
こんにちは、フェリシモしあわせ共創事務局のFukuです。
今回ご紹介するのは、2025年4月にデビューしたアパレルブランド「mensha![メンシャ!]」(以下、「メンシャ!」)です。
「メンシャ!」は、肌ごこちのいいガーゼ素材を使い、カラフルかつモードな洋服とファッション小物を展開するブランドです。心地いいけれど、かっこよく凛とした女性像を意識したエイジレスなアイテムで、元来のガーゼ素材へのナチュラルなイメージを覆します。
誰もが、年齢や立場に縛られずに、自分らしくファッションを楽しんでほしい。たった一度の人生を謳歌してほしい。そんなメッセージを発信するために掲げた裏テーマは「ハイパーモードおばあちゃん」。
カラフルなアイテムの数々やモデルさんの表情を見ているだけでも、なんだかかっこよくて、おしゃれ気分に拍車がかかります。
「メンシャ!」の企画を手がけた池田基子さんと籔内小夏さんにお話を聞きました。
話し手:池田基子さん、籔内小夏さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局
Q1、お二人のお仕事について教えてください。
池田:「メンシャ!」の商品企画を私たち2人で担当しています。ブランドの立ち上げから、コンセプト立案、着てくださるお客さまのお顔を想像しながら商品を企画し、サンプルをつくって、商品化を実現するというのが一連のお仕事です。

Q2、どのような経緯で「メンシャ!」は誕生したのでしょうか?
池田:外出時に着られるガーゼ素材のアイテムが欲しい! というのが出発点です。フェリシモでは、以前からファッション、雑貨ともにガーゼ素材を使った商品はすごく人気があります。コロナ禍に入った2020年ごろからは、おうち時間が長くなったことで、自宅で心地よい時間を過ごすための商品ニーズがどんどん高まり、さらにガーゼが人気に。やがてコロナ禍が落ち着き、みんなが外に出始めると、今度は外出時におしゃれをするための洋服に人気が集中していく……という時代の流れがありました。そこで、「ガーゼの心地よさと外出時のおしゃれを兼ね備えたファッションブランドをつくってみるのはどうだろう」との発想から、ブランドの方向性を模索し始めました。

Q3、日本初(※1)のガーゼ素材を使ったアパレル専門ブランドということですが、「メンシャ!」のブランドコンセプトについて教えてください。
籔内:実は……私たちは2人とも、これまでガーゼ素材の洋服をあまり着たことがなかったんです。というもの、ガーゼ素材の商品って、ふんわりとしたイメージがあったり、淡い色だったり、ナチュラルな雰囲気のものが多く、日常的に派手なものを選びがちな私たちの琴線にふれる商品があまりなかったんですよね。
池田:そうそう。ネットで「ガーゼ ワンピース」と検索すれば、いくらでも商品は出てくるのですが、なかなか好みのものに出会えなくて。そういうガーゼ市場のなかで、わざわざ「フェリシモで買いたい!」と思っていただくにはどのようなアイテムがあればいいのだろうかと、すごく考えました。

籔内:赤ちゃんやお肌の弱い方だけではなく、もっと幅広くみんなが楽しめて、私たちも着たいと思えるものにしたいとあれこれ考えた末に出てきたのが、「ハイパーモードおばあちゃん」というキーワードでした。海外旅行なんかに行ったときに、まちかどに座っておしゃべりしている仲良し3人組のいけてるおばあちゃんたちがイメージです。
池田:肌ざわりのいいものだから、年齢を問わず幅広い世代によろこんで着ていただけるのではないかと思ったんです。それでいて、ときめく気持ちも忘れたくない。身に着けるだけで背筋が伸びたり、きちんとメイクしたくなったり。オシャレに限らず人生を謳歌したい、という気持ちを大切にしました。ガーゼという素材のやさしさや心地よさに、モードや色めきという対極にあるものを掛け合わせてできたブランドです。
※自社調べ。調査年月:2025年3月。調査対象:日本国内で販売されているガーゼアパレルアイテム。
Q4、素敵なコンセプトですね! そこからどのように商品企画が進んでいったのでしょうか?

籔内:コンセプトが決まってしまえば、こんなのがあったらいいな!という商品アイデアが次から次へと出てきて、今回リリースしたアイテムはほぼ同時に商品企画が決まっていきました。
池田:繊細な素材なので、商品としての強度を保つためには試行錯誤が必要でしたが、これまでにないガーゼ素材のファッションアイテムを世に送り出すことを目指し、他にはないアイデアを優先的に採用していきました。例えば、ナチュラルとは逆にシャープな空気感を出すためにVネックにしてみたり、デニムっぽい商品を企画してみたりして工夫を重ねています。
籔内:鮮やかなカラーバリエーションについても、すでにあるものを使うだけではなく、「メンシャ!」の商品のために染色していただいたものもあります。また、生地が弱い部分は、破れにくくないように縫製を工夫するとか、デザインにゆとりを持たせたり丈を短くして生地に負荷がかかりにくくするなど、どうすれば補強できるのかお取引先さまと相談しながら決めていきました。私たちもガーゼ素材の特性について日々学びながら企画をしています。
Q5、モードなアイテムになるようにどんなことを心がけましたか?
池田:ガーゼは織が甘く、薄くてデリケートなので、前述の通り、洋服を作るにあたってとても課題が多いんです。どうしても破れやすいので、フィットした洋服は作れない。だからと言ってふわっとしたデザインにするとナチュラルな雰囲気になったり、かえって太って見えてしまったり……。ですから、モードな気分を出すために、袖の形やスカートの膨らみなど、一つひとつのパーツを少しずつ意識して、小さなこだわりをいくつも積み重ねてモードなシルエットに仕上げていきました。例えば、今日私が着ている「mensha!ガーゼでドレスアップ!コクーンシルエットワンピース」は、ふんわりはしているけれどウエスト部分を高めの位置で切り替えることでモードな雰囲気を演出。ギャザーでクシュっとすると甘くなりすぎるので、パターンで丸みを出したところがポイントです。

籔内:ちなみに、ガーゼのふわっとした感じを払拭したくて、モデルさんも芯が強くモードに着こなしていただけるイメージの女性にお願いしました。シニアのモデルさんはまさに「メンシャ!」のイメージにぴったりで、人生を謳歌している空気感が出ているのではないかと思います。

Q6、どの商品もすてきでワクワクしますね! 洋服もさることながら、すごく気になっていたのが「mensha!洗える!楊柳ガーゼカスタムメロウストラップの会」。こちらはどのように企画されたのでしょうか?
籔内:今や、ほとんどの人がスマホのストラップを持ち歩く時代になりました。けれど、スマホは重くなっているし、肩に負担がかかっているのではないかと密かに気になっていたんです。そこで、幅が広くてからだへの負担が少なく、かつ肌ごこちのいいストラップがあったらお客さまによろんでいただけるのでははないかという発想から誕生した商品です。
池田:中にコードが通っていて長さの調整ができるのですが、上から生地をくっつけてトンネル状にして、さらにトンネルの中も補強して紐を通しています。当初は生地に直接穴を開けて紐を通すと破れてしまって。いろいろと実験してみた結果、このデザインに落ち着きました。

籔内:夏の荷物を手軽にしたいという一心で、ペットボトルをぶら下げる仕様に。さらに、ストラップとあわせてカスタムして使えるアイテムも2種類つくりました。「mensha!キルティングガーゼフラッフィーカスタムサコッシュの会」は、サングラスやスマホを入れるのにちょうどいいデザインです。薄くて色落ちもしやすい素材のガーゼにとっては、負荷がかかるものはタブーなのですが、洗えてかつ強度も欲しいという私たちのリクエストにお取引先さまが根気強く付き合ってくださり完成した賜物です。実はアクセサリー以外の小物もすべて洗えるようにがんばりました!

Q7、「mensha!まるでデニム!?軽くてやわらかいデニガーゼパンツの会」は素材のやわらかさと見た目のデニム感のギャップが新しい! このユニークなアイデアは、どのようにして生まれたのでしょうか?
池田:デニムって、夏は暑くて重く、洗っても乾きづらくて、好きなんだけれど機能的にはいまいち。でも、ガーゼ素材と掛けあわせれば、そんなネガティブな要素を刷新して、楽ちんなパンツがつくれるのではないかと考えたんです。結果的に、パジャマにしてもいいくらいとっても軽やかな「mensha!まるでデニム!?軽くてやわらかいデニガーゼパンツの会」が完成しました。

籔内:このパンツにはコットン100%のダブルガーゼを使用しています。そして、遠目からだとデニムにみえるこのデザイン、デニム生地のスキャンデータを使ってデザインをしているのですが、なんと偶然の産物でもあるんですよね。
池田:もう少し細い綾目(デニム生地の織り目)をプリントする予定だったのですが、なぜか太い綾目模様のサンプルが上がってきてしまって。でも結果的に、デニム感をあえて強調したことで、思った以上にリアルで洗練された仕上がりに。最初は1色展開の予定が、気づけば3色にまで広がりました。

Q8、籔内さんが着用している「mensha! シングル楊柳ガーゼ 色めきカフタンチュニックの会」はすごくカラフルで涼しげ。こちらはどのような種類のガーゼでつくられているのでしょうか?

籔内:シングルの楊柳ガーゼを使っています。薄くて軽く、UVカットとまではいきませんがジリジリとした日差しをおさえるにはちょうどいい感じです。昨今は夏の日差しがすごく強くて暑いので、着ている方が涼しいのでは? という発想から誕生した商品です。
池田:シングルガーゼなので風が通るし、涼やかな触り心地です。生地の特徴にあわせて、いろいろな方法で強くしてもらっていますが、「mensha! シングル楊柳ガーゼ 色めきカフタンチュニックの会」では、強度を出すために通称“割コバ”と呼ばれる、布の端ギリギリのラインをステッチする方法を採用しています。
籔内:気分が上がるカラーリングといえば、「mensha! 接結カットソーガーゼ小さくまとまる色めきシャーリングスカートの会」も。こちらは赤ちゃんの肌着に使われることの多いカットソーガーゼをつかっているんです。 二枚の生地を重ねて糸で留め、一枚の生地に仕上げているので、生地の間に空気が含まれるため、ふっくらとして肌ざわりが良いのが特徴です。

Q9、「メンシャ!」のアイテムが一通り揃えば、ファッションがもっとワクワクしたものになりそうです。今回、メンシャを企画するにあたって、どのような思いがありましたか?
池田:根底にあるのは、いくつになっても「おしゃれを楽しみたい!」というお客さまの気持ちに寄り添い、いつまでも、ともに素敵な女性でいたいという願いです。歳を重ねるととともに、服で補ってもらうという側面もありますよね。例えば、色で華やかさを補うことで顔色がよく見えたり、小物で艶っぽさを取り入れることでいきいきと見えたり。「メンシャ!」では、そうした、ファッションだからこそできる気分の高揚感を、ガーゼ生地ならではの心地よさとともにもお届けしたいと思っています。

籔内:おしゃれをあきらめてほしくないという思いがあります。まわりにあわせて社会に溶け込まなきゃとか、派手さを控えて浮かないようにしなきゃとか、そういう気持ちは横に置いておいて、もっと純粋におしゃれを楽しめる世界観を表現したかったんです。カラフルな色を多用している背景にはそうした想いがあります。
池田:そして、ファッションの域を超えて、人それぞれの考え方も、もっと自由でいいよねというメッセージを送りたくて。母だから、いい歳だから、女性だから……そういう、条件や環境に縛られるのではなくて、自分ならではの価値観を大事にできて、お互いに「それもありだよね!」と認め合える世の中になればいいなと思っています。そのきっかけとして、それぞれの着こなしを楽しめばいいんだよというメッセージを「メンシャ!」で伝えていきたいですよね。
籔内:社内で「メンシャ!」の服と私服とをあわせてコーディネートをしてみると、ストレートに派手な雰囲気になる人もいれば、黒でかっこよく決めていたり、スポーティーに着こなしたり、落ち着いた装いになる人もいたりして。ほんとに人それぞれで、それでいいよねと改めて感じました。

Q10、今後の展望についてお聞かせください!
池田:将来的には、オリジナル生地をつくってみたいですね。例えば、ダブルガーゼの一枚目と二枚目を異なる生地にすることもできるそうなんです。そうすると、機能にも見た目にも変化が出て、素材のバリエーションが増えて、さまざまなアイテムが展開できそうです。あとは、「メンシャ!」は、「人生を謳歌したい!」というメッセージを込めたブランドなので、それぞれらしい姿でいられるような商品を提案できるブランドであり続けたいです。

籔内:メンシャ!の商品を通して、お客さまの自分らしくあり続けたい気持ちを応援したいと思っています。カラフルなものを着たことがないという方でも、ぜひ気軽に着てみていただいて、親子2代、3代、と世代を超えて使っていただけたらすごくうれしいです。いつか、世代を問わず「ハイパーモード」で人生を謳歌している素敵な方とのコラボレーションもしてみたいなという野望もあります。
池田:今は、秋冬の企画をしているところです。「ガーゼで冬をどう楽しむのか?」に挑戦していますので、ご期待ください。

mensha!
「肌は心地いいほうへ、心は色めきたつほうへ。」
mensha![メンシャ!] は肌心地のいいガーゼ素材を使いながら、ナチュラルすぎず、仕立ては美しく、色使いは楽しく。
いくつ齢を重ねていっても、自由な精神を忘れず、人生を謳歌できるようなアイテムをご用意しています。
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