フェリシモの「グリーンドレス基金」から2023年度に基金を拠出した「特定非営利活動法人 小網代野外活動調整会議」さまより、このたび活動レポートが届きましたので、みなさまにご報告します。
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〈プロジェクトの中間報告〉
スカシユリ(Lilium maculatum Thunb)は高さ20cm~60cmのユリ科ユリ属に属する多年草の一種です。かつては小網代の森(こあじろのもり)の保全地域に自生していたと思われますが、現在は保全地域の北側の谷(ガンダ沢)に少数が自生するのみで、地域絶滅が危惧されています。
このたびグリーンドレス基金からの支援をうけて、横浜市綱島にある圃場(ほじょう)と小網代の森・大蔵沢の一角の用地を整備して株の育成と域外保全をすすめながら、大蔵沢にスカシユリを増やすための活動を続けています。
■綱島事務所圃場での活動
2023年9月に横浜市港北区にある綱島事務所圃場に3㎡の区画を創出して、小網代の森に隣接するガンダ沢由来の種子から育てた3~4年の株、計20株を移植しました。2024年8月に綱島圃場で開花しましたが、高温障害のために実鞘(みさや)はできませんでした。

2024年6月には小網代の森・大蔵沢(フェリシモの森)の下手にある海岸付近の藪を整地して、幅2m、長さ10mの圃場を整備しました。そして、小網代の圃場に綱島圃場で育てたスカシユリ15株を移植しました。
また2023年11月、綱島圃場で8月に開花した株から採取した種子約500粒をプランタにまきました。

■大蔵沢井圃場での活動
2024年6月に大蔵沢(フェリシモの森)の下手にある海岸付近の藪を整地して、幅2m、長さ10mの圃場を整備しました。そしてその圃場に綱島圃場で育てたスカシユリ15株を移植しました。


現地の小網代では広い範囲で藪が除去されたことで、保全地域から小網代湾全域が見渡せるようになり、岸辺にはスカシユリの圃場ができました。スカシユリが無事に活着(根づいて生長し続けること)し一部が開花したことで、いままでにない素晴らしい景観を楽しんでいただける状況が整いました。
〈支援者のみなさまへ〉
私たちはみなさまからのご支援で持続可能な活動を行うことができています。小網代の森に隣接するガンダ沢由来の種子から育てた株を、綱島圃場から大蔵沢の圃場に移植することができました。今年度、綱島圃場に撒いた種は3年後、小網代圃場に移植することができるように育てていきます。
■海岸線に復活!広がれ!スカシユリ
実施場所 :小網代の森・大蔵沢(育成地)、横浜市綱島圃場(種子からの育成地)
実施期間 :2023年9月~2024年8月
・小網代野外活動調整会議さまのその他の支援活動はこちら(Facebook)
■グリーンドレス基金 (※基金のご案内は終了)
緑化活動を支援している団体や植物の保全活動を行っている団体への支援として活用されます。

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