フェリシモCompany60th

小さな気づきと実践の積み重ねが、環境や人にやさしいものづくりへ 〜ファッション事業部プランナーにインタビュー〜【後編】

―フェリシモの商品・サービス企画の根底にあるサステナビリティ・ストーリー―

事業性、独創性、社会性が重なり合い生み出されるフェリシモならではの商品やサービス。この連載では「社会性」にフォーカスし、プロジェクト担当者たちの想いをお伝えしています。

今回ご紹介するのは、フェリシモのファッション事業部の環境や社会に配慮した取り組み。前編では、スペアボタンをなくす取り組みやHer smile基金プロジェクトなどの活動についてお伺いしました。後編では、フェリシモらしい継続的な支援のあり方やお二人の想いをお聞きします。

話し手:孫有美さん、吉田美帆子さん
聞き手:フェリシモしあわせ共創事務局

インタビュー前編はこちら

5. 土づくりから循環する支援のありかた

フェリシモで2020年から行われている循環型の支援が、「リブ ラブ コットン プロジェクト」です。農薬を使わないオーガニックコットンの栽培により、生産者の健康や土壌環境を守ります。インドで栽培されたオーガニックコットンを使用した基金付きの商品を展開し、1枚のお洋服につき、リブ ラブ コットンファームのあるマディングパダー村に、100円を寄付できる仕組みです。長年にわたり継続され、累計で約2,700万円という大きな基金につながっています。

リブ ラブ コットンファーム

吉田:農薬を使わないので、生産者さんも土壌も健康な状態でいられます。その結果、地球も健やかでいられますよね。子どもたちの教育資金や女性の就労支援など、コットンをつくっている村の生活の支援にも基金が使われているところがリブ ラブ コットン プロジェクトの特徴だと思います。

また、基金は、オーガニックコットンを作るための有機農法の支援にも活かされ、基金付き製品の売上でオーガニックコットンを育て、収穫した綿から新たな製品を生み出すサイクルが長期にわたり循環しています。

「Live in comfort(リブ イン コンフォート)」企画担当の吉田さん

6. 素材選びも、できることからコツコツと

昨今では、リサイクルポリエステル、製造時の水の使用量を抑えた黒原着素材やレスウォーターデニム、植物由来の天然繊維であるカポックなど、環境負荷の少ない素材を可能な範囲で商品に取り入れています。

孫:環境負荷を減らす取り組みは、「できるところからやってみる」という柔軟さがなければ続かないと思うんです。

フェリシモが最優先で実現したいことは、お客さまに喜んでいただける商品づくり。価格や生産条件とのバランスを取りながら、企画担当者が知恵を絞ってサステナブル素材の使用を検討していきます。

黒原着は、原料のペレットを溶かす段階で顔料を加え、糸を染めてから生地に。後染めに比べ、色あせしにくく美しい発色が長く続く。生地を染色する必要がないため、水と電気の消費をおさえられます。
黒原着は、原料のペレットを溶かす段階で顔料を加え、糸を染めてから生地に。後染めに比べ、色あせしにくく美しい発色が長く続く。生地を染色する必要がないため、水と電気の消費をおさえられます

吉田:今シーズンは、コートの中綿にリサイクルポリエステルを使用したり、以前よりサステナブル素材の使用範囲が広がっていると感じています。

また、通常のコットンに比べて約8分の1の軽さなのだというカポックは、シルクコットンツリーという木の実から採れる綿素材。樹木を伐採する必要がなく、病虫害にも強くて無農薬・無化学肥料での栽培が可能な、天然素材です。世界で最も軽い天然繊維のひとつとして注目されており、リブインではその軽さに着目し、「リブ イン コンフォート ラフにはけて すっきり見えするカポック混素材のカポッとパンツ」などが販売されています。

7. 暮らしの視点から探る、これからのサステナブル

日々進化していくサステナブル素材や、ファッショントレンド。ファッションチームでは、生活者視点で情報を得ることを大切にしています。価格帯やブランドを問わずアパレルショップを歩き回り、今どのような商品が選ばれているのかを肌感覚で捉えたり、ときには街を歩く人々の装いからヒントを得たりすることもあります。

雑誌を開く

また、サステナブル素材については展示会に足を運んだり、メーカーと情報交換を行ったりしながら、社会でどのような素材・商品が求められているのかを継続的にリサーチ。そうした視点を、実際の暮らしに寄り添った商品企画へとつなげています。

孫:こうした情報や気づきは、必ずしも企画会議の場だけで共有されるわけではなく、日々の雑談の中で話題にのぼることも多いんです。そこからアイデアが広がっていくこともあります。

加えて、サステナブルや社会貢献をテーマにした定期的なミーティングも行われており、チームやブランドの垣根を越えて情報交換が行われています。

8. 背伸びせず着実な一歩を

「Live in comfort(リブ イン コンフォート)」企画担当の吉田さん

今後は、Her smile基金プロジェクトをはじめとする基金活動をさらに広げ、社内のより多くの商品・ブランドが参加できるかたちを目指しているという孫さんと吉田さん。

吉田:今後はリサイクル素材をより積極的に取り入れていきたいんです。ポリエステルなどの石油由来素材は、新たに生産するほど地球の資源を消費してしまう。だからこそ、すでにあるものを循環させ、再び素材として生かす仕組みを強化して、作って売って終わりではない循環がつくれたらと思っています。

こうした考えの背景には、吉田さん自身の原体験が影響しているのだとか。吉田さんは、自ら服を作り、販売していた時期があり、その過程で大量の端材やゴミが出ることに気づいたと言います。「たくさん作れば作るほど、こんなにも廃棄が出るんだ」と実感したことが、環境への意識を高めるきっかけになったのだそうです。

ファッションブランド「IEDIT(イディット)」企画担当の孫さん

そして、孫さんが今後力を入れていきたいと考えているのは、Her smile基金プロジェクトの取り組みをさらに広げていくこと。同じ女性として、国内外で支援を必要とする人がまだ多くいる現状に向き合い、少しでも力になれたらという想いが原動力になっています。

孫:特に関心を寄せているのは、未来を担う学生や子どもたちのこと。現時点では拠出額や支援先を段階的に広げている途中ではありますが、「細くても長く続けること」を大切にしながら、基金額を少しずつ増やし、支援の輪を広げていきたいと考えています。

無理のない一歩を積み重ねながら、長く続くサステナブルなファッションのあり方を模索していく。フェリシモファッション事業部のチャレンジは続きます。

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