないユニセックスなカラーになっています。

ポケットにいろいろものを入れても違和感がありません。旅先での散歩やちょっとしたハイキングなど、手ぶらでいたいときにも重宝しそう。子どもと公園に遊びに行くときに持っていくアイテムも全部入ります。フードの長さは調整できて、深くかぶればプライバシーの確保&UV対策にも。

Q6、ここまで細やかに配慮されているとは、驚きました。りささんが特にこだわられたのはどのような点でしょうか? 

吉田:企画を進めていくなかで印象的だったのが、りささんがどのアイテムを作る際にも、“裏テーマ”を考えておられたことです。「スタイリストりさ×UP.de もしもの時に手ぶらになれる 着られるバッグ(R) 撥水(はっすい)ジャケット〈UV&撥水/オリーブブラウン〉」なら、「フェスにも着ていける!」。ポケットが多くてミリタリー系の洋服は、どうしてもメンズっぽくなってしまいますが、前述の通りドロストを取り入れてシルエットで変化をつけてファッションとしても楽しめる。当初はリバーシブルにしようというアイデアもありましたが、それもすべて、「おしゃれやかわいいと防災を両立させたい」というりささんの思いがあったからこそなんです。

企画について話す吉田さん

姫田:備えに限定したアイテムではなく、あくまでもファッションアイテムとしてふだん使いできて、そのうえでもしものときにも使える、という視点は一貫していましたよね。洋服に楽しいポイントやかわいさを取り入れたいという通底した思いを軸にしながら、その実現に向けていろいろなアイデアを出して改良していくということを繰り返していきました。

雲類鷲:メッセージを伝えたいというりささんの思いも商品に反映されています。アイテムの内側には、ふとしたタイミングで見える元気が出る色を利かせているのもこだわりポイントです。そして、「備えは思いやり、装いは愛。」という思いを込めた「PREPARE WITH CARE, DRESS WITH LOVE.」というメッセージタグもそれぞれについています。

Q7、社内の防災士のアドバイスもあったようですが、ファッション性との両立はやはり難しかったのでは?

雲類鷲:そうですね。防災士には、“実際に何かが起こったとき”を前提にしてデザインや機能性をチェックしてもらっています。やはり今回は、防災というキーワードがあるので、品質保証の面でもしっかりチェックを重ねながら、商品を改良していきました。防災士から見ると、ポケットの位置に限らず、ものが飛び出ないように口は留めるというような根拠あるご指摘をいただきつつ、見た目のバランスのよさとアクセスのよさを両立させるためにすっきり見えるようなファスナーを選んだり、防災とファッションを両立させるための小さな工夫があちこちに施されています。

着られるバッグについて話す雲類鷲さん

Q8、吉田さんが担当された「スタイリストりさ×UP.de もしもの時にスマートに備える 底ポケット付き 頼れる相棒多機能リュック〈PC対応・ホイッスル付き/ブラック〉」は、ふだんは半分忘れて備えるというおもしろい切り口ですね。

吉田:防災といっても、いろいろな要素がありますよね。例えば、“水に浮くリュック”なんてものがあれば機能的だろうけれど、ふだん使いという視点で見るとあまり現実的ではありません。そういうすごく強い防災機能や「これさえあれば避難できる」というようなものではなく、あくまでもふだん使いの延長線上に、「備えがあってよかったな」と感じられるリュックを目指しました。私の場合、何かきっかけがあると思い出したように小さな防災ポーチをかばんに入れます。でも、時が過ぎればまた意識が薄らいで……ということの繰り返し。やはり荷物が増えると重たいですし、かばんの中でどうしてもじゃまな存在になってしまう。ならば、逆転の発想で、「かばんに入っていることを忘れていた」くらいの気持ちで防災グッズを持ち歩くことができないかと考えたんです。

すっきりとしたデザインでありながら内にも外にも多ポケット、多機能で日々の頼れる相棒になってくれそう。

このリュック、底側にポケットがあるんですけど、1日分の備えを常時入れておけるくらいのサイズ感なんです。これなら、ずっとポーチが見えているわけじゃないので、「そういえばあったね」くらいの感じで継続的に備えることができます。ちなみに裏テーマは「通勤でふだんから使える」。だから、電車の中でひざにリュックを置いたときに一時的にスマホや本を入れられるポケットがついていたり。あと、防災機能を高めたいという、りささんのアイデアで、リュックの外ポケットには夜道のお守りにもなるホイッスルをつけました。

左サイドポケットに付属しているホイッスル(左)。りささんのご要望で、中を開けたときに元気になるようにと内側の生地は明るいアップルグリーンに。ふだんはPCを入れておけるキルティングマルチケースは非常時には座布団や枕に。

Q9、防災×おしゃれだけにとどまらない、さまざまな要素が忍んでいますね! 生活者視点で見ても、防災とおしゃれが共存していると思います。企画をするなかでの発見や学びのポイントがあればお聞かせください。

吉田:りささんの「ファッションは衣食住の“衣”」だという観点をベースに、似ているけれど全然違うジャンルのもの同士を、ファッションという力を使って暮らしの中に取り込んでいくという視点を養うことができたと感じています。一口に防災と言っても、方法やどこまでやるかには幅があるので、今回、防災をどのように生活に取り入れられるのかを深く考えるとてもいい機会になりました。

Q10、今後の展望やメッセージをお願いします!

姫田:防災グッズの必要性はよく理解していても、使う機会があるのかわからないものを買いそろえるのって、どうしても後回しになりがちだと思うんです。やっぱり使わずに済めばなによりですし。でも、今回のコラボアイテムは非常時の出番が来なくてもふだん着として活躍してくれるので、タンスの肥やしにはななりません。むしろ使い古してから防災バッグに入れてもOK。だから、「備え」のハードルが高いなと感じている方にも、まずは気軽に手にとってもらえたらうれしいです。

吉田:これまでは、ファッション=おしゃれに装うことという捉え方をしていましたが、今回のコラボで、ファッションは私たちの生活を少し便利にしたり、快適にしたりする役割を持っていることに気づかされました。よく「食べることは生きること」と言いますが、着飾ることも生きることだなと、生活との強い結びつきを感じています。そんなファッションの力をお客さまにも感じていただきたいです。

雲類鷲:りささんからのメッセージである「備えは思いやり、装いは愛」という言葉で、私自身も身近な衣類から自分のための備えをしようと改めて考えることができました。有事の時だけではないふだんから着用できるファッションアイテムで日常を少し便利に、そして、もしもに備える第一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。

この記事をシェアする
Twitter
Facebook
LINE

コメント

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

コメントを投稿する
ページトップへ戻る