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ポーランドのチョコレート

2025.09.06

ポーランド伝統のジンジャーブレッドが進化する〈イガ サジェンスカ〉

この旅最後の訪問先がとんでもないお店でした。

やった。

チョコの神様は必ず私に素晴らしいチョコを紹介してくれます。

今回神様にご紹介されたのがこの〈イガ サジェンスカ〉さんです。

ポーランドのワルシャワから電車で2時間くらい。トルンという街です。

駅に着くなりこのまったく知らない、日本人には無名に近い街がポーランド人には大人気だということがわかりました。赤いレンガの立派な城壁に囲まれてます。

学生さんの遠足か修学旅行だらけなんです。

外国人のいない姫路城。いや、お伊勢さん。関西限定ですみません。

とにかく、ポーランド各地から子どもたちが来ています。その案内をしてるのは中世のコスプレをしてるガイドさんです。

ウイーンに行ったときに学生のコンサートのチケットを売るのは全員モーツアルト。町中モーツアルトでシュールだったんですが。それに近いくらい、中世のコスプレガイドさんだらけです。

聞けば世界中がご存じの通り、このトルンはあの、あの偉大なコペルニクスさまが生まれたところなのです。

海外あるあるです。その国の偉人は日本の偉人ランクの上位ではないことが多いです。

コペルニクス、地動説です。それしか知りませんが。ポーランドではえげつない偉人なのです。

そして、余談ですがもう一人の偉人はショパンです。ショパンを説明するときにポーランドの人が言ってました。ポーランドは悲しいことが戦争で多かったから、ショパンのように悲しい曲が多い。ポエムも悲しいものが多いと。哀愁が似合うのが確かにポーランドかも。

学生たちにまぎれ、街の中心に。赤レンガの歴史地区は美しく。お土産のマグネット屋さんもいっぱいあるのです。そのマグネットを見てびっくり。チョコのマグネットだらけなんです。

え?え?え?ここチョコの街なの?

たいへん申し訳ありません。

何も知らなくて。

これがこの町の名物。関西の“赤福”や“おたべ”に当たるものが、ジンジャーブレッドのチョコがけなんです。またまた関西限定ですみません。

ジンジャーブレッドって人形(ひとがた)のものが多いですが、それだけでなく。この地域はハート形のものが多いようです。

しかも。その歴史はなんと400年と。

アポの時間までに時間があるので、うろうろしてたら、町一番のおしゃれなお店が。

あれ?ここがイガ サジェンスカだ!

こんなにおしゃれとは。

中に入って偵察していましたら、もう中は美術館。美しいペイントのクッキーが並んでいます。

私はこの商品の写真をインスタで見たとき、チョコクッキーだと思っていたんです。しかし、このクッキーこそがモダンにアレンジされたジンジャーブレッドだったのです。

かっこいいご主人が商談に来られました。ジェントルマン。

各国を渡り歩いた大手お菓子メーカーの出身だけあって、それはそれは国際的な営業トーク。隙がない。奥様のイガさんは代々パティシエで、世界一のパティシエの賞をとって、それはポーランドでただ一人。今やEU27ヵ国に輸出し、大統領も顧客です、と。我々はやすっぽいことは絶対しないと。

しかし、その言葉には説得力があるんです。

連れていかれたカフェなんですが。コーヒーもパンもうっっっまっ。地元の素材を使った若いオーナーのカフェ。ちゃんと商談で連れてくるお店まで考えてます。

「この町はビジネスは良くないけど、生活レベルはとても高い」と言っていて、確かになーと思います。

私は世界中いろいろな街に行きましたが、経済の成功と生活のレベルの高さはイコールではないです。

よーゆうてくれた。それを言葉で聞いて納得しました。

ヨーロッパらしいなと思いながら、私も後者の大事さを近頃ますます実感しています。

この町の文化と歴史を大事にしてるので、輸出はしてるけど、ほかの街にはお店を作らず、この町にのみ4店舗お店を出してると。それも地に足ついてるなと思いました。

アトリエに行って、工場もとてもきちんとされていて、従業員さんも素敵な方たちでした。

もう一度あの美しいお店に戻った時、イガさんがいました。

もう私にはその時点でスターに見えました。

バイヤーとしての肩壊してます。私、憧れちゃってる。

「今日はシーズンの商品の撮影の日なので、朝から出ていてごめんなさい」とスタイリストさんとカメラマンさんを伴って入ってきました。きれいな方で、もうキラキラが止まりません。

ご本人も撮影の日なので、きれいなお洋服。

私、並ぶのいやー。だけど、会えてうれしい。カメラマンさんにスマホを渡し、撮ってーいっしょに撮ってー。もう完全にファンです。

ジンジャーブレッドのチョコサンドだけじゃなく、地元の名産品プルーンのチョコも。ワンランク上のギフトってこんな感じなんでしょうね。

ヨーロッパセレブご用達のこの味を日本初上陸でご紹介出来るなんて。

ポーランドの旅最後にほんとにかっこいい大人のお店に会えました。これは自慢出来ます。

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チョコレートバイヤーみり

フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!

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