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(地球村の基金)スーダンから活動レポートが到着しました!

2013年に「地球村の基金」で支援をしているプロジェクト「スーダン紛争被災民への生計向上活動を通じた自立支援」の活動レポートを日本国際ボランティアセンターさまからいただきましたのでみなさまにご報告します。


〈プロジェクトの実績報告〉

スーダン・南コルドファン州では、2011年6月から政府軍と反政府勢力との紛争が続き8万人以上が難民となり、村落部から4万人が州都カドグリ周辺部に避難しています。
紛争勃発後、日本国際ボランティアセンター(JVC)ではカドグリで緊急物資支援を行い、さらに自立のための畑づくりの研修を実施してきましたが、さらに乾季の畑づくりと灌漑設備の整備に重点をおくことにしました。

【乾季の畑づくり】

この地域の乾季(11月-3月)は雨に頼る農業はできず、多くはよその町に出稼ぎに出たり炭焼きをしたりしてしのいでいました。
そこで、乾季にも野菜栽培によって栄養豊富な食事と現金収入を得るため、避難民と地元住民400世帯(およそ2,400人)に対し、農具と葉物野菜の種子(オクラ、モロヘイヤなど)を配布し、効果的な畝づくりや施肥などの技術研修を実施しました。

研修A.JPG
野菜栽培についての座学

専門家の指導.jpg

専門家による実技指導

【灌漑設備の改善】
カドグリ郊外の4地区に計7基の手押しポンプ型井戸の修理改修を行うことにより畑への充分な灌漑ができるようにしました。
当初、灌漑用溜池の補修を見込んでいましたが、乾季の終盤(3月)に枯渇してしまうことが判明し、本事業では手押しポンプ型井戸の部品交換や修理点検に切り替えました。

ハンドポンプ井戸補修.jpg

放置されていた井戸の修理
このタイプの井戸はあちこちに作られましたが、故障するとそのまま放置され、住民は新しい井戸をただ待つ、という依存状態ができてしまっていました。そこで、自分たちの井戸は自分たちで守れるようにと、JVCでは避難民・地域住民両者の代表が参加する「委員会」形式を提案し、井戸の利用料の管理や保守点検のための「メンテナンス研修」を行いました。みんなで使うものだから大事に使う、という意識をもってもらえたらと願っています。

〈現地の様子、受益者の声〉

これまでは炭焼きをしたり出稼ぎに出たりしていた乾季に、灌漑設備を整えることにより畑作が可能になりました。毎日のように新鮮な野菜が食卓に供され、子どもたちにバラエティと栄養に富んだ食事になり、学校にも元気で通えるという効果も生まれました。市場では売上が多く見込まれ、子どもの教育資金や祭礼や来客に欠かせない高価な嗜好品(肉、砂糖など)の購入も可能になり、生活にやや潤いも生まれます。

以下は、研修に参加した農家の感想です。

「野菜づくりを始めてみたもののたくさんの虫がついて困っていたが、今までは原因がわからなかった。(日本国際ボランティアセンターが派遣した専門家に)尋ねたところ、ウシのフンから堆肥を作るやり方を間違えていたことがわかり、正しいやり方を教えてもらうことができた。」

「とれた野菜は毎週1回、町の市場に野菜を持って行って売っている。多少の収入になるので、子どもが町の学校に通うためのバス料金などもなんとか支払うことができるようになった。」
近くの学校は先に避難した子どもらで満員のため、新しく避難してきた家族は、子どもを遠く離れた学校に通わせなくてはなりません。

「今まではこの季節(乾季)には薪拾いや炭焼きくらいしか収入源がなかったが、それでは木がなくなってしまう。多くの人が菜園作りを始めたのはとてもよいことだ。」
日本国際ボランティアセンターにとっても、この南コルドファンの人々にとっても、たいへん重要なことは、この地域の人々は生計の手段を確保できれば、自分たちでなんとかしようという意欲を持っていることでした。

したがって、紛争によって大きな被害を受けた人々を支援するという方針は継続しますが、2014年度も再び別の地区に対象地域を移し、新たな対象者に畑づくりを提案してゆく計画です。

そこで避難民と受入地域住民に対して自立のための後押しをし、人々が待っていれば降ってくる支援に頼ることなく、自らの手で生活を守れるように、紛争後に故郷に戻れたら、自分たちの手で生活をたて直すことができるように支えたいと考えています。

(日本国際ボランティアセンター 佐伯 美苗さまより)

■スーダン紛争被災民への生計向上活動を通じた自立支援
・プロジェクトの詳細はこちら
・プロジェクトの報告(中間実績

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