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失敗談もありのまま伝えてDIYをもっと身近に。あるものをいかせば、暮らしも社会もよくなりそう!「フェリシモ女子DIY部」にまつわる10のこと。

フェリシモ 女子DIY部

こんにちは、フェリシモ環境コミュニケーション事務局のFukuです。

「フェリシモ女子DIY部」は、2011年にフェリシモ部活の一環として誕生し、コツコツと活動を続けてきました。部員が自らを“永遠の初心者”と呼びつつも、その活動歴は10年以上! 

部活をスタートしてからこれまでずっと、部員の暮らしにおける困りごとを起点にDIYを手がけ、失敗談も乗り越え方も包み隠さずブログでご紹介しています。

できるだけ余った素材をいかして、ローコストで。作り方がわからない時は、上手な人の作り方を参考にする。ちょっとかわいい工具は、自分たちで企画してみる。そうやって手がけてきたコツやアイデアあふれるブログに親近感がわきます。

自分で作ったものって、意外と愛着がわいて長く使えたりして、DIYって実はすごくサステナブルな活動なのかも!? 「フェリシモ女子DIY部」の2人の部長に、この10年におけるフェリシモ女子DIY部の活動の軌跡をお聞きしました。

話し手:馬場雅和さん・永井友理さん
聞き手:環境コミュニケーション事務局

永井さんと馬場さん

Q1、「フェリシモ女子DIY部」の活動を一言で表すと? 

永井:「フェリシモ女子DIY部」のキャッチコピー「自分の暮らしにピタッとハマるを作ろう」という言葉に、私たちの活動の真髄が詰まっていると思います。

Q2、10年以上活動をされている「フェリシモ女子DIY部」は、どのような経緯で誕生したのでしょうか?

馬場:当初は家にまつわるものを自分の手で作りたいと考え、ものづくり系の部活を作ろうと考えていた僕たちと、DIY系の部活を立ちあげようとしていた他のメンバーが合流して「フェリシモ女子DIY部」が結成されました。そもそもなぜ僕が“ものづくり”をしたいと考えたのか、そして“女子”とネーミングしたのかというと、妻の依頼で家に棚を作ったときに、プロセスや仕上がりの満足度に対する考え方が妻と僕とで違っていておもしろいと思ったからなんです。男性である僕は、プロセスを重視して、頭でイメージした通りのやり方で完成させたい。一方、妻はプロセスにはそれほど興味はなくて、イメージ通りのものが完成したのかどうか、結果が重要。

「フェリシモ女子DIY部」の誕生の経緯を話す二人

世の中的にも、男性向けの雑誌には緻密に作り方が書いてあるけれど、当時の女性ブロガーさんの記事を拝見していると、完成形のイメージが明確にありつつも、プロセスを決め込まずに自分なりのアイデアを足しながら作っていくのが特徴的で。例えば、賃貸マンションの壁に穴を開けられないなら、ベニヤ板を貼ってしまおう!とか、イメージを実現するためのアイデアやプロセスがさまざまあっておもしろいなと思いました。そこから新しい何かができないかな?と考え、「フェリシモ女子DIY部」として活動をすることになりました。

Q3、ブログの記事を読んでいると、失敗も含めてありのまま発信されていますね。部員の生活における発見がDIYのきっかけになっているのでしょうか?

永井:基本的にみんな、生活のなかで問題点を発見して、「こんなことしたいんだけど」というネタを持ち寄って、アイデアを出しあったり、参考になったDIYの記事を共有したりして、それやってみよう!という流れが多いですね。欲しいものを作ったり、壊れたから直したり。部活をスタートしてからずっと、私たちはぶれずに“永遠の初心者”という感じです。「フェリシモ女子DIY部」がお客さまや外部の企業さまなどに応援していただけるのは、すごい技術を身につけてやる!という野心よりも、生活上でのちょっとした困りごとに地道に向き合い続けてきたようなところが共感していただけるポイントなのかもしれません。

馬場:僕たち、いつまでたっても寸法間違えてますからね(笑) でも、技術力はあんまり進歩していないかもしれないけれど、いろいろな方と協業して学ぶことでアイデアの幅は広がっていますね。

永井:ちなみによく読まれている記事の一つが、馬場さんの記事で、ネジ穴を割りばしで埋めるというもの!

馬場:ネジ穴を埋めるパテのような補修グッズはあるのですが、使い方がうまくないのか、僕の家ではあまり日持ちしなかったんです。それで、ホームセンターの人にアドバイスを求めたら、なんと割りばしがいいと教えてくれて。やってみたらほんとに長持ちして!そんなふうに、「あるものでなんとかできないか」という思考は常にありますね。

Q4、DIY初心者からすると失敗談は希望の源になりそうですね!

永井:そうなんですよ。女性をターゲットにしたDIYの工程はシンプルな内容になっているので、逆に説明が少なすぎて、初心者だと難易度が高いかもしれません。少し昔のデータなのですが、女性で「DIYに興味がある人」が全体の6割、「トライしたいと思っているけどしていない」という人が5割というデータがあります。つまり、興味はあるけれどやったことない人が大半で、一度やってみたけれど失敗したので続かないという人も多くて。私たち「フェリシモ女子DIY部」のメンバーはいまだによく失敗するんです。その事実も、それをリカバリーする経過も包み隠さずブログには書きます。実際にDIYの完成度が高い記事よりも失敗した記事の方がよく読まれているんです。

Q5、他社企業さまとのコラボレーションも行われていますね。

永井:部活の最終目標としては事業化することなので、「フェリシモ女子DIY部」としての“事業”とはどんなことだろうというのは常に話しつつ、小さな箱を作るとか、塗るだけ、付け替えるだけとか、コツコツと小さなDIYを行い、ブログ記事として発信していました。そうこうしているうちに世間で女子DIYのブームがやってきて、企業さまやメディアさまから声をかけてもらう機会が増えていったんです。その一つがUR都市機構さまでした。空き家が増えている団地の一室をDIY住宅にする計画があって、そのモデルルームを作ってほしいと依頼をいただいたんです。

馬場:それまでずっと会社の片隅でちょこちょこDIYしていたので、広い空間を与えてもらって自由にさせてもらえて楽しかったですね。

永井:そのモデルルームの中で、カラーボックスを3つ並べて、板でつなぎ合わせたキッチンカウンターを作りました。私が自宅で作って長持ちしたので、これはいけるだろうと思ったら……

馬場:盛大に失敗して(笑)

永井:あとは神戸新聞さんで連載を持たせていただいたり、DIYにまつわるワークショップを開催してほしいとお声がけいただいたり、活動の幅が広がってきました。メディアに出るようになると関係者との出会いも増えていき、DIY界の重鎮である「DIYプロダクション」主宰の山田芳照先生に教えていただいたり、天然由来の塗料を作っておられる「ターナー色彩」さんと繋がったり。取材のたびに余った材料をいただいて帰ったり、工具を提供してもらったりして、関わる方々にたくさん協力していただきながら「フェリシモ女子DIY部」は育ってきました。

山田先生のご紹介でご縁ができたターナー色彩株式会社さまの、天然由来の水性塗料、ターナーミルクペイント。
山田先生のご紹介でご縁ができたターナー色彩株式会社さまの、天然由来の水性塗料、ターナーミルクペイント。

Q6、オリジナル商品の販売も展開していますが、最初はDIYキットからスタートしたのだとか?

永井:そうなんです。木材のカットはしてあって、ノコギリは不要なものを作りました。自分の手でペイントしてみたり、ドリルを使ったりすることで、DIY がそんなに難しくないと思うきっかけになればという思いがありました。

馬場:ホームセンターのアグロガーデンさんと提携してスタートしました。ホームセンターには資材や工具など、DIYに必要なものがすべて揃っています。そこで、ホームセンターに並ぶたくさんの商品から、「フェリシモ女子DIY部」がほしいと思うものをちょっとずつ選んで、Webで販売しようということになったんです。

永井:ホームセンターの商品はほとんどが現場の人向けの本格的なラインナップです。一般向けのいい商品が埋もれてしまっている側面もあります。また、ネジの種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからないとか、1パッケージの量が多すぎるとか……。そもそも初心者がホームセンターでものを選んだり、買って使い切るのは難易度が高い。パッケージ化されていたらわかりやすいし、材料も使う分だけ手に入れることができれば、きっとDIYが身近になるので、ホームセンターでものをセレクトするポイントをお客さまと共有できればと思ったんです。

「折りたたみちゃぶ台 DIYキット」
「お手ごろなちゃぶ台に出会えない!」という部員の声がきっかけでできた「折りたたみちゃぶ台 DIYキット」。木材を円形にカットすることはかなり難しくDIYでチャレンジしづらかったが、キット化することで簡単に!白木に好きな色を塗れるので、組み立てるだけで世界に一つのアイテムが完成。

Q7、初心者でも使いやすい工具も展開していますね。

永井:工具類もやはりプロ仕様のものが多くて、私たちがかわいい、ほしいと思えるものがなかなかなかったんです。商品化を考えていたときに、モノづくりの町・東大阪にある工場を訪問する機会があったんです。一般顧客向けの商品企画をするために、フェリシモ女子DIY部のエッセンスがほしいと声をかけていただいて。どの工場も高度な技術力をお持ちだけれど、エンドユーザーの求めているものがわからないという課題をお持ちでした。そのときに出会ったのが、「これさえあれば!のぷちドラセット」の原型となるものでした。

工具について話す永井さん

ドライバーやドリルなど数種類のビットが入っていたセットをフェリシモ女子DIY部オリジナルにカスタマイズしてもらったんです。家にある大体のネジに使えるマルチビット、ビスを打ちやすくするために使うキリなど計4種の私たちが「使える」と思えるラインナップに。あと、工具のデザインってゴツかったり、色味が派手過ぎたり、ちょっとなぁ……と思うことが多かったので、リビングに置いても違和感のないかわいいものを目指して、お客さまアンケートをとった結果、ピンク色に。そうやって、自分たちが実際にDIYを行うなかで着想を得て、お客さまのお声をお聞きしながら商品開発を手がけています。

馬場:手元に使いやすい工具があればやる気も出ますし。そして、僕らのブログのような、それを使いこなすための情報が一緒にあると一層DIYへのハードルが低くなりますよね。

「これさえあれば!のぷちドラセット」
工具を1つずつ買うめんどくささも解消してくれる「これさえあれば!のぷちドラセット」はコンパクトで女子でも握りやすいサイズ感。
目隠しツールバッグ
「工具をすっきりソフトに収納! インテリアにもなじむ目隠しツールバッグ」は、中面をコーティングして汚れや破れに強く、設計図が入るようA4サイズに。コンパクトながら小技の効いた工具入れ。

「5つのポケットが便利! 多機能エプロン」
「5つのポケットが便利! 多機能エプロン」は下の部分が取り外し可能で、作業中の足さばきがよくなる。ポケットは取り外しできてゴミ箱代わりに……と、とにかく便利!

Q8、生活のなかにひとつでも、小さなアイデアや使いやすい工具が加わるとモチベーションが上がって、自分仕様のアイテムが作れそうです。まさに、生活とともにあるDIYという感じですね。

永井:すごいアイデアマンの部員さんがいて。ある現場で残ったセメントを活用して、自宅の玄関周りに生えている雑草処理に使ったり、端材をサンダーでツルツルに磨いてオイル塗装をしてプレート作ったり。ブログにもとてもていねいに手順を書いていて、参考になるアイデア満載なんです。それもすべて「せっかくいい素材があるのだからトライしてみよう!」という感じで、ものをむだにしない、もったいない精神みたいなものがDIYをする動機になっているのかもしれませんね。他のブロガーさんの記事を拝見していても、何かを作ったときの端材をとっておいて他のものづくりに使うとか、作ったものをまたバラして塗り替えて別のアイテムを作るとか。メンバーが解決したいことが多様なぶん、いろいろな切り口の情報収集と、DIYの実践ができていて、ネタが蓄積されています。「これなら私でもできる!」と思える気軽な情報を増やしていって、最終的には辞典とかウィキペディアみたいな存在になれたらいいなと常々思っています。

机と馬場さん

Q9、「フェリシモ女子DIY部」の活動を続けてきたお二人が感じる、DIYに求められている役割の変化ってありますか?

永井:私たちが部活をスタートした当初は、棚や机など比較的大きなものを作る傾向があって、その後トイレや洗面所など小さな空間にひと手間加えるDIYが増えていきます。近ごろはリペアやリメイクなど、あるものを修繕するサステナブルな流れがありますね。ブログでも、テーブルを磨くとかいすの座面を張り替えるなどの記事がよく読まれています。いいものを長く使いたいという思いから、リペアやリメイクをする人が増えつつある。逆に、DIYを続けることでサステナブルな視点が育まれている側面もあるのかもしれません。世間においても、個人においても生活スタイルの変化に応じて、DIYのニーズがどんどん変化していくものなのではないでしょうか。

馬場:僕たちも、塗料なら子どもと一緒に使える安全で安心な原料のものなど自分たちが心地いいと感じたものをご紹介したり、ものを新しく買わないであるものを修繕して使い続けていくとか、お金をかけずに暮らしをよくするための解決策を模索し続けていて。それが結果的に人にも地球にもやさしい、サステナブルな取り組みになっているのかもしれません。

Q10、今後の展望をお聞かせください!

永井:私たちの役割はみなさんのDIYへのハードルを下げること。DIYをしてみたいと思っているけれどできない人が多いと、余っているものを生かす機会も減るわけですよね。だからできるだけ間口を広くして、DIYをはじめられるきっかけをいろいろ用意していきたいと思っています。そして、「やってみたら楽しかった!」という経験を得てもらえたらうれしいです。

机の説明をする永井さんと馬場さん

馬場:部活をスタートした当初からDIYを文化として定着させていきたいという思いがあります。セルフリノベーションやDIYが文化として成立している国では、家の中の困りごとを自分で解決することが定着しているし、情報も豊富です。

永井:日本でも、DIYとは呼んでいなかったけれど、昔は障子やふすまの張り替えを自分で行っていました。高度経済成長期あたりからマンションが増えて、その必要がなくなったけれど、もともとDIYに近い文化はあったんですよね。

例えば最近、空き家の問題をDIYで解決できないかと相談をいただくことがあるんです。古家をDIYするとなると、技術面から言ってご家族や夫婦でDIYができる方って一部に限られていると思うんです。それってやっぱりまだDIYが文化として根付いておらず、DIY人口が少ないからで。でも、自分でできるという人が増えれば、空き家を安く購入して自分の手で改修をして住めるようになるかもしれません。DIYが文化として定着していけば、社会の課題解決の一助になる日が来るのかもしれません。

馬場:いずれにしても、DIYってひとりだとただの作業になってしまってさみしくなってきちゃうから、数人で、励まし、支えあい、笑いあいながら楽しくやるのをおすすめします!

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