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みんなでプロジェクトを応援! 「村の幼稚園の自立運営~保護者の研修と委員会運営能力強化~」(認定NPO法人幼い難民を考える会)

「フェリシモ 地球村の基金」が今年支援したい5つの自立を支援するプロジェクト。その中から、世界をよりしあわせにするためのプロジェクトの1つをみなさまにご紹介します。

初めまして、幼い難民を考える会(以下、CYR)の関口です。
私たちCYRは、インドシナ難民問題を契機に難民の子どもたちの懸命に生きる姿に触発され1980年に設立されました。

難民キャンプ内に保育センター「希望の家」を開設。子どもたちの保育と、保護者の経済的自立を目指した技術研修を行いました。以来、子どもたちに適切な教育とケアを提供することが、カンボジアの平和な未来作りにも通じると信じ、カンボジアで幼児教育の拡充に取り組んでいます。


〇カンボジアの状況・子どもたちをとりまく環境
内戦が終結して30年余りたっている現在でもカンボジアでは、教育の普及・充実が不十分です。特に幼児教育の拡充は遅れており、現在幼稚園に通える3~5歳児は、全体の約39%にとどまっています。カンボジア政府も幼児教育の充実が、将来の貧困削減に繋がるとして幼稚園の設置を進めていますが、保育施設や保育者の育成が追いついていないのが、現状です。

農村部では畑仕事では家族が生きてゆくために十分な収入が得られず、親が出稼ぎにいきます。子どもたちは、祖父母に預けられるか、もしくは就学前の兄弟だけで家の近所で過ごしています。そのため子どもの食事や生活面でのケアが十分でなく、子どもの情緒面でも深刻な影響があります。

子どもたちが集団生活を通して社会性を身につける、友だちや保育者とのコミュニケーションをとり様ざまな遊びや経験をすることはとても大事です。この時期の子どもの成長・発達にかせない幼児教育のニーズはとても高いです。

〇「村の幼稚園」 運営支援
「村の幼稚園」への運営支援はCYRが近年、力を入れている保育事業の一つです。
2011年から始めた「村の幼稚園」事業は、今までカンダール州、タケオ州、コンポンチュナン州の農村で26ヵ所を支援してきました。そのうち19ヵ所は、地域の運営委員会に運営を移行し、継続して地域で運営されています。今年度は新たに3ヵ所の「村の幼稚園」を開く予定です。

コロナ感染症の予防のため幼稚園も閉園し家庭で少人数の子どもを対象に保育活動を実施している。保護者が家庭で、子どもの活動を見られるように子どもと一緒に参加している。

幼稚園を開く前の事前研修や実地研修、3年間継続する月次のモニタリング時研修を通して、自信をもって子どもたちを教えることができる保育者を育成します。その保育者が当会の支援を終了し運営を地域に移行したあとも、村にある幼稚園の保育者として長く子どもたちの成長を支える存在になることを支援しています。

〇地域で自立した継続運営
一人でも多くの子どもが、就学前に幼稚園にアクセスできる機会を得るためには3年間の支援のあとも村の幼稚園が継続して地域によって運営されることが重要です。

当会では、これまでの経験から、
1)保育者が自信をもって保育活動を続けること、
2)地域の関係者が幼稚園の重要性を理解し運営に協力すること、
の2点が継続の鍵と考えています。

地域の関係者とは、保護者、幼稚園運営委員会です。保護者が幼児期の保育、幼稚園に通う意義を理解していると、幼稚園に子どもを通わせ、保育者にも協力します。幼稚園運営委員会のメンバーは、幼稚園で質の良い保育が提供されるために、自分たちが何をしたらよいかを理解していると、適切な協力が可能です。

1)に対してはこれまで通り、保育者への技術向上支援を続けます。2022年度からは、2)を後押しするために、保護者の学習会と幼稚園運営委員会の能力強化を開始したいと考えています。

保育者が研修で学んだ絵本の読み聞かせに子どもたちは熱心に絵を見て話を聞いている。

<主な活動内容>

地域が自立して村の幼稚園の運営管理をしていけるよう8ヵ所の「村の幼稚園」で以下の活動を行います。

1.保育者がまず州や郡の幼児教育担当者の7日間の指導で、保護者のための研修内容、
  カリキュラム・教材作りを行います。年7回開催する保護者の研修会では幼児期の大
  切さ。保護者の役割、栄養、病気の予防、子どもの権利などについて保育者から具体
  的に学びます。郡の教育局担当者、会の保育スタッフも同席します。

2.運営委員会が幼稚園の運営能力を強化するための4日間の研修会を開催します。幼稚
  園を管轄する州と郡の教育局担当者がトレイナーとして運営委員会の責任や運営方法
  などについて学びます。保育者、当会職員も一緒にそれぞれの幼稚園の課題や具体的
  な取り組みを検討します。また自立して運営能力の高い他の幼稚園を訪問し、運営方
  法や成功している取り組みを学びます。

子どもの母親にどのように家庭で子どもの活動を見て欲しいかを説明する保育者

<期待される効果>

農村地域の保護者の多くが義務教育を終了していなかったり、中には読み書きのできない人も少なくありません。研修を通して子どもの成長に関する知識や対応の仕方などを学ぶことで、幼児期の大切さ、幼稚園の意義、親の役割等への理解を深められます。保育者と保護者間のコミュニケーションが高まり保護者からの協力が増えることが期待されます。幼稚園に参加する子どもの数が増えます。

地区評議会の女性と子どもの担当者や資金集めの経験深い寺の役員など積極的な運営委員会のメンバーが研修を通して委員会の役割や幼稚園の運営の仕方、自立への取り組みなどをじっくりと考えそれぞれの立場で意見を出し合い、具体策が考えられます。地域の人たちと協力して検討された取りくみを実践することができるようになります。8ヵ所の委員会が集まり話し合うことで、自分たちの地域とは違う状況や考え方を学び、意欲的に幼稚園を良くしていく方法を考えるようになります。

コアトレイナーも行政の立場から専門的な知識と技術、経験を運営委員会の能力を高める事にも生かすことができます。ともに地域の幼稚園を良くしていこうという機運が高まり強いネットワークができ、連携が生まれることが期待されます。幼稚園の事務管理や教育省の幼稚園の運営に関する手続きなども協力して進められるようになります。

■村の幼稚園の自立運営~保護者の研修と委員会運営能力強化~
実施場所:カンボジア王国 コンポンチュナン州
実施期間:2022年4月~2023年3月
・プロジェクトの報告はこちら(中間実績
・幼い難民を考える会さまのその他の支援活動はこちらから

「フェリシモ 地球村の基金」より、世界をよりしあわせにするための5つの自立を支援するプロジェクトの応援投票を2021年11月2日から11月15日まで行います。

期間中、応援したいプロジェクトを選んで投票することで、そのプロジェクトを応援することができます。(投票の数は、各プロジェクトへの拠出金額の参考にさせていただきます)

➡ 応援投票は終了させていただきました。
みなさまから、たくさんの応援(投票)をいただきありがとうございました。 

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