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ともにハッピーな未来へ! ふだんの買い物で世界の動物たちを支援する「旭山動物園とボルネオの森恩返し基金」とは?

こんにちは、フェリシモ基金事務局のmotoです。

旭山動物園とボルネオの森恩返し基金」は、旭山動物園とフェリシモによる共同プロジェクトです。
旭山動物園と一緒につくった基金付きのアイテムを購入いただくことで、動物の世界を楽しみながら応援できる取り組みです。
年間140万人が訪れるという北海道の旭山動物園では、動物たちが本来の行動をしやすいよう居心地のいい環境を作る“行動展示”という方法で展示されており、自然に近い環境のなかでいきいきとした姿を見ることができます。
また、旭山動物園では、世界の動物たちの生育環境にも目を向け、ボルネオの熱帯雨林とそこに暮らす動物たちを応援する「ボルネオへの恩返しプロジェクト」を実践しています。
フェリシモでは、2023年1月に旭山動物園の坂東元園長に「神戸学校」に登壇していただきました。その出会いから、新しく「旭山動物園とボルネオの森恩返し基金」を立ち上げて動物たちの未来を守るために2つの取り組みを応援することになりました。「ボルネオの森への恩返しプロジェクト」と、動物園の施設設備にあてられる「あさひやまもっと夢基金」に拠出します。
プランナーの豊川紗代さんと三宗千尋さんに、旭山動物園と一緒につくったアイテムの企画秘話とプロジェクトにかける想いについてお聞きしました。

話し手:豊川紗代さん、三宗千尋さん
聞き手:フェリシモ基金事務局

生命力あふれる旭山動物園を訪れて

三宗:私たちがはじめて「旭山動物園」に伺ったのは、「神戸学校」の打ち合わせのためでした。せっかく訪問するので、「商品企画にもつなげられたらいいな」とは思ってはいたのですが、いざ動物園に足を踏み入れてみると「なにか一緒にしたい!」と思わせるとっても魅力的な動物園だったんです。幅広い層の方たちが来園していて、動物も、来場しているお客さまたちもいきいきとしていて。人間も動物も、根本的には同じ生命なのだと妙に納得させられるひとときでした。

豊川:旭山動物園の行動展示には心から感動しました。自然環境のなかで動物たちがのびのびと暮らしていて。降り積もる雪のなかでシロクマをみていると、なんだかもう北極にいるかのようで!

シロクマ

三宗:そして、坂東園長をはじめ、動物園の飼育員のみなさんの動物と向き合う姿勢がかっこいいんです。旭山動物園にいる動物のことだけではなく、地球や自然のこと、そして子どもたちの未来にまで思いをはせ、地球上に生きるすべてのものを守ることを使命とされています。動物園での飼育も、命がけなんです。たとえば、大きなキリンの治療をしようとすれば倒れてきてしまうリスクがあるし、ライオンなどの肉食動物に食べられてしまう危険性だってある。そういう状況のなかで、まさに命がけで働き、動物たちの命を守る。彼らをそこまで夢中にさせる心情や感情はいったいどんなものなのだろうかとずっと考え続けています。

豊川:坂東園長は、獣医さんでもあり、常に最前線で生き物の生死に向き合っておられます。だから、旭山動物園では、動物の愛らしい部分を見せるだけではなく、動物が亡くなった場合には来場者にきちんとお伝えしています。そうした、命への想いをはじめ、坂東園長の熱意に感銘を受けて、ぜひ応援させていただきたいと思ったんです。

私たちの生活は野生動物の自然環境とつながっている

豊川:動物園で真っ向から自然や動物と対峙しつつ、その延長線上で旭山動物園が取り組んでおられるのが、ボルネオでの支援活動です。東南アジアに位置し、マレーシア、インドネシア、ブルネイの3つの国に属するボルネオ島の森には、パーム油の原料であるアブラヤシのプランテーションが拡がっています。そのため、森林の伐採が進み、熱帯雨林が減少して野生動物たちの住処が失われつつあります。パーム油は、安価なため加工食品に多用されており、私たちが日常生活で何気なく食べているものを作るために日本でも大量に輸入されています。私たちは、知らず知らずのうちに、ボルネオの森から恩恵を受けているんです。けれど、森ではゾウやオランウータンなどの野生動物が暮らせなくなってしまっている。そのことに心を痛める坂東園長は、「ボルネオへの恩返しプロジェクト」を立ち上げてオランウータンやゾウなどの野生動物の保護活動や人材育成に取り組んできました。

園長は、森林伐採を進行させている責任は自分たち人間にあるのだとおっしゃいます。「恩返し」という言葉は、私たちの生活がボルネオに支えられていることを意識し、私たちが受け取っているものに感謝して、動物たちにお返ししたいという想いを表しています。

だから、私たちフェリシモが、旭山動物園の力になりたいと考えたとき、動物園そのものの支援だけではなくて、私たちの暮らしの延長線上にある野生動物の問題にも向き合い、地球環境の保全と一体で応援すべきだと考えて、今回の共同プロジェクトが立ち上がったのです。

コラボだから実現した、学べて楽しいアイテムづくり

三宗:アイテムについては、それぞれのブランドが自分たちなりに旭山動物園の動物たちを解釈して商品アイデアを落とし込み、その企画を園長に監修していただくというフローで進めてきました。

豊川:デザインはフェリシモにお任せいただき、旭山動物園さまには生物や生態としての正しさを監修していただきました。そのおかげで、「かわいい」や「おもしろい」のひとつ上を行く、学べる企画がたくさん生まれましたよね。
三宗:たとえば、「THREE FIFTY STANDARD」が企画した「ワオキツネザルの刺しゅうのウールセーター」。胸元に小さくワオキツネザルの刺しゅうが入っているのですが、この尻尾のかたちは何度も調整を重ねました。動物のプロの方たちが見ると、胴体よりも長いふわふわの尻尾がどうあるべきなのか深く知っておられるので、その見解を刺しゅうで細かく表現していきました。

ワオキツネザルの刺しゅうのウールセーター

ちなみに「ワオキツネザルの刺しゅうのウールセーター」に使用しているウール(羊毛)は、ノンミュールジングという、傷や苦痛を与えずに育てられた羊の毛を使用しています。ニット生地は、ウールを刈ってそれを糸にして編んで完成するわけですが、その過程で、羊へのうじ虫の寄生を防ぐために、子羊の成長の初期段階で、臀部の皮やからだの一部を切除して育てるという、羊たちにとっては苦痛なミュールジングという方法があります。羊の健康上の問題を回避するためのものですが、無麻酔で傷あとの適切な治療が施されないケースもあり、動物愛護の観点からも問題視されています。そうした方法を使わずに、できるだけ自然な飼育方法でウールをつくることを「ノンミュールジング」と言います。

エゾユキウサギが愛らしく季節を巡るやわらかダブルガーゼの着るバスタオルの会

豊川:「エゾユキウサギが愛らしく季節を巡るやわらかダブルガーゼの着るバスタオルの会」のうさぎの表現も、生物としての知識を盛り込んでデザインを細かくアップデートしましたよね。季節にあわせて年に4回生え変わるうさぎの毛並みを表現しながら、大きくて長い足あとをなるべく忠実に再現できるようデザインしました。

三宗:「せっかくお客さまに手にとっていただけるのだから、買ってくださった方に動物のことをちゃんと知ってほしい!」という動物園の想いがあったからなんです。できるだけ動物や自然環境へ配慮しながら、かわいいだけでは終わらせないものづくりが実現しました。

「エゾユキウサギが愛らしく季節を巡るやわらかダブルガーゼの着るバスタオルの会」は季節とともに変化していくエゾユキウサギを3回コレクションでお届けします。
「エゾユキウサギが愛らしく季節を巡るやわらかダブルガーゼの着るバスタオルの会」は季節とともに変化していくエゾユキウサギを3回コレクションでお届けします。

日々を彩る、動物たちのストーリー

三宗:もちろん、ファッションや雑貨としても完成度の高いアイテムぞろいです。たとえば「MEDE19F」の「リアルアニマルプリントスウェット」は、動物たちの野性味を表現するために、写真の上に大胆にイラストをプリントして、リアルさにこだわりました。坂東園長監修のもと完成したイラストたちは、ちょっとこわそうだけれどもとってもリアル。これまでフェリシモにあまりなかったワイルドなイメージの一着です。

豊川:雑貨担当の私からのイチオシは、「天気によって結晶が変化するホッキョクグマのストームグラス」。インテリアや北欧雑貨を提供するブランド「SeeMONO」による企画で、なんと天候によって結晶が変化して、日々変化する美しい情景が見れるんです。それと、もうひとつご紹介しておきたいのが、「YOU+MORE」企画の「すずめ好きな園長とつくったすずめのマスコットポーチの会」。旭山動物園では、めずらしくすずめの展示も行われているのですが、タイトルの通り、坂東園長はあらゆる動物の中ですずめがお好きで、腰もとにはいつもすずめのマスコットがついているほど。すずめは、私たちの身の回りでよく見かける小鳥ですが、彼らが存在することは、その場所が豊かな生態系を持っている証拠なのだと園長は考えておられます。すずめが1羽いるということは、そこには虫が生息し、食物連鎖が存在し、生命のサイクルや自然の循環を感じることができるということです。もしも都市部ですずめの姿が減少すれば、それは自然のバランスや生態系の変化を示唆しているのかもしれません。そういう思い入れがあって監修していただいたので、私にとっても愛着あるアイテムです。

旭山動物園とフェリシモの可能性を詰め込んで

豊川:「旭山動物園とボルネオの森恩返し基金」のプロジェクトには、フェリシモができることがすべて詰まっていると思います。洋服のデザインはもちろん、手作りキットがあったり、世界の貧困地域にぬいぐるみを届ける「ハッピートイズプロジェクト」と連動していたり。全ブランドのプランナーがともに取り組み、同じ目的に向かってものづくりを手がけるのはめずらしいことなので、お客さまにもこのおもしろさが伝わればうれしいです。プランナーみんなが熱意を持って参加してくれたことも、フェリシモらしさだなぁと実感しましたよね。

三宗:プランナーとともに、カタログの編集担当さんも、あらゆるテイストのアイテムの数々を、おしゃれだけれど内容が伝わる媒体になるようがんばってまとめてくれました。旭山動物園にならって、カタログでは、 “行動展示”をモチーフに人の行動に寄り添う “着る、使う、飾る、作る”という日々の所作をテーマに設定しました。また、手描きの文字を多用しているのは、旭山動物園の展示がヒントになっています。動物園には、飼育員のみなさまによる手書きの紹介文が添えられているんです。そういう人の手が入っている温度感みたいなものを誌面でも表現して、動物園をめぐっているような感覚でカタログをめくっていただければうれしいです。せっかくできたご縁であり、基金ですので、夏のコレクションも展開したいですね。そしていつか、商品を買ってくださったお客さまやプランナーたちと一緒にボルネオの森に行ってみたいです!ちゃんと自分の目で見て、実感として自然や動物のことを学べる機会をつくりたいなと思っています。

旭山動物園とボルネオの森恩返し基金

旭山動物園とフェリシモによる共同プロジェクト。旭山動物園と一緒につくった基金付きのアイテムを購入いただくことで、動物の世界を楽しみながら応援できる取り組みです。

旭山動物園・ボルネオの森応援基金のページ

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