フェリシモCompany60th

海を知って、好きになることからはじめよう!「GO! PEACE!」が提案する、未来の海を守るお買い物にまつわる10のこと。

海を知って、好きになることからはじめよう!「GO! PEACE!」が提案する、未来の海を守るお買い物にまつわる10のこと。

こんにちは、フェリシモしあわせ共創事務局です。

みんなで「うれしい未来」をつくるプロジェクト「GO! PEACE!」Vol.5では、「生活の中でできることをやっていこうよ!」をテーマに、お買い物を通じた社会にやさしいアクションを提案しています。

子どもの未来や絶滅危惧種の動物など、さまざまなテーマを取り上げていますが、今回は「海の日」にあわせて、海の環境問題にまつわるインタビューをお届けします。

ヨーロッパ最大数のクラゲの展示を誇る「パリ水族館」と協業したクラゲモチーフの商品や、海のゴミをアップサイクルした商品は、販売価格の一部が美しい海と海洋生物を守る取り組み「海基金」に寄付されます。

さらに、2025年6月には「子どもたちと学ぶ、海の未来ーさかなのおにいさんかわちゃんと海洋ゴミ問題を考えるイベント」を開催しました。海の環境問題をより多くの方に知っていただきたいというイベントに込めた想いとともに、当日の様子もお届けします。

自分のお買い物が誰かのためになる。そんなやさしい選択があふれる社会になってほしい。「GO! PEACE!」らしい視点で考えた、「海のきれいにつながるアクション」について、板谷智史さん、豊川紗代さんに話をお聞きしました。

話し手:板谷智史さん、豊川紗代さん 
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局

Q1、「GO!PEACE!」Vol.5の全体テーマについて教えてください。

豊川:今号のテーマは、「生活のなかでできること。やっていこうよ」。地球環境が刻々と変化したり、複雑な国際情勢を生きるなかで、「いま、自分たちができることって何だろう?」ということを今一度振り返って、着実に実践できることをコツコツとやっていこうというメッセージをお届けしたいと編集会議で決まりました。海洋環境問題も、そのなかの一つです。私たちの普段の生活のなかでは、海を意識することってあまりないと思うんです。海は壮大ですし、変化がとてもわかりづらい。まずは正しく海のことを知って、日常的に意識すること、そして、好きになることから始めてみようという思いで海洋問題の特集に取り組みました。

左から、板谷さんと豊川さん。実はお二人は同期入社なのだそう。
左から、板谷さんと豊川さん。実はお二人は同期入社なのだそう。

Q2、関連商品がいろいろと販売されていますね。「パリ水族館」との協業では、すてきなクラゲの商品が展開されています!その背景について教えてください。

豊川:フェリシモでは、以前からクラゲをモチーフにした傘がとても人気で、実はパリ水族館(*1)でも販売していただいております。そうしたつながりがあったこと、そして、パリ水族館も地球温暖化への関心が高く、フェリシモが2010年から取り組んでいる「海基金」に共感してくださったことから、今回の協業につながりました。パリ水族館では、およそ70種類のクラゲが展示されていて、その数はヨーロッパ最大と言われています。なぜ、クラゲに注目したかと言うと、実は海洋問題とクラゲには深いつながりがあるんです。クラゲが大量発生する原因の一つがプラスティックゴミだと言われています。生活のなかでクラゲを感じていただくことが、海洋環境の問題について考えるきっかけになるのではないかという思いからクラゲの商品をいろいろと企画しました。

パリ水族館との協業の背景について語る豊川さん。

(*1) パリ水族館は、フランスのトロカデロ庭園内にある歴史ある水族館。約600 種、13,500匹以上の海洋生物が展示され、特に「メデュザリウム©」では、70 種以上のクラゲを繁殖・展示。クラゲの生態や気候変動との関係を学べます。

Q3、ブログでも、生活排水や工業排水によりクラゲのエサとなるプランクトンが大量に増殖することも、クラゲの大量発生の要因の一つとされていると掲載されていますね。このような背景もあり、コラボレーション商品が生まれたのですね。どんな商品があるのでしょうか?

豊川:どの商品もとてもすてきなんです! 「MEDE19F」からは、“クラゲをまとう”をテーマにした「MEDE19F たゆたうくらげのドッキングトップス」がとてもかわいく仕上がっています。クラゲを“水中のバレリーナ”と称するパリ美術館からインスパイアされたシリーズ「YOU+MORE! 足もとにふわりと舞う水中のバレリーナ クラゲのシースルーソックスの会」では、4つのクラゲをモデルに、素材を使い分けたり、編み方を工夫しながらクラゲの生態を再現しています。このソックスは、パリ水族館の方からも特に好評で、「とてもおしゃれなので、ぜひフランスのサイズでも展開してほしい!」とのリクエストをいただいたほどでした。

クラゲの個性を表現すべくこだわった「YOU+MORE! 足もとにふわりと舞う水中のバレリーナ クラゲのシースルーソックスの会」(左)と、水中を漂っているような浮遊感のある素材を使った「MEDE19F たゆたうくらげのドッキングトップス」。
クラゲの個性を表現すべくこだわった「YOU+MORE! 足もとにふわりと舞う水中のバレリーナ クラゲのシースルーソックスの会」(左)と、水中を漂っているような浮遊感のある素材を使った「MEDE19F たゆたうくらげのドッキングトップス」。

豊川:パリっぽいと言えば、「YOU+MORE! -Aquarium de Paris- パリ水族館へいざなう クラゲのマルチクロスの会」です! パリ水族館は、パリを象徴するエッフェル塔の足もとにあることから、周辺のまちのイメージやクラゲを博物画風に表現しています。ほどよい光沢感があるので、スカーフとしておしゃれにも、インテリアにも活用いただける商品です。

YOU+MORE! -Aquarium de Paris- パリ水族館へいざなう クラゲのマルチクロスの会

Q4、今回、クラゲをモチーフにした商品を作るにあたって、特にどんなことにこだわりましたか?

豊川:クラゲって、すごく多様性のある生き物なんです。例えば「コティロリーザ・ツベルクラータ」というクラゲをご存じですか? 目玉焼きのような見た目をしたクラゲで、とても愛らしいんです。クラゲというと、色味が少なく構造も単純なイメージがあったのですが、決してそうではなくて。そうした生物としての多様性や、ゆらゆら揺れている不思議さを商品で表現することにはこだわりました。それともう一点、海洋問題について思いをはせていただきたいというミッションを果たすために、生活のなかでクラゲを感じていただけるような商品づくりを心がけました。例えば、「YOU+MORE! きらめくクラゲが優雅に泳ぐ イヤカフにもなるリングの会」などの小ぶりのアクセサリーや、6種類のクラゲの刺しゅうを施した「YOU+MORE! きらめく刺しゅうに見惚れる クラゲ標本ハンドタオルの会」などは、日常的に取り入れやすいアイテムになっています。

パッケージは標本をイメージして。メジャーなクラゲからマニアックなクラゲまで、アップリケのついたジェンダーレスな商品です。
パッケージは標本をイメージして。メジャーなクラゲからマニアックなクラゲまで、アップリケのついたジェンダーレスな商品です。ところでみなさん、左の写真から「コティロリーザ・ツベルクラータ」はどの子かわかりましたか?

Q5、クラゲの商品のほかにも、海を感じる商品がたくさんありますね!

豊川:今回、新しく販売した商品のひとつが「海とかもめ部 海の世界が広がる 着るバスタオルの会」です。いまやフェリシモの定番ともいえる“着るバスタオル”に、水中写真家・鍵井靖章さんの写真を大胆にデザインしたもので、海に包まれているような気分を体感していただけると思います。

海とかもめ部 海の世界が広がる 着るバスタオルの会

それから、以前からそのものづくりのストーリーに深く共感していて、編集部から企画担当にリクエストした商品であり、念願かなって実現したアップサイクルの商品が、「海洋プラスティックごみから生まれた小物トレイ&おさかなチャームの会」です。この商品を作っておられるのは、「buøy(ブイ)」さんです。プラスティックメーカーさんの有志の方々が集まってできたブランドで、日本各地に流れ着くプラスティックゴミを活用してさまざまな雑貨を作っていらっしゃいます。ゴミを集めて、色分けをして、それらを固めて作られているので、偶然集まったゴミだからこそ、カラフルで素敵な模様が生まれているんです。「buøy」さんの「自分たちができることをやろう!」という姿勢に惹かれて、ぜひ今回の「GO! PEACE!」でご紹介したかったんです。海の問題を身近に感じていただけるのではないかと思います。

日本に流れ着くプラスティックゴミの数は、長崎県対馬市だけでも年間3000t以上もあるのだそう。右は「buøy」さんが海岸に流れ着いたゴミを色分けした様子。 
日本に流れ着くプラスティックゴミの数は、長崎県対馬市だけでも年間3000t以上もあるのだそう。右は「buøy」さんが海岸に流れ着いたゴミを色分けした様子。 

Q6、ここからは、板谷さんに、「子どもたちと学ぶ、海の未来——「さかなのおにいさん かわちゃん」と海洋ゴミ問題を考えるイベント」についてお聞きします。どのような問題意識から行われたイベントだったのでしょうか?

板谷:僕はもともと、気候変動に関心があって、地球環境と人間の健康についての検定も取ったりしていました。また、以前に東京で行われていた海洋問題をテーマにした展示を観たときに、日本沿岸のマイクロプラスティック汚染を目の当たりにし、海洋問題について何かできることはないだろうかとずっと考えていたんです。ちょうどそのころ、「GO! PEACE!」で海洋問題を取り上げることが決まり、編集に携わりたいと手をあげました。

「子どもたちと学ぶ、海の未来——「さかなのおにいさん かわちゃん」と海洋ゴミ問題について話す板谷さん。

板谷:個人的に勉強をしていくなかで、気候変動や環境問題とビジネスとを成立させることって、とてもむずかしいことだと感じていて。ソーシャルインパクトを出そうと思うと、やはり事業性がないと課題意識も広がっていかない。しかし、フェリシモでは、年間で90万人ものお客さまがお買い物をしてくださっています。お客さまに情報発信をすることで、地球が抱えている問題について知っていただくことができます。さらに、今、フェリシモとつながりのないお客さまにももっと広く問題意識をお届けしたいという思いから、今回のイベントを企画するに至りました。

Q7、どのような内容のイベントだったのでしょうか? 

板谷:まずは環境問題に興味を持っていただき、自分の身近なこととしてとらえていくために、具体的なネクストアクションを提示したいと考えました。そして、地球を守るためには、これからの社会を生きる子どもたちの環境リテラシーを向上させることがとても大事だと考えています。ですから、今回のイベントでは、次世代の海洋リテラシー向上を目的に掲げ、事実を正確かつおもしろく、興味を持っていただける方法でお伝えしたいと思ったんです。そこで、ゲストにお迎えしたのが、以前からフェリシモと交流のあった、“さかなのおにいさん”こと、かわちゃんでした。海っておもしろい!ということを参加者に体感していただくために、遊ぶように学べるイベントにしようと、第一部ではかわちゃんによる「おさかなクイズ教室」を、第二部では「神戸のまちをきれいにしよう!」ゴミ拾い体験、という二部構成で行いました。

かわちゃんによる「おさかなクイズ教室」
「子どもが海を好きになれば、海はもっと豊かになる。」そんな想いを胸に、イベント・テレビなどでも活動をされている、かわちゃんこと川田一輝さんに、「GO! PEACE!」カタログ内でも4コマを使って解説していただきました。インタビューはこちら。

Q8、開催してみて、当日の様子はいかがでしたか?

板谷:およそ100名以上の方にご参加いただきました。第一部では、「飛び魚って何メートル飛ぶ?」「イルカの頭についている果物は?」などなど、大人も気になるおもしろい「おさかなクイズ」で会場は大盛り上がりでした。ちなみに、飛び魚って何メートル飛ぶかご存じですか? 400mも飛ぶんですって。僕も知らなかったんですけど、すごいですよね。そうやって子どもたちの心をつかみつつ、とにかく海を好きになってもらうと同時に、クイズを解くことで自然と学びが深まっていきました。魚たちの暮らしが人間の活動によって脅かされているという事実を知ってもらうことができたのではないかと思います。

「おさかなクイズ」で会場は大盛り上がる様子

第二部では、会場となったフェリシモ本社(神戸市)近くの海沿いを歩いてゴミ拾いを行いました。比較的きれいなエリアではあるのですが、ビニール袋、缶、ペットボトルなど、多くのゴミが落ちていました。プラスティックのゴミを拾いながら、一部で学んだマイクロプラスティックのことを身をもって学ぶことができる。波打ち際の大きなゴミを目の当たりにすることで、海を超えて流れ着いてきたゴミが溜まっていくさまを実体験として知る。拾い終わった後には、どこにどんなゴミが落ちていたのかなど見聞きしたことや感じたことを共有しました。子どもたちも終始楽しそうでしたし、小さな学びと体験を積み重ねることができた一日だったと思います。

フェリシモ本社(神戸市)近くの海沿いを歩いてゴミ拾いをする子供たち

Q9、板谷さんが考える、私たちが普段から環境に対してできることとは?

板谷:環境の問題は、生活に密接に結びついています。今回のイベントを行った意図とも通じるのですが、生活のなかで課題を知り、問題意識を深めていくことはできると思うんです。例えば、フードマイレージ(*2)。食材のお買い物をしながら子どもに伝えることができます。「海外のものを選ぶよりも、より近くでとれたものを選ぶと輸送コストを下げられるし、輸送にかかる二酸化炭素の排出をおさえることができるよ」などという風に。小さいころからリテラシーを高めてもらいたいので、自分が選んだことがまわりまわって環境に影響しているという事実を日常的に伝えられるといいですよね。

*2:食糧を輸送する際の環境負荷を数字で表したもの。

「GO! PEACE!」最新号には、こども、環境、動物たち、私たちの未来のためにできるアクションのヒントが詰まっています。
「GO! PEACE!」最新号には、こども、環境、動物たち、私たちの未来のためにできるアクションのヒントが詰まっています。

Q10、今回特集を組んだり、イベントを行ったりしたなかで感じたことや、海の日に寄せる思いをお聞かせください。

豊川:かわちゃんが、「海を守るために、まず、海の生き物を好きになってほしい」とおっしゃっていたことが心に残っています。漠然と「海をきれいする!」と言っても、なかなか行動に移せないけれど、かわちゃんの漫画で楽しく学べると興味をそそられますよね。そうやって、まずは海の生き物に興味を持つことが、海をきれいにしようという気持ちへとつながっていく。だから、海を楽しむということが大事なんだなと、このプロジェクトを通して感じました。実は私は大きな水槽を見ながら水の流れを感じるのが好きで。海辺を歩いたり、貝殻を拾ったり。お客さまにもぜひ海を楽しんでいただきたいと思います。

今回特集を組んだり、イベントを行ったりしたなかで感じたことや、海の日に寄せる思いを話す板谷さんと豊川さん

板谷:日々の小さな心がけが大事だと思うんです。例えば、僕たちは、ビニールやプラスティックの恩恵をすごく受けていますし、これらの使用をゼロにするというのは不可能だと思っています。けれど、一つのものを長く使うとか繰り返し使うことで、ゴミを減らすことはできます。そうやって、みんなが、生活のなかでできることを無理なく続けていくことが地球を守る第一歩だと思うんです。「買い物は投票である」と言われるように、僕たち一人ひとりの購買行動もまた、環境とつながっています。だからこそ、「どの企業のどんなものを選ぶのか」を意識することも大切です。今回はまず、そのことを知っていただくきっかけを作ることができましたが、これからは事業性をどのように高めていくのかを模索し続けていきたいと思います。

「GO! PEACE!」で、みんなの“生活の中でできること”をみつけてもらえたらうれしいです!
「GO! PEACE!」で、みんなの“生活の中でできること”をみつけてもらえたらうれしいです!

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