ベルギー、ワーテルローであのチョコの秘密に迫る!〈アルティミ ドゥ ショコラ〉
ずいぶん前になりますが。
私はベルギーのチョコ特集でたくさんのショコラティエを車で回りました。
〈アルティミ ドゥ ショコラ〉さんもその中のひとつ。
今回、オランダのショコラティエを回る中で、ここまで近くに来てるのに、フランス行って、オランダ行って、ベルギーをすっ飛ばすことにものすごく罪悪感を感じていました。
そうだ。そんなに時間もかからないから、アルティミ ドゥ ショコラさんに行こうかな。
アルティミとは「錬金術」という意味だそうで、カカオから魔法のようにしあわせな何かを生み出すという素敵なお名前です。
実はほかのショコラティエはブリュッセルから遠いのですが、アルティミ ドゥ ショコラのあるワーテルローはワロン地域と言って、南の方のフランス語圏の中では、比較的ブリュッセルに近いので、まあ、すぐ行ける距離だろう、と踏んでいたのです。
アムステルダムからブリュッセルは新幹線的な列車で2時間ちょっとです。東京~大阪日帰りみたいなもんです。
今まで人気だったあのチョコをもっといろいろ知りたい!と思って出かけて行ったのでした。
しかし。まず、ヨーロッパの電車は時間によって料金が違うって知ってます? ほんとに倍以上違うんです。イースター休暇と相まって、なんか高っか。でも、まあ仕方なしです。
そして次なる問題が。ブリュッセルまでは新幹線的な電車が通っているのですが、信じがたいことに、そこから先、急に電車がないのです。何度検索してもバスになる。
バスで1時間って結構遠いよ。
そこでオーナーのセバスチャンにメールでどう行ったらいいですか?と聞いたら、バスだと。
ほんとうにベルギーは南方面は車がないと途端に移動しづらくなります。
遠いなーーと思いながら行ったんですが。
良かった。行って良かった。
やっぱりベルギーのショコラティエはまるでローカルチョコの見本市のようです。
ほんとうに昔ながらの景色がそこにあります。ワロン地域はフランス語なので、意思の疎通も翻訳機を使ったり。でも、チョコの言葉はみんな英語で話せるので支障ありません。

「幸福のチョコレート」で長年扱っているアルティミ ドゥ ショコラの“キャンディゼ”というチョコについて。まず、知らなかったことが。
私が選んだあの、まわりはシャリシャリ、中身はナッティーのクルクルチョコには秘密があったのです。
どうやってこのシャリシャリ感が出るのかな。誰もほかに作ってないよな、と不思議に思っていました。
このチョコを作るのは職人歴15年のキビンさん。このチョコだけは彼が一手に引き受けていて、誰よりも作るのが上手いそうです。オーナーよりも上手いと話していました。

そして、キビンさんは大の日本好きなのです。ほんとうに温かく迎えてくれました。
作り方は、まずこのチョコのベース、ナッツペーストとミルクチョコを混ぜ合わせ、絞り袋で1つ1つ同じ形に絞り出します。私もやらせてもらいましたが。無理っ。出来ないっ。これは難しいです。チョコが上手く絞れない。キビンさん、邪魔してすみませんでした。

そして、このチョコを1日乾かして固めます。
その間にシロップを作り、もう1日置きます。
このシロップにチョコを1個1個浸けます。そして、さらに1日乾かすとシャリシャリになるそうです。
そうやってできていたのかー。
しかし、私がほかで見ないのには理由がありました。これはとても伝統的な製法ではあるけれど、あまりにも作るのに時間がかかるので、もう誰も作りたがらないそうなんです。
そうだったのか……。だからほかで見ないんだ。
さらに、せっかく日本から来る私にと、セバスチャンとキビンさんは新商品を作って待っていてくれました。
ミルキーなイチゴと大人のウイスキー味のキャンディゼです。
どちらも舌触り滑らかで、さらにシャキシャキの表面も決まってます。今までにない味わいです。
手間のかかるチョコレートをこうやってていねいに1個1個、日本のお客さまのためにワーテルローで作ってくれてる。とても特別なことだと思います。
やっぱりベルギーのショコラティエは独特の温かさがあります。
誰からも愛されるやさしいものづくり。
自分からアピールしない感じがまた奥ゆかしく。謙虚。
実はベルギーの人は、休みが長いヨーロッパの人たちに輪をかけて夏休みが長いので、前から聞いてみたかった。
いったい何してるの?夏休みに。
セバスチャンは笑顔で「スペインの別荘に行くんだ」
そうかあ。それでいいです。いつも撮影日にサンプルが届かなくって、ハラハラしてるベルギー勢ですが。
でも別にいいです。こうやってワーテルローの地元の人のために1個1個チョコを作って、チョコが溶けちゃう夏休みはいろいろせずに休む。
のんびりベルギーチョコに久しぶりに会いました。
その後またバスに乗って、ブリュッセルへ。しかし、ストライキに巻き込まれ。電車が来ない……。
チケット買ったのにと駅員さんに訴えると。遠回りの路線を教えてくれて、アムステルダムまで帰れました。
ゆっくり帰ります。
せっかくベルギーに会えたのですから。
せかせか関西人のペースも変えちゃうアルティミ ドゥ ショコラさんにはそんな力があります。

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チョコレートバイヤーみり
フェリシモでのチョコレートバイヤー歴28年。「チョコで世界中を笑顔にしたい」と世界各国のショコラティエをめぐり、数々のレアチョコを発掘。これまでに訪ね歩いたショコラティエは34カ国約400件。約590ブランド・約2,900種類のチョコレートを輸入販売した実績を持ち、その中でも日本に初上陸させたチョコレートは329ブランド。チョコのストーリーを語らせたら止まりません! まだ知られていない素敵なチョコを紹介するため、今日も世界の果てまでチョコ探し!
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