まずMimiさんが着こなしてくれたのは、ダウンジャケットとパンツのポワンとしたシルエットが大人のかわいらしさを漂わせるコーディネート。ただ、黒×グレー×ベージュのベーシックカラーはシックにまとまる反面、60代が着ると地味に見えてしまう心配も。
「うふふ、実はダウンの下に、その心配を打ち消す秘密があるんです」
中に着ていたのはなんと、袖がシャギーになったトレーナー！ 華やかな雰囲気のコーデにガラリと早変わりです。
「アウターを脱いだときのギャップが素敵でしょう？ 最近いろいろなお店で見かけるシャギーニットやシャギーベスト。おしゃれだから着てみたいけれど勇気が出ないという人も、こういう部分的なシャギーならハードルが下がるし、アウターを羽織れば袖を隠せるので安心して取り入れられそうですよね」
「60代になると無地のトレーナーをかっこよく着こなすのはむずかしくなってくるのですが、これなら着心地とカジュアルさはそのままに華やいだムードが出せるから、お出かけ気分が盛り上がります。ネックレスをプラスすれば顔映りがよくなり、おめかし感も増しそうですね」
足もとは、すそがすぼまった個性的なアラビアンパンツに、あえて正統派レースアップシューズを合わせ、大人っぽく仕上げるのがMimiさん流です。
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フライトジャケットがモチーフのラフなアウターに、スクールガール風のプリーツスカートを合わせた甘辛ミックスコーデもお似合いのMimiさん。ふだんなら、この中にベーシックカラーのニットを合わせるところですが……
今回選んだのは、きれいな水色のタートルニット！
「夏はブルーを使ったさわやかコーデをよく見るけれど、冬のブルーはすごく新鮮ですよね。ハッとする色合いの服をひとつ取り入れるだけで、こんなふうに特別感のあるコーディネートになるんです」
ブルーはブルーでも、冬はやさしい色合いを選ぶのがポイント。ふんわり感とボリューム感も相まって、寒い日々を穏やかな気持ちで過ごせそうです。タートルネックもゆったりしているので、首まわりが苦しくなく小顔効果も！
「テイストミックスの着こなしはベーシックカラーでそろえてしまいがちですが、せっかくなら色合わせでも遊び心を意識するとウキウキ度が増しますよ」
こちらのジャケットは、裏身ごろ全面にボア、袖には中わたが入ったぬくぬく仕様。前を閉じて北風を遮れば、暖かさ満点です。大きめの衿ボアが、これまた小顔に見せてくれそうですね。
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ふだんは車で出かけるのでショート丈のアウターを着ることが多いMimiさんですが、ちょっぴりおめかししたいときはロングコートの出番。ロングコートは面積が広いぶん、色の選び方で印象がかなり変わるので、できるだけ明るい色を選んでいるそう。
コートの前を開けると、中はモノトーンのコーディネート。冬は特に、色の“重い：軽い”の割合を１：１にするとバランスよく仕上がります。Iラインが強調されるロングコートは、スラリと背が高く見えるのもうれしいポイント。さて、この中に着ているのは……？
ポワンとした袖と、たっぷりのギャザーがかわいい黒ブラウスでした！
「これが白だとかなり甘いテイストで、60代が着こなすのはむずかしいと思うんです。黒だからこそ楽しめる個性派デザインですよね。モノトーンコーデはクールになりすぎたり、地味に見えたりしがちなので、こういうデザイン性のあるトップスを選ぶのがおすすめです」
このブラウスは上部のみニットになっていて、生地の切り替え部分にはたっぷりのギャザーが。これで、ぽっこりおなかカバー対策も万全。長めのリブ袖は、手首の細い部分を強調してくれるので、全体をほっそり見せる効果もありそうです。
ミニスカーフは三角に折って巻くと、後ろ姿もチャーミング！
「色の重さ＆軽さ、テイストの甘さ＆クールさ、デザインや小物使いの面白さ＆シンプルさ。それぞれの割合を半分くらいずつにしてコーディネートを組み立てていくと、バランスよくおしゃれにまとまりやすいですよ」
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ラストは、アウトドアテイストのダウンジャケットを羽織ったコーディネート。中に着ているのはスカートのようにも見えますが……
上品な雰囲気のジャンパースカートでした！ ほどよく厚手のカットソー生地で着心地がよく、少しだけAラインのきれいなシルエットで見た目もスラリ。
「中がきれいめコーデならアウターもそれに合わせて……となりがちですが、あえてカジュアルなアウターを羽織ってみるなど、いつもと違う組み合わせを試すことで、少しずつ着こなしのバリエーションが増えていきますよ」
シュッと細く入ったスリットの下に重ねたのは、深みのあるグリーンのタートルニット。
「もしかしたら、私たちの世代だとグリーンの服を着たことがないという方もいるかもしれませんね。私もこれまではめったに買わない色でしたが、最近とても重宝する色だということに気づきました。モノトーンにはもちろん、濃紺やベージュ、カーキなど落ち着いた色合いの服ならなんでも合うんです。この機会にぜひ、思い切って人生初のグリーンに挑戦してみてほしいです！」
ちなみにこちらのダウンは、前がダブルジップ仕様で、すそにはドローコードも。上下を開けて中の服の見え方や温度の調節をしてもいいし、前を閉じてすそをしぼり、ふんわりシルエットを楽しんでも。
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Mimiさんのおしゃれ教室振り返りインタビュー
――冬はなかなかおしゃれをする気になれないのですが……
「わかります！ 寒いと、気分も着こなしも重く暗くなりがちですよね。だから、冬のコーディネートには気持ちが上がる要素を取り入れることが大事。いつも選んでいるものより少しデザイン性の高い服やきれいな色の服を、ぜひ投入してみてください」
――そういうウキウキ服は、なぜアウターの中に着るのがいいのでしょう？
「もちろんパッと目を引くようなウキウキアウターを選んでもいいのですが、60代はちょっぴり気が引けちゃうと思うんです（笑）。着ている間じゅうソワソワしてしまいそうで、それでは本末転倒になりかねません。ウキウキ服をアウターの中に潜ませておくコーディネートなら、気恥ずかしくなく落ち着いていられるし、自分の中ではウキウキワクワクが一日続いてくれます」
――とはいえ、そんな素敵な服を自分だけの楽しみにするのは、もったいない気がしますが……
「もちろん、仲よしの友人と会うときなどにぜひ着て行ってほしいです！ 外で待ち合わせしたときはアウターを着ているから気づきにくいけれど、カフェやレストランに入ってアウターを脱いだときに『あら素敵！』と言ってもらえたら大成功。いつものおしゃべり時間がより楽しくなりそうですよね」
プロフィール
Mimi
64才、身長167cm。高知県の郊外のマンションに猫と暮らす。61才にして YouTubeチャンネル「Mimi’s life」を開設し、日々の衣食住のアイデアを発信中。着こなしに関する著書も多数あり、近著は『60代のおしゃれの見直し 今を楽しむ服を着て。』（主婦と生活社）など。
※クレジットの掲載がないアイテムはMimiさんの私物です
※Mimiさんが着用しているのは、記載のないものはMTサイズです
plan：暮らしとおしゃれの編集室
photo：清永 洋
