こころの深呼吸
「こうあるべき」を、脱ぎ捨てよう
2026.03.04

年齢を重ね、”不快”に敏感になり、なんだか打たれ弱くなっている。そんな声が同世代の女性たちからもよく聞こえてくる。
インナーの素材が肌になじまず、締め付けられる感覚があったり。眠りが浅く、小さな音で真夜中に目覚め、寝付けなくなったり。
生理前は決まって家族に強く当たってしまうし、生理痛が重くて起き上がれない日もある。ままならないことが重なり、風船の空気がしゅーっと抜けるように、こころがしぼんでしまうことも。
そんな日は、誰かのSNSの投稿がまぶしくて、どうして自分にはできないんだろうと、自己嫌悪の沼にうっかりハマってしまいがち。
忙しくなってストレスをためこむと、口内炎ができたり、まぶたの上がピクピク動いたり、「限界だよ!」「休んで!」と、からだはちゃんとサインを送ってくれる。
そんなからだのサインをなかったことにすると、後々こころがしんどくなってしまうことも、経験から知っている。人によって、忙しさやストレスを許容できる器の大きさは違うのだから、できるだけ比べないように、と自分に言い聞かせる。
昨年から趣味の散歩の延長で、月に1度のペースで、山を歩いている。草花が芽吹くみずみずしい春、緑が生い茂る活力に満ちた夏、橙に染まるつややかな秋、葉を落とした侘しい冬。山は時季によって表情を変え、歩いている間にも、空の色や風向きは変わっていく。
一定じゃない自然に身を置いていると、自分でコントロールできることは案外少ないということが、からだの中にすとんと落ちてくる。
ふだんの生活の中でも、自然を感じることがある。たとえば子ども。まだ社会を知らない彼らは自分の感情を真ん中に、コロコロ表情を変えて、こころのままに動く。親としては振り回されることもあるけれど、これが自然の姿なのだと教えてくれる。
自然の一部であることは、子どもだけじゃなく、わたしたち大人だって。心が凪いでいるときもあれば、焦って落ち着かないこともある。喜びで胸がぱんぱんにふくらむこともあれば、悲しみでぺんしゃんこになることもある。
わたしたちのこころとからだは「いつも同じ(元気)」であることはないのだ。
それに、切り取られたSNSの画面上ではなく、直接人と会って話してみると、誰も彼も少なからずままならなさや矛盾を抱えていることがわかる。
弱さを素直に分かち合うだけで、自分だけじゃないんだとぽっと安心の灯りがともる。
自然も子どもも、わたしも、誰も彼も、平気そうに見えて、実は揺らぎとともにある。
どうにもならないことは「まあいっか」とたまには明るく放置したっていい。自分の弱さを受け止めることから始めてみてもいいのかもしれない。

ホルモンの揺らぎを含む大波小波がやってくることを前提に、上手じゃなくてもなんとか波に乗れる術を手にしておけたら。なんてことはないわたしが心がけているセルフケアを5つ紹介したいと思う。
1、食事、睡眠、運動を生活の土台に
朝と昼はしっかり食べて、夜は軽めに好きなものを。食べたいものを食べ、食べたくないときは食べず、食欲には素直でいる。できるだけ7時間は眠る。毎朝ラジオ体操をして、ちょうどいい気候の時間帯にスマホを置いて散歩に出かける。
2、睡眠の質を、ふんわり守る
朝は太陽の光を浴びて体内時計をととのえ、夜は湯船にゆっくり浸かってリラックス。寝室にスマホは持ち込まない。眠れないときは無理に眠ろうとせず、ぐっすり眠れなくても、体をベッドに預けて目をつむるだけでもよしとする。
3、心のモヤモヤを、外に逃がす
心がモヤモヤするときは、まとまらない気持ちをノートに書き出すか、気の置けない人に話を聴いてもらう。脳が疲れたときは料理をするなど無心で手を動かす。
4、素肌に気持ちがいいものをまとう
素肌にいちばん近い肌着や下着、靴下は一部を自然素材にするなど、体調に沿った選択肢を持っておく。
5、明日の自分に託して、ToDoを手放す
ToDoや予定は詰め込みすぎず、ゆるめにしておく。おやつを食べたり、ぼーっとしたり。適度に気を抜いて楽しむことも大事にする。今日できなかったことは明日やればいい。
毎日同じようにはできなくても、自分の不快や弱さから見つけたセルフケアは、揺らぎ続ける日々のお守りになってくれるはず。
不快に敏感になり、自分の弱さを知ることは、大小の波に乗り、健やかなほうへ舵を取るカギになる。
だから、敏感でも、弱くても、
きっと大丈夫。
あ、いいかも
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