スタイリスト・村上さんの引き出しは無限!

こんにちは、日本職人プロジェクトリーダーの山猫です。

日本のモノづくりを通して、たくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。誰かの「好き」「欲しい」をカタチにした、ここにしかないプロダクトを生み出しています。

新しいことが始まる春は、自分への期待も高まるような気がしませんか? 最近は「春になったら……」より、「春までに……」を意識するように変わってきたように思います。

そこで、2023年春は“Opportunity/オポチュニティー”をテーマにしました。偶然が重なる“Chance/チャンス”に対して、しっかり準備して臨むのが“Opportunity/オポチュニティー”。目的や理想に対して行動するのに、「ちょうどいい機会」というニュアンスがあります。日本職人プロジェクトのアイテムがいろんな機会を作るきっかけになったり、なりたい自分のための準備になったらうれしいなと思います。

今回ブログで紹介するのは、ファッションスタイリスト・村上きわこさんとのコラボアイテム。この春デビューの新作3点と、超人気アイテムの新色モデルが登場します!

持つ人の魅力を何倍にも引き出してくれる、魅惑のバッグ。

ファッションスタイリストとして、フェリシモのカタログや雑誌、広告などで活躍する村上さん。「絵」としての美しさだけでなく、そこに物語が感じられるような、素敵な世界観を表現してくださいます。

そんな村上さんとのモノづくりは、何気ない会話から。撮影や打ち合わせの合間のトークの中から具体的なアイデアやリクエストがどんどん飛び出し、いつの間にか企画になっている……という感じです。そうして完成したアイテムは、いつも、どれも大好評。村上さんのアイテムはモノとしての美しさをしっかり保ちながら、使うシーンを想定した機能もあって、しかも持つ人が素敵に見えるところが、支持されている理由なのかなと思います。(社内スタッフにも大変人気なので、発売後、「山猫さん、きわこさんの新作、すごくかっこいいです。また買っちゃうかもです」と声をかけてくれる人たちもいます)

村上さんとの打合せ風景。鞄デザイナーの小林弓子さんも一緒に、村上さんのアイデアを具体的なデザインに落とし込んでいきます。写真はファシナンバッグの革と内生地を選んでいるところ。

今回初登場となるのは、目の覚めるような、鮮やかなターコイズグリーンのハンドバッグ。村上さんが「山猫さん、これ絶対、春に出しましょう!」と提案してくれました。

かっちりとしたフォルムを美しく仕上げるために、製作はハンドバッグも作れる職人さんの鞄工房に依頼。横長の大きめサイズなので張り合わせの難易度が高く、職人さんも苦労されたようで、4回も試作を繰り返しました(ハンドバッグは裏を貼ったり、芯材を入れたり何かと手順が多いんです)。

「上からがばっと開けるボックスタイプのバッグって、すごく使いやすいんですよ」と村上さん。エレガントな見た目だけでなく、機能性もちゃんと重視!

金具もいろいろ手配して検討を重ね、内生地はこれまた鮮やかなエメラルドグリーンをコーディネート。すごくエッジの効いた、他にはない組み合わせがおしゃれ。村上さんも「このタイプの鞄って持っているだけでかっこいいし、スタイリングにも映えるし、いいと思うんです」と納得の仕上がりです。

村上さん曰く「こういうかっちりしたバッグを、あえてラフに持つのがおすすめ」とのこと。特別な日だけでなく、ふだん使いするのがおしゃれです。

すごく軽くて、使いやすいのもポイント。鞄の縁が立ち上がっているので、置いたときに底が直接当たらないのもデザインの特徴です。

村上さんがフランス好きなことと、ヨーロッパモードっぽい雰囲気があることから、名前はフランス語で「魅惑する」を意味するファシナンバッグと付けました。ひとつ持っているとご機嫌になれる、自分もまわりも魅了してしまうバッグです。

村上さん初の長財布企画は、大きくてたくさん入って、ほぼポーチ!

続いても、この春に向けた新作アイテム。村上さんのコラボシリーズでは初となる、お財布の登場です。

実は村上さん、長年愛用されている長財布があるので、「山猫さんすみません、私、長財布の企画はできないです」とおっしゃっていました。それがついに「山猫さん、欲しい長財布、思いついたんです」とリクエストが!どんなものかをうかがってみると、撮影や旅行先で、指輪やピアス、ヘアピンなどを入れておけるポーチみたいなお財布が作りたい!とのことでした。(村上さんとは以前、“旅先に持って行きたいコンパクトな折り財布”は作っていたので、想像の斜め上をいかれた感じでした)

打ち合わせの席でも、「外出先でアクセサリーを外す機会って、意外と多くないですか?」という村上さんの意見に、同席していた女性陣が一堂納得。村上さんは、お茶のお稽古のときは必ず外されるそうで、他の人もジムやプールで外すことがあると賛同の意見が続々でした。

貴重品を全部まとめて持てるのはいいなと思い、さっそく企画がスタート。アクセサリーを入れられるスペースを作り、小銭やお札、レシートなどもしっかり収納できるようにしました。村上さんは旅先で服によってアクセサリーを変えるので、多めに持っていきたいとのこと。日本職人プロジェクトメンバーのMOEは、ロッカーのカギなど、なくせないけどすぐ取り出したいものを入れるそうです。

村上さんの「ある程度、大きい方がかっこいいと思うんですよ」という意見を参考に、ポーチのようなサイズ感にしました(村上さんご自身が愛用されているのも、領収書などがたっぷり収納できる大きめサイズです)。お財布以上ポーチ未満な絶妙のサイズ感です。これひとつで大事なものをすべて持ち運べるから、お仕事ポーチ的な感覚で使えます。

流線形のフラップはまっすぐよりも開けやすく、デザインのアクセントにも。名前も流線形にちなんで、流れるという意味のフランス語の「クレ」から、クレウォレットにしました。ニュアンスのあるローズピンクもおしゃれで、これだけ持ってお出かけしても素敵です。このお財布をどんな風に使おうか、ぜひ春からのライフスタイルをイメージしてみてください。

大きくて、くたくたで……、こんなダレス、見たことない!

3つめの新作は、ダレスバッグ。日本職人プロジェクトの原点ともいえる象徴的なアイテムですが、村上さんの手にかかると、これまでとは全く違う雰囲気になっています。

山猫が「きわこさん、鞄のアイデア思いついたら、いつでも声かけてくださいね!」とお伝えしているので、仕事でお会いするたびに素敵なアイデアを教えてくれる村上さん。今回も「山猫さん、思いついたんです、、、素敵なダレスバッグ!」とアンティークなダレスバッグの写真を1枚見せてくれました。とても古いデザインで、なるほどいいですね~と話しながら企画開始。オリジナルエッセンスを追加した今までにないダレスバッグは「柔らかく」「大容量」そして「スタイリッシュ」をキーワードにミックスしたものとなりました。

特徴は、なんといってもこのサイズ。がばっと大きくて、「2泊ぐらいならこれで行けるし、なんなら靴も入るかも」と村上さん。ビッグサイズですがやわらかい革を使っているので威圧感はなく、体にすんなりなじみます。長めの持ち手なので、ショルダーにかけて持つこともできるダレスは、年中いろいろなコーデとともに楽しめます。

カラーは、村上さんが「なんにでも合わせやすい万能カラー」と太鼓判を押すニュアンスのあるグレー。「ちょっとくすんだ感じの色が好み」というリクエストに応えました。ボリュームが大きい分、本革をたっぷり使い、金具も革で覆った&巻き込んだ贅沢なつくりです。

裏地は、麻混のナチュラルな生地を使用。グレーとの相性もばっちりで、開けたときまでおしゃれなのがさすが。

内生地が明るいから、大きくても中身が探しやすくて便利。なんでもざくざく入る、頼れる収納力が魅力です。

これまでのダレスバッグのイメージとは全く違うこの仕上がりは、村上さんならでは。くたっとやわらかい手ざわりを楽しみつつ、旅行やお出かけにどんどん活躍させてください。

シンプルトートで味わう、村上さんが惚れ込んだ馬革の魅力。

そして、ここからは人気アイテムのリニューアルシリーズ。ひとつめは、持つだけでこなれて見える「フィットトート」の2代目、ブラウンバージョンです。

フィットトートは、村上さんが「作りたい」と熱望していたアイテム。カジュアルになりがちなショルダーバッグを、本革で大人っぽくしたい!というオーダーに応えて企画がスタートしました。

主役となる革選びにいくつもの革工房を訪ね、最終的に村上さんのリクエストで馬革に決定。実はすでに牛革でサンプルを作っていたのですが、村上さんたっての希望で馬革に変更したという経緯があります。「デザインがシンプルなので、素材には妥協できない」という熱いこだわりのおかげで、初代モデルのブラックは、なめらかな光沢としなやかな落ち感が美しい最高の仕上がりになりました。

村上さんご本人が「一番よく使ってるかも」というほど愛用いただいてる初代のブラックモデル。これを見てると思わず欲しくなる山猫です。

今回はブラウンに挑戦することになり、初代モデルと同じ馬革専門の工房にオーダー。ところが、なかなか理想どおりの仕上がりになりません。試作品のチェックでも、「ちょっと雰囲気が違いますね。悪くはないけれど、この感じなら私は使わないかも……」と村上さん。この馬革は牛革に比べて部分ごとの厚みが異なり薄手なため、 漉き(すき)のコントロールが難しく加工も大変なのですが、シンプルなデザインだけに革の風合いがとにかく重要。職人さんに何度も挑戦していただいて、試行錯誤の末、理想の表情にたどりつきました。

初代モデルのブラックと比較しながら、試作品の革をチェックする村上さん。打ち合わせを重ねて、理想の風合いを追求していきます。

革のやわらかさを生かすため、裏地は貼らずに仕上げました。このくったりとした風合いが何よりの魅力。まちのない薄いフォルムは、体に自然に寄り添います。中身が少ないときのペタンとしているのも、たくさん入れてふくらんでいるのも、どちらもおしゃれ。好きなものをぽんぽん入れられる気さくさと、本革の大人っぽさのバランスがいい感じです。

ブラックよりやさしい印象のブラウンは、きれいな色にも合わせやすく、着こなしにしっくりなじみます。ナチュラルなイメージで、春からの気分にぴったり。スキップで(馬革だからギャロップで)出かけたくなります。

いつものエチューデントバッグより、ちょっとお姉さんな感じ。

続いては、伝説の名品「エチューデントバッグ」の5代目モデル。“フランスの学生鞄”をイメージしたこのバッグは村上さんコラボの中でも特に人気で、再販のリクエストをたくさんいただいています。村上さんも初代モデルのノアール(黒)をずっと愛用されていて、使いやすさはご本人も太鼓判です。

過去にリバティ・プリントの内生地を使ったものが好評だったので、今回は内生地にこだわって作ることにしました。いくつかのサンプルから村上さんが内生地に選んだのは、少しオリエンタルな雰囲気のあるスカーフ生地。織り地にプリントを施した凝ったもので、これは鞄デザイナー小林さんがたくさんの生地からセレクトしてご提案してくれたもの。この生地をベースに、外側の色や、インナーバッグのポケットの色をコーディネートしました。

今回は、中の生地に合わせて革を別注。オーダーした革があがった後も何回か色替えを試したうえで、今回のカラーに決定しました。

スカーフ用の薄い生地のため、ラミネート加工をした上で裏張りをして厚みを出し、裏地に使用。いつも以上にすごく手間のかかる工程にはなりますが、ハッとするほど美しい仕上がりになりました。開けるたび、気分が上がります。

青みのある内生地に合わせたのは、美しい紫陽花(あじさい)色のレザー。想像以上に大人っぽくおしゃれな仕上がりになりました。内生地がしっかりしているため、全体的にハリが出てかっちりとしたフォルムになっているのもポイント。やわらかい革とはまた違う味わいで、ビジネスシーンにも使えるキリリとした雰囲気です。ジャケットやスーツに合わせてもばっちり。

ほどよいサイズでたくさん入り、持ったときのバランスがキレイなこのバッグ。パソコンを入れたいというお声もたくさんいただくので、社内でチェックしてみたところ、4㎏くらいまでなら手提げでもショルダーでも大丈夫とお答えしています。

村上さんシリーズでおなじみのインナーバッグも、内生地の色に合わせてポケットのレザーの色をセレクト。鮮やかなグリーンで、鞄の中もパッと明るくなります。インナーバッグは取り外し可能なので、バッグインバッグとしても便利です。

柄の部分のグリーンとリンクしたレザーをセレクト。見えない部分までしっかりこだわった、贅沢なつくりです。

内生地を中心に、全体をコーディネートした今回のバッグ。実はこの内生地が廃盤で使えなくなるかも……という危機もあったのですが、鞄メーカーさんのがんばりでなんとか回避。「村上さんの鞄だから、なんとか使えるようにがんばります!」と言ってくださって、これまで積み重ねてきたものの大切さを実感しました。そのおかげで、今までのエチューデントバッグとはひと味違う、いつもよりちょっとお姉さんなアイテムが完成しました。持つだけで背筋が伸びて、春からの新生活の気持ちを上げてくれるバッグです。

持っている自分を想像するだけで、ワクワクできる!

村上さんのアイテムは、持ってみたい!使ってみたい!というあこがれを抱かせるところが素敵だなと思います。「このバッグを持っている自分」を想像すると、なんとなくワクワクしたり、自信がつきそうだったり、新しいことを始めるきっかけになったりもしそうです。

そして、ご自身が使うことを想定しているから、機能やデザインが具体的なところも魅力(アクセサリーが収納できるお財布とか)。他にはないアイテムばかりなので、どんな風に使おうか、考えるだけでも楽しくなりそうです。

次回は、大好評「長田の本革シューズ」をご紹介。おしゃれ感と履き心地の良さで6年間愛され続ける靴シリーズに、新色がたくさんデビューします。お楽しみに!

ファッションスタイリストと作った 職人本革のクレウォレット〈ローズピンク〉

¥26,180

ファッションスタイリストと作った 職人本革のファシナンバッグ〈ターコイズグリーン〉

¥37,950

ファッションスタイリストと作った 職人本革のフィットトート〈ブラウン〉

¥29,700

ファッションスタイリストと作った 職人本革のダレストートバッグ〈ライトグレー〉

¥50,380

ファッションスタイリストと作った 職人本革のエチューデントバッグ〈ネイビー〉

¥35,200

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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