2021年度に「フェリシモ 地球村の基金」から支援をした未来の子どもたちのためのカンボジアのプロジェクト「村の幼稚園の自立運営～保護者の研修と委員会運営能力強化～」の活動レポートを、「認定NPO法人 幼い難民を考える会」さまからいただきましたのでみなさまにご報告します。
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〈プロジェクトの実績報告〉
「村の幼稚園」運営委員会の運営能力を高めるための勉強会を2022年5月に4日間実施しました。カンボジア王国コンポンチュナン州の8村の委員会の23名が運営委員会の役割や課題への取り組みについて学びました。そして9月に開かれた地域幼稚園の訪問学習会では、ゴミの分別や子どものための貯金の奨励、保護者の運営委員会の実践などにおいて、参加した委員会のメンバーは多くの刺激を受けました。
ほとんどの運営委員会では訪問学習会の後すぐに、保護者によるクラスの運営委員会をつくり、子どものための貯金を始めました。そして2月17、18日には、2022年度の計画で達成できたことと、資金不足のために実施できなかった2、3の項目を話し合い、2023年度の計画をつくりました。資金集めに成功した村の運営委員会の実践方法は、参加者全員に共有されました。
保護者への学習会では、まず保育者が7月に州や郡の幼児教育担当者による7日間の研修に参加をし、子どもがかかりやすい病気と予防、家庭での子どもとのコミュニケーションの取り方や子どもと楽しむための歌やゲームなどの準備をしました。そして8月から学習会を7回開催し、8村の幼稚園で、のべ239名が参加しました。
参加した保護者は幼稚園での出来事や保育者のことを親子間でよく話すようになりました。デング熱、下痢、咳、風邪などの病気の予防や子どもの言葉の発達、家庭での子どものケアなどについても保護者の理解が進み、楽しく有意義な学習会になりました。
〈現地の様子・現地の声〉
- 学習会によく参加をしていた母親は、「病気の原因や予防について学ぶことができた。子どもをしかることが多かったけれど、親の言葉がけや子どもの話を聞くことが大切だとわかりました。子どもと話すことも多くなったし、幼児期の大切さや親の役割、親は子どもの最初の先生だと感じました」と話しました。
- 開園2年目の保育者も保護者と話しやすくなり、幼稚園で使う扇風機の購入を相談することができました。その場で何人かの保護者からお金の協力を取り付けて、2台の扇風機を買うことができました。
- どの委員会も2022年の資金集めに力を入れていましたが、資金が足りず実施できなかった項目がありました。それは8ヵ所の委員会が集まり話し合うことでした。違う状況の考え方を学び、幼稚園の運営を意欲的に考え、資金集めのノウハウを共有していきたいと考えています。
- 2022年に自主運営に移行した村の幼稚園の委員会メンバーは、「訪問研修で見た地域幼稚園の実践は特に素晴らしく、保護者のクラス運営委員会をつくり、保護者や地域の人たちの協力を得て幼稚園を続けていく自信と確信が持てるようになりました」と話しました。
- 州と郡の教育局幼児教育担当者に、トレーナーを依頼して協働で研修内容を検討・実施することは、専門的な知識や技術、経験などを共有できることから、運営委員会や保育者の能力を高め、その後の地域連携のネットワークづくりに大いに役立っています。
〈支援者のみなさまへ〉
みなさまからのご支援で、8村の幼稚園の運営委員会メンバーが自分たちの役割と責任を深く認識することができました。訪問研修で学んだたくさんのことを取り入れて、意欲的な幼稚園運営に取り組んでいます。
保育者は事前の学習会で指導するテーマや内容を学び・準備をしたことで、自信を持って開催することができました。運営委員会メンバーも保育者のモニタリング研修などに定期的に出席をして、子どもたちの環境や健康、成長を見守っていけるように進めています。
みなさまからのご支援、本当にありがとうございました。
（認定NPO法人 幼い難民を考える会 関口さまより）
■村の幼稚園の自立運営～保護者の研修と委員会運営能力強化～
実施場所：カンボジア王国 コンポンチュナン州
実施期間：2022年4月～2023年3月
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告はこちら（中間）
・幼い難民を考える会さまのその他の支援活動はこちらから
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