ヴィンテージショップ・オーナー×MOEの最強コラボ。

こんにちは、日本職人プロジェクトのリーダー山猫です。

日本のモノづくりを通して、たくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。誰かの「好き」「欲しい」をカタチにした、ここにしかないプロダクトを生み出しています。

2022年冬のテーマは、「pleasure(プレジャー)」。何か素敵なモノやコトにふれる喜び、何かをひと目で好きになるトキメキ、ずっと使い込むことで増していく愛おしさ、いろいろなpleasureを感じられるアイテムを、たくさんの人たちと一緒に作りました。作っている間もすごくpleasureだったので、皆さんにもきっとうれしさやわくわくを感じてもらえると思います。

今回ブログで紹介するのは、ヴィンテージショップオーナー・中村朋子さんのリアルな理想から生まれたお出かけバッグと、クラシカルで華やかなドレスウォッチ。それぞれの誕生までのドラマを、企画を担当してくれたプランナーMOEが、たっぷりご紹介します!

「REINETTE」は、美しいものに出合える夢の場所。

こんにちは、日本職人プロジェクトメンバーのプランナーMOEです。私が昔から長く通っているヴィンテージショップが、大阪・北堀江にある「REINETTE(レネット)」。オーナーの中村朋子さんが買い付ける、ヨーロッパを中心とした上質で大人に似合うヴィンテージアイテムがそろうお店です。

ここは私にとっては宝の山。装飾性の高い手編みニット、計算し尽くされたシルエットのワンピース、刺しゅうやレースがたっぷり使われたブラウスなど、手に取るだけで作った人の想いが伝わるアイテムに魅了されます。また、一流ブランドのバッグや靴は、ヴィンテージといえど、素材やシルエットの美しさは格別。デザインや質の高さはもちろん、ポケットの位置が工夫されていたり、体に負担をかけないパターンだったり、実用性がある工夫も随所に施されていることにも驚かされます。

お店に行くたびにヴィンテージの時を超えた美しさと、それを選び抜く中村さんの審美眼に感動していた私は、中村さんと一緒に流行や時代に左右されないアイテムを作りたい!と日本職人プロジェクトとのコラボを提案。快く受けてくださって、それからヴィンテージの良さを生かしつつ、現代の女性のライフスタイルに合うアイテムをいくつも生み出してきました。

実は、アイドルがお好き!?中村さんの意外な一面

ある時ふと何気なく、「中村さんがふだん使いするなら、どんなバッグがいいですか?」と聞いたことがありました。すると、「ナイロン素材で斜めがけできて外ポケットがいっぱいあるバッグ」という答え。クラシカルでレディーなバッグをたくさんセレクトしている中村さんが、ナイロンバッグとは意外……と思って詳しく聞いてみると、買い付けなどで色々なお店をガンガン回るときは、それぐらいラフに使えて機能的なバッグがいいとのこと。なるほど!と納得して、それならとことん便利で使えるバッグを一緒に作りませんか?と企画がスタートしました。

まずは素材。「雨や汚れを気にせず、どんな場所でも使いたい」ということで、これは当然ナイロンに。軽くて丈夫でお手入れも簡単、とにかく扱いやすいのが魅力です。

そして、「両手が自由に使えるように」というこだわりで、斜めがけスタイルに。実は中村さんにはアイドル好きという一面があり、ライブに参戦するときに両手フリーは絶対!とのこと。斜めがけなら、推しへの愛を全力でアピールできます。

ショルダーベルトは、高密度ナイロンを使用。光沢のあるキメの細かい素材で、体になめらかに寄り添います。

最後にもうひとつ、重要なのが「必要なものが、さっとすぐ取り出せること」。そこで、金具を開けなくても取り出せるように、背面の大きめの外ポケットを付けました。ICカードやハンカチなど、すぐ取り出したいものはここへ。しっかり深さもあるので安心です。スマートフォンなどの貴重品は、フラップを開けたところにあるポケットに入れるのがおすすめ。

たっぷり入ってすぐ取り出せる大きめのオープンポケットは、からだに沿う面で外から見えにくく安心。

長財布や折りたたみ傘もすっぽり入るサイズで、容量もたっぷり。たくさん入れても軽く持てるところも、ナイロン素材の魅力です。


サイドも底も、しっかり広めのまち幅。コンパクトに見えて、たっぷり収納できます。

気さくで、頼りになって、しかもおしゃれな「女友達」。

機能的なだけではなく、見た目にもちゃんとこだわりました。カジュアルになりすぎないよう、色はシックな黒一択。光沢感のあるキメの細かいナイロン素材で、上品な顔に仕上げました。本革のパイピングを贅沢に使って、高級感もプラス。

ほのかな光沢のあるナイロン素材に、本革のパイピングをあしらった高級感のあるデザイン。

「ヴィンテージバッグは金具が命!」と、金具にも一方ならぬこだわりを持つ中村さん。シンプルなデザインに映える、ゴールド色の金具をあしらいました。

ブラックに映えるゴールド色の金具。ナイロンバッグでも大人っぽく、品あるたたずまいに。

気軽に使えるナイロン素材の良さは保ちつつ、カジュアルすぎない上品さも兼ね備えたこのバッグは、「コピンヌバッグ」と命名。「copine /コピンヌ」とは、フランス語で女友達を意味します。気さくだけど気が利いて、懐が深くて、しかもおしゃれ上手、そんな理想の女友達みたいじゃないですか?

中村さんとMOEが、リアルに自分たちが使うシーンをイメージしながら作りました。もう絶対に、便利なこと間違いなし!!ふだんのお出かけに、仕事に、旅行に、たくさん活躍させてください。これからの人生を共に過ごして、いろんな思い出を一緒に作る、友達のようなバッグです。

推しのアイドルのコンサート会場での中村さん。今後はコピンヌバッグを持って行かれるとのこと。

憧れのヴィンテージウォッチを、現代バージョンに。

そして今回、中村さんと一緒に企画したもうひとつのアイテムが、ドレスウォッチ。昔からずっとヴィンテージウォッチに憧れがあり、中でもブレスレットのように華奢で華やかなチェーンベルトの時計に心惹かれていました。

時計は非常に実用的なアイテムですが、アクセサリー感覚で楽しめるものを作れたら……と考えて、中村さんに相談。古今東西の名品を知り尽くした中村さんの審美眼とセンスをお借りして、憧れの時計づくりに乗り出しました。

まず最初に、中村さんが所有されているヴィンテージウォッチを見せていただいたり、おすすめのヴィンテージウォッチのデザインをいくつかご提案いただきました。どれもクラシカルな上品さがあり、華やかなのにふだん使いになじみそうな素敵なものばかりで、作りたい時計のイメージがどんどんふくらみます。

そして、チェーンはうんと華奢にして、時計本体は立体感のあるアンティーク風に、文字盤は上品なパールホワイトにして、ラインストーンのアクセントをあしらって……と、理想をたっぷり詰め込んだデザインが完成。広がり続ける私の妄想を、中村さんがディレクションしてくださって、とてもバランスのいい仕上がりになりました。華やかさもありながら、ふだんの暮らしになじむ、絶妙のデザインだと思います!

想定外の問題が発生!75通にわたるメールの応酬。

デザインが決まれば、あとはカタチにするのみ!ということで、滋賀県にある時計工房さんに依頼をかけました。こちらの工房は、完全オーダーで、一からオリジナルを作ってくださいます。まだ世の中にない時計なので、デザイナーの高山健三郎さんにデザインイメージや参考資料をお渡しし、図面を描き起こすところから始めていただきました。

滋賀県にある時計工房のデザイナー・高山健三郎さん。難しいオーダーに、全力で応えてくださいました!

しかし、試作段階で、想定外の問題が発生。華奢なチェーンベルトに立体的な時計本体をセットすると、重さで時計部分が手首でぐるっと回ってしまうことがわかりました。これでは文字盤が見づらく、時計としての機能を果たせません。商品化は難しいかな……と、一瞬はあきらめかけました。

試作では重みのある時計が回転してしまい、みんなで頭を悩ませることに……。(写真は適正の長さを探求しているところです)

しかし、高山さんと共に探偵のように原因を探り、ここを改良すればよいのでは!?と何度も修正にトライ。なにか問題があるたびにさまざまな仮説を立て、お互いに考えた改良案を提案し合いました。その結果、やりとりしたメールの数は実に75通!!(私と高山さんのメールの応酬を横で見ていた山猫さんが、「卓球のラリーみたいだね」と言っていました)。

工房にお邪魔して打ち合わせした後は、こまめにメールでやりとり。まだ世にないものをカタチにするので、試行錯誤あるのみ!でした。

女性用のドレスウォッチを作るのは初めてだった上、一から型枠や加工も考えなければならず、高山さんはかなり大変だったと思います。ベルトの長さを何度も微調整したり、さまざまな留め具を検討したりと、細やかな対応をしていただいたおかげで、安定して着用できる形にたどり着きました!

ただ、どうしても華奢なデザインなので、金具の留めづらさは否めません。高山さんには、腕時計の付け方の説明書を作っていただき、お届け時にはコツもお伝えできるようにしています。(私は何度も試着したので、慣れてスムーズに着けられるようになりました)

試作品ではとても回転しやすかったのですが、最終ではチェーンの長さを絶妙にすることで、理想の仕上りにすることができました。

手首にきらり。見るたびときめく、特別な時計。

ついに完成した、憧れを詰め込んだドレスウォッチ。苦労したかいがあって、本当に美しい仕上がりになりました。

手首を彩るベルトは、華奢なスネークチェーンに。ここはどうしても譲れないこだわりでした。このベルトでもきちんと留まるように何度も試行錯誤し、金具も新たに取り寄せたものを使っています。

どことなくヴィンテージ感もあるスネークチェーン。輪っかに金具を引っかけて、ぱちんと留める仕様です。

型枠から起こしたフレームは、装飾を施した凝ったデザイン。小ぶりでも、しっかり存在があります。上品なパールホワイトの文字盤には、ラインストーンを一粒あしらいました。

ゴールドのインデックスが映える、美しいパールホワイトの文字盤。手もとに上品な輝きを添えてくれます。

眺めているだけでも美しく、身に着けるとしぐさまで上品に見えるドレスウォッチ。流行も時代にも左右されず、年齢に関係なく女性の手もとを華やかに彩ります。ずっと長く愛用して、いつしか本物のヴィンテージに。一緒に時を刻んでいく喜びを、ぜひ感じてみてください。

次回は、福岡の鞄作家・岡政孝さんと、鞄メーカーのデザイナー・小林弓子さん、お2人の個性が光る新作モデル(鞄とお財布)をご紹介します。お楽しみに!!

ビンテージショップオーナーと作った 職人本革遣いのカンディッドバッグ〈ブラック〉

¥20,350

滋賀の時計職人とビンテージショップオーナーが作った ドレスウォッチ〈ゴールド〉

¥19,800

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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