18世紀のフランスが息づく、トワル・ド・ジュイの世界へ

2016年5月25日(水曜日)

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世界中の人々から愛されるフランスの伝統的なプリント生地トワル・ド・ジュイ。2016年6月14日から東京のBunkamura ザ・ミュージアムで「西洋更紗トワル・ド・ジュイ展」が開催されます。その準備で来日されていたトワル・ド・ジュイ博物館の館長エスクラールモンド・モンティユさんに、その魅力をおうかがいしました。

ヴェルサイユ近郊の町で生まれたプリント生地

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フランスのヴェルサイユに程近い町、ジュイ=アン=ジョザス。この地の工場で木版・銅版を用いて生産された生地は「トワル・ド・ジュイ(ジュイの布)」と呼ばれ、フランスの伝統的なプリント生地として世界的に広く知られています。18世紀、この工場の創設時からディレクターとして活躍したのが、プリント技師のクリストフ・フィリップ=オベルカンフでした。

マリー・アントワネットやナポレオンも愛した華やかさ

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人物を配した田園風景のモチーフ、花が散りばめられた楽しいデザインは、当時マリー・アントワネットやナポレオンもとりこにするほどの人気ぶりだったといいます。18世紀のフランスは装飾芸術において最高の時代。トワル・ド・ジュイはそうした時代の象徴でもあります。

当時のトレンドや、重大なニュースを描いた柄も

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トワル・ド・ジュイには、当時の装飾芸術の中で流行ったテイストを表現しているものもあれば、気球の有人飛行やアメリカの独立など歴史的に重要な事柄を題材にした生地もあります。

伝えたいのは、高度で緻密なプリント技術

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かつては、その人気により栄えた工場ですが、その後だんだんと生産がとだえてしまい、残念なことに今日のフランスでは、オベルカンフの時代のようなプリント技術で生地が作られることがなくなってしまいました。木版ブロックプリントも銅版プリントも、天然染めの染色家もいなくなりました。「だからこそ、当時のプリント技術や、職人たちの確かな腕、画家の役割などを紹介し、歴史の伝承と新たな発展を支えていく博物館が必要なのです」と、モンティユさんはおっしゃいます。
次回は、「クチュリエとのコラボで新たな魅力を再発見!」について、引き続きモンティユさんにお話をおうかがいしていきます。
「トワル・ド・ジュイ」の特集ページ、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。

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2016年6月14日から東京のBunkamura ザ・ミュージアムで「西洋更紗トワル・ド・ジュイ展」が開催されます。会期中は、クチュリエだけの復刻版オリジナルクロスをオーダーカット注文で承ります。お洋服や布小物、カーテンなどにすると素敵です。また、この布を使った限定アイテムを併設ショップでも販売。カットクロスでフランスの歴史が息づくトワル・ド・ジュイの世界をお楽しみください。