フェリシモCompany

“みんなで「うれしい未来」をつくる” 「GO! PEACE!」発。ものづくりを通して“見えないつながり”をお届けする、「MEDE19F」&「IEDIT」の取り組みにまつわる10のこと。

こんにちは、フェリシモしあわせ共創事務局のFukuです。

GO! PEACE!」は、2023年10月に創刊した “みんなで「うれしい未来」をつくる”がコンセプトのカタログです。「お買い物を通してだれもがしあわせの贈り手になれますように」との思いを込めて、30のソーシャルグッドなプロジェクトを掲載しています。

フェリシモの主なブランドが企画に参加した『GO! PEACE!』から、今回は「MEDE19F」と「IEDIT」、2つのブランドのサステナブルな取り組みについて紹介します。

その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのかを示す「トレーサビリティ」をより意識したものづくりを手がけたという「MEDE19F」、そして、製造過程での水の使用量とエネルギー消費の削減を試みた「IEDIT」。

ものを買うだけではなかなか見えない環境問題や社会課題とのつながりを、どのように企画に落とし込み、表現したのでしょうか。「IEDIT」の平尾朋子さん、「MEDE19F」の柏木花菜子さん、それぞれのブランドの企画担当のお二人に話を伺いました。

話し手:柏木花菜子さん、平尾朋子さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局

Q1、今回「GO! PEACE!」で企画されたアイテムについて教えてください。

柏木:「MEDE19F」の「イタリアのおばあちゃんが編んでる工房で編みたてたウールのニットカーディガン」は、イタリアのサン・ジョヴァンニ・デル・コンテ村という、編み物が家内産業として根付いている村で編んでいます。第二次世界大戦が終結した頃、昼間は農業などの仕事に励みつつ、夜はそれぞれの家で編み物をして家計を支えたのがはじまりだそうです。一点、一点が村の女性たちの手編みなので、あえて手仕事感が見えるようにデザインに落とし込んでいます。

「イタリアのおばあちゃんが編んでる工房で編みたてたウールのニットカーディガン」は編む手が限られるため、数量限定でお届けします。(グレージュは完売しました。)

“顔のみえるカシミヤ”がコンセプトの「極上の肌心地に包まれるシルクカシミヤニットスキントップス」は、日本のホリゾン社さまとつくっています。羊毛のトレーサビリティが確かな信頼のある企業です。その取り組みは徹底されていて、内モンゴル自治区のカシミヤヤギ畜産業の方と連携し、品質の高い山羊を健康的に育てるところから手掛け、面積あたりの山羊の頭数の最適化や、飼料となる草原の回復機能の持続・向上などの研究をされています。さらに工場で紡績、編み立て、加工までの工程を自社でまかなうなど、顔の見える一貫生産を追求されています。

平尾:「IEDIT」の「美しい黒がつづく黒原着素材で作った 大人女性のための純黒ワンピース」は、環境に影響のある染色工程をなくして作ったワンピースです。糸自体も色褪せしにくく長く使えます。ケアフリーで洗濯機で洗えて、撥水加工もしているので普段使いにもフォーマルにも、どんなシチュエーションでも活躍する一枚です。

「美しい黒がつづく黒原着素材で作った 大人女性のための純黒ワンピース」はベルトの着け外しで変化をつけて楽しむこともできます。

Q2、この3つのアイテムをつくることになったきっかけを教えてください。

柏木:「GO! PEACE!」のカタログに掲載するにあたって、せっかくの機会なので普段の「MEDE19F」ではできないような企画をやりたいと思いました。「愛でるように。ヴィンテージのマインドを受け継ぐ、今の服。」というブランドコンセプトに則って、自分になじんでいくとか長く着られるというところはベースに置きつつ、洋服の作り手とのつながりを感じながら着ていただけるものづくりに挑戦したんです。

平尾:「IEDIT」の商品には、社会課題に問題意識を持っていても、日々の生活に追われて後回しにせざるをえない状況を変えたいというコンセプトがあります。何から社会課題に関わっていいのか迷っている人、協力のしかたがわからない人に対して、かわいいと思って無意識に手に取ったアイテムを購入することで、社会課題への取り組みに参加できるように基金の仕組みを付加しているんです。

平尾朋子さん
柏木花菜子さん

Q3、今回特に意識されたという、商品の「作り手」や「作るプロセス」について教えてください。

柏木:「イタリアのおばあちゃんが編んでる工房で編みたてたウールのニットカーディガン」を編んでいただいているのは、主に村の60代から70代の女性たちで、1点を編むのに時間がかかりますし、大量生産はできないものです。その代わり本当に一生物として長く愛用していただけるニットです。村の編み子の技術は第二次世界大戦が終結した頃に、ある編み子さんが先生になって村の人たちに教えたそうです。それが受け継がれて現在まで続いているのですが、多いときには100人超いたという編み子も、今では50人ほどに減少しています。家内産業として手編みの伝統が残っている地域は、今では世界でもまれなのだそうです。編み子の女性たちのことを想いながら着ていただけたら愛着も増しますよね。

「GO! PEACE!」カタログやWebサイトでは、商品にまつわるストーリーもご紹介しています。

平尾:「美しい黒がつづく黒原着素材で作った 大人女性のための純黒ワンピース」は、白糸を染めるときに大量の水や汚水の排出、熱エネルギーの消費が伴うことに課題意識を持って取り組んだアイテムです。黒原着糸は、原料のペレットを溶かすときに顔料や染料も加えて着色するので白糸の染色工程がなく、環境に配慮したものづくりが実現しました。

柏木:「極上の肌心地に包まれるシルクカシミヤニットスキントップス」は、流通の透明性の高い本物のカシミヤを使った商品をつくろう、というのがはじまりでした。以前から世界中でカシミヤの偽装問題が頻発しています。せっかく素晴らしい素材なのに、そういう社会問題が気になって、何だか不安でカシミヤを着づらいという声もあり、だったら、気持ちよく着られるものを作れないかとたどり着いたのが、今回企画したトップスです。

Q4、旭山動物園さまとの取り組みから生まれた商品もありますよね?

平尾:「IEDIT」では、「ユキヒョウの毛並みをイメージしたシャギーニットカーディガン」を企画しました。動物を感じながらも、シンプルで落ち着いたテイストにしたくて、グレーのユキヒョウ柄を選びました。商品の販売価格の一部が、「旭山動物園とボルネオの森恩返し基金」として活用されます。

柏木:「MEDE19F」では、動物をプリントした基金付きのアイテム「リアルアニマルプリントスウェット」を2種つくりました。旭山動物園にいるクマとオオカミの画像をベースにペイントをほどこし、背景のイラストと組み合わせて、古着っぽい要素も加えてブランドらしさをだしました。動物のかわいらしさよりも、野性味を表現したくてリアルなプリントに仕上げています。

オーガニックコットンのスウェットトップスに、クマとオオカミのイラストをプリントしました。

Q5、商品づくりで苦労したことはありますか?

平尾:「美しい黒がつづく黒原着素材で作った 大人女性のための純黒ワンピース」を作ったのがコロナ禍の真っ只中で。環境に配慮したものづくりの透明性を確認するために、メーカー担当者が中国の工場まで足を運びました。黒原着糸のトレーサビリティの確認にはかなり苦労していましたね。

柏木:強いて言うのなら、「リアルアニマルプリントスウェット」の商品づくりでは、イラストでリアル感を表現するため画像をベースにしながら繊細なタッチで毛並みなどを重ねて描き足してもらうなど、細かい点までこだわったところです。デザイナーさんに何度も修正を重ねていただき完成しました。

平尾:「ユキヒョウの毛並みをイメージしたシャギーニットカーディガン」のときは、最初に紙にプリントで出力したグレーの色具合の評価を板東園長にお聞きしました。すると、ユキヒョウは地の色がグレーではなくてベージュが混じったグレーだというご指摘をいただいて。それでグレーとベージュが混ざった糸を使っています。

Q6、「IEDIT」からは「Her smile基金」とコラボした商品も次々とリリースしていますね。

平尾:「Her smile基金」の仕組みは、1商品につき100円を基金として、フェリシモが大切にお預かりし、世界各地の女性支援に役立てさせていただいています。現在は「AMDAピースクリニック」という、インドの貧困地域での妊娠、出産、育児を支援する団体に拠出しています。これまでは直接インドに関係する商品のみに絞っていたのですが、支援の輪を広げるために商品展開を増やし、女性の暮らしや働き方を応援する商品の購入でも「Her smile基金」に参加できるようになりました。

Q7、「MEDE19F」には「UNICOLART基金」とコラボしたニットもありますよね?

柏木:はい。「MEDE19F×UNICOLART ランドスケープ柄のジャカード編みニットトップス」は、障がい者アートの支援団体に拠出する基金付きのニットです。障がいのある方が描かれた作品を原画にして、多色使いの糸で編んでいます。作品の味わいを生かしつつ、デザイナーが調整してアレンジすることで複雑な原画をとっても素敵なニットとして表現しています。

「MEDE19F×UNICOLART ランドスケープ柄のジャカード編みニットトップス」

Q8、商品を通じて社会とお客さまの接点をつくることの難しさは、どのような点にありますか?

平尾:普段の生活のなかでの購買が誰かの支援につながればいいなと思って商品企画を心がけています。それこそ、スーパーで牛乳を買うくらいの手軽さで、意識せずとも、その行為が支援につながっている仕組みをつくりたいですね。これは私だけじゃなく、フェリシモの全員が同じように考えていると思います。

柏木:今回の「GO! PEACE!」関連の「MEDE19F」のアイテムは、価格帯が通常よりはかなり高めになっており、実際の商品価値に対する値付けとより多くの方が手に取りやすい価格とのバランスの取り方がむずかしいと改めて感じました。でもこういう機会を通じて生産背景について知ってもらったり、実際の商品に触れて良さを感じてもらえればサステナブルな選択をする人も増えると思うので、これからもチャレンジを続けていけたらと思います。

Q9、今後の展望についてお聞かせください。

平尾:「IEDIT」の商品では、リサイクルポリエステルを使うなど、少しずつサステナブルな取り組みから生まれた素材が活用されている商品を増やしていきたいと思っています。それと同時に、お客さまの小さな日常の問題解決にも手が届くようなアイテムやプロジェクトを手がけていきたいと思います。

柏木:私も同じです。自分の購買で少しでも環境や社会のプラスになる選択をしたい人が増えているのではないかと思うし、私たちもそうありたいと思います。ファッションの楽しさ、いいところ、おもしろさ、高揚感みたいなものとうまく掛け合わせることで、より多くの人に手に取ってもらえる服づくりを目指したいなと思います。

Q10、春から新しい挑戦も予定されていると聞きましたが?

平尾:じつは次の春から、スペアボタンを付けない商品の企画があります。アンケートを取ったら、いわゆるワイシャツに付属しているような汎用性のあるボタンの場合は、もしもの時のために取っているけれどこれまでに一度も縫い付けたことがない、という人も多かったんですよ。それだったら、資源を大事にするためにも付けるのをやめようと。「ちりも積もれば……」じゃないですが、取り組みを続けていくことで、いつか「廃棄ボタンを、東京ドーム一杯分削減できました」と言いたいですね。

IEDIT

オンもオフも、きれいめもカジュアルも。忙しい女性をちょっとハッピーにする快適なお洋服たち。

https://www.felissimo.co.jp/iedit

MEDE19F

愛でるように。ヴィンテージのマインドを受け継ぐ、今の服。

https://www.felissimo.co.jp/mede19f

GO! PEACE!

“みんなで「うれしい未来」をつくる”がコンセプト。「お買い物を通してだれもがしあわせの贈り手になれますように」との思いを込めて、30のソーシャルグッドなプロジェクトを掲載しています。

https://www.felissimo.co.jp/gopeace/

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