こころの深呼吸
「こうあるべき」を、脱ぎ捨てよう
2026.09.25
こんにちは、flufeel編集部のぼんぬです。
「姿勢をよくしよう」と、胸を張って、肩を後ろに引く。そのつもりが、夕方には肩も背中もガチガチ。きれいに立ちたいだけなのに、なんだかしんどい。 これ、きっと私だけじゃないはず。
今回お話を伺ったのは、フェリシモで商品企画の仕事をしながら、ヨガ・ピラティスインストラクターとしても活動する下内香苗さん。
こころとからだをやさしく整えるヒントを教えてもらいました。

下内 香苗 さん
ヨガ・ピラティスインストラクター。
「呼吸を変え、からだを変えれば、こころが変わり、生き方が変わる」という自身の変化をもとに働く女性が自分に戻れる、やさしいセルフコンディショニングを届けている。
編集部ぼんぬ:
下内さんは、ヨガとピラティス、両方のインストラクターなんですよね。 私、ヨガはほんの少し経験があるんですが、ピラティスはまったくなくて。そもそも、何が違うんですか?
下内さん:
ヨガは、呼吸やポーズを通して、からだだけでなく、こころや考え方にも向き合っていくものです。
ピラティスは、運動学習を通じてもっと「からだの機能を取り戻す」ことに注目します。 たとえば腕を上げるときも、「どこから、どう動かしている?」と細かく意識して、からだをコントロールする力を高めていくエクササイズなんです。
ちなみに「ピラティス」って、ピラティスを考えた人の名前なんですよ♪
編集部ぼんぬ:
えっ、人の名前?
下内さん:
そう。その名もジョセフ・ピラティスさん。
幼いころはからだが弱く、それを克服するためにさまざまな運動を考案したんです。
編集部ぼんぬ:
へぇー! ジョセフ・ピラティス、ジョセフ・ピラティス……本当だ、画像検索したらムキムキのおじさんが出てきました…!
編集部ぼんぬ:
そういえば私、昨晩ストレッチしてきました。
3分でやめちゃいましたけど…(小声)
下内さん:
ぼんぬさん、素晴らしすぎます。もうそれだけで100点です!
編集部ぼんぬ:
えっ、3分で100点もらえるんですか?
下内さん:
だって、自分のからだのためにちゃんと時間を使ったんですよ。それだけですごいことです。
別に特別なことをしなくても、「今日は肩に力が入ってるな」「ちょっと疲れてるな」と気づくだけでもいいんです。
そのとき、「あー調子悪い…」とネガティブにならずに、「あ、ちゃんと気づいてあげられた」とポジティブに捉えてほしいです。
編集部ぼんぬ:
仕事や考えごとでこころがパツパツな日は、からだまで縮こまっている気がします。
下内さん:
そうですよね。
気持ちに余裕がないと、首や肩、背中、おなかに力が入ったり、呼吸が浅くなったり。余計気持ちに余裕がなくなってしまいます。
そんな日は、空を見上げて大きく息を吸って、気持ちよく吐くだけで、こころもからだもやわらかくなります。夕焼けや月を見ながら何回か繰り返すと、さらにリラックスできます。
呼吸って大事なんです。
呼吸は、自分で自律神経に働きかけられる、唯一の方法なんですよ。
寝る前なら、
・あおむけで手足を伸ばして
・足の指、ひざ、おなか、手のひら、二の腕の順にギュッと力を入れ
・最後は顔も真ん中にギューッ。
・そのまま鼻から大きく息を吸って、吐く息と一緒に全身をだら〜んと脱力します。
・あとは呼吸も自然にまかせて。これを2〜3回

力を抜く感覚がわからないという人にもおすすめです。自然にからだの緊張が外れるので、呼吸がおだやかになり、こころもリラックスしますよ。
編集部ぼんぬ:
これならできそう!今日さっそくやってみます!
編集部ぼんぬ:
姿勢をよくしなきゃと、”胸を張って”さらに”肩を後ろに引く”っていうのをやるんですけど、しんどくて。
下内さん:
正しい姿勢にしようとして力みすぎちゃう人、けっこう多いんです。
ピラティスには「エロンゲーション」という考え方があります。
言葉はむずかしいですが、やることはシンプル。
頭のてっぺんと、おしりの下にある坐骨を、上下に「すっ」と遠ざける。
たるんだ一本の糸を、軽く伸ばすようなイメージです。肩はリラックス。
胸をグッと張る必要もありません。
それに、ずっといい姿勢でいる必要もないんですよ。 人間は動く生き物なので、リラックスしたいときには背中を丸めてソファやベッドでくつろぐのも自然なこと。こころとからだはつながっていて、背中を丸めると人間は安心して、リラックスできるんです。
伸びたいときは伸びるし、丸まりたいときは丸まる。いろいろな姿勢でいることの方が大切です。
編集部ぼんぬ:
ずっとピンとしてなくてもいいんだ。
ちょっとホッとしました〜。

胸を張って力むのはNG(左)。 頭頂と坐骨を上下に「すっ」。肩はリラックス。(右)
編集部ぼんぬ:
年齢を重ねると、「こんなところにお肉あったっけ?」「昔はもっとラクに動けたのに」って、がっかりすることもありますよね。
下内さん:
そうですね、以前の自分と比べてしまうのも自然なことだと思います。
でもヨガでは、からだは「自分そのもの」ではなく、自分がよりよく生きるための“道具”と考えるんです。
編集部ぼんぬ:
からだが“道具”??意外です。
下内さん:
だから、「道具に振り回されないこと」。雑に扱うのではなく、大切に手入れしながら使っていく。
私はそう考えるようになってから、自分や人のからだの大きさや形が、以前ほど気にならなくなりました。
からだが変わっても、自分が自分であることは変わりません。木が育って花が咲き、実がなるように、からだだって変化します。
変化にあらがうことばかりに力を使うより、からだの声に耳を澄ませて、そのときに必要な手入れをする。
だんだん“自分の味”が出てくるように、慈しんでいけたらいいですよね。
編集部ぼんぬ:
からだの形は変わっても、「わたし」まで変わるわけじゃない。
下内さん:
そうです。
このからだをずっとみてあげられるのは、自分しかいませんから。
編集部ぼんぬ:
なんか、“今の自分にもっと興味をもってあげよう”って思いました。
編集部ぼんぬの小声
「もっとがんばらなきゃ」ばかりで、自分の今感じている違和感は置き去り。 気づけば、呼吸まで止めて仕事していました。
「力を抜く」って、サボることじゃなくて、自分にちょうどいいを探すこと。
からだに「今日どう?」って聞くだけでも、こころとからだにとって、
ぜいたくなケアなのかもしれません。
ソファで丸まってる自分にも、「これも自然な姿勢だもんね」って言ってあげようかな。

下内 香苗 さん
フェリシモ「ミニツク」の商品プランナー/ヨガ・ピラティスインストラクター。
「呼吸を変え、からだを変えれば、心が変わり、生き方が変わる」という自身の変化をもとに働く女性が自分に戻れる、やさしいセルフコンディショニングを届けている。
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