ファンが多い岡政孝さんの鞄に、待望の新作が登場!

こんにちは、日本職人プロジェクトのリーダー山猫です。
日本のモノづくりを通して、たくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。誰かの「好き」「欲しい」をカタチにした、ここにしかないプロダクトを生み出しています。

2022年秋にお届けするアイテムは、「沁みる」と「馴染む」がシーズンコンセプト。
一瞬目にしたものが心に残って、あとから思い出すことがありませんか?
それは、美しさもあれば、偏った魅力だったり、突出した存在感だったり。
素の日常を生きる中で、自分の心に響くものを素直に受け止めるのは、とても素敵なことだと思います。
心に沁みる愛おしいものが、いつしか暮らしに馴染んでいく、そんな秋を楽しんでください。

今回ブログでピックアップするのは、福岡の鞄作家・岡政孝さんと作った3つのレザーアイテム。革という素材を愛し抜き、知り尽くした岡さんならではのものづくりをたっぷりご紹介します!

あの人気鞄が、ブラウンで全く違う印象に!

ひとつめのバッグは、「フォートバッグ」。山猫が個人的にすごく思い入れのあるあのバッグが、この秋大変身を遂げました。色選びにものすごく時間をかけた、熱い物語をお届けします!

フォートバッグの前身は、大人気を博したブラックカラーの「スヴニールバッグ」。もともとは鞄作家の岡さんが自分のために、図面も引かずにパパっと作った私物の鞄でした。その鞄に山猫が一目惚れしてしまい、個人的にオーダーして作ってもらったものを愛用していたところ、まわりから「私も欲しい!!」という声が続出。そんなに欲しい人がたくさんいるなら…と商品化に踏み切ったという逸話を持つアイテムです。

シンプルなデザインに革の美しさが際立つ、名品スヴニールバッグ。山猫はプライベートでかれこれ6年ほど愛用しています。

ブラックのスヴニールバッグが大ヒットしたので、「次はよりナチュラルな装いにしっくり溶け込むブラウンを」と山猫が企画を開始。大阪の革屋さんが提案してくれたブラウンの本革を使い、試作品をオーダーしました。上がってきた試作品は予想通りの仕上がりで、社内での評判も上々。うんうん、鞄らしいのができた、これでいこう!とOKを出しました。

そして一年後、いよいよ発売に向けた商品プロモーションを考えようというタイミングで、日本職人プロジェクトメンバーのNISHIYANが「山猫さん、このブラウンって、こちらからお願いした色ですか? このバッグなら、もうちょっと大人っぽいブラウンに挑戦してみてもいいと思うんです。なんせ僕、ブラウンが好きなので、、、」と言い出しました。
NISHIYANは古今東西のいいものを良く知っていて、中でも色選びに定評のあるプロジェクトメンバー。NISHIYANのアドバイスに耳を傾けると、たしかに試作品のブラウンも良い色なのですが、このバッグの質実剛健な雰囲気に合わせるには少し明るく、バッグ本来の魅力を100%は発揮できていないような……。なるほど、NISHIYANの違和感にも納得でした。

自分の「好き」にまっすぐなNISHIYAN(真ん中奥)の熱いこだわりで、ブラウンの色味を再検討することに。写真は、仕上がってきた新ブラウンバッグのお披露目ミーティングの様子。

そこで、同じく日本職人プロジェクトメンバーのMOEとともに、色変更を検討。革見本台帳をかたっぱしからめくり、ああでもない、こうでもない……と悩みます(牛革だけでは飽き足らず、馬革の見本帳までチェックしました)。
そしてようやく選んだ渾身の一色を、福岡の岡さんに送りました。「岡さん、申し訳ない!もういっちょ、高見を目指させてください」とお願いしてできたのが、この深いウッドブラウンをまとったバッグでした。

落ち着いたシックな色合いは、しっかりと厚みのある革によく似合い、なんとも言えず大人っぽく味のあるただずまい。初代ブラックの単なる色違いではなく、ひとつのアイテムとして存在感を放っています。だから思い切って名前も「強い・丈夫な」という意味のフランス語を使い「フォートバッグ」と名付け、独立した新アイテムとして展開することにしました。

その色味はまるで、磨き込まれたマホガニー。

革という素材を愛し、その魅力を最大限に生かす岡さんが選んだのは、たっぷりオイルを含んだ厚みのある本革。革らしい堅牢な手ざわりが心地いい逸品です。ほのかなツヤをまとったブラウンは、まさに磨き込まれたマホガニーのよう。使うほどにオイルがなじみ、味わいが増していくのも魅力です。

使い込むほど味が出る、しっかり厚みのある本革。その存在感を、王道の深いブラウンが引き立てます。

縫い目が外に出るアウトステッチで縫製されているのは、岡さんが「型紙も引かずに、直感だけでパパっと作った」名残。内生地もあえてつけず、裏側も革そのままの風合いです。このシンプルなつくりは、こなれた味わいを演出するとともに、壊れたときにすぐ修理できるというメリットもあります。

アウトステッチ仕上げも革鞄らしくていい感じ。裏地も貼っていないので、革の風合いをとことん楽しめます。

無駄な装飾はせず、金具だけがさりげないアクセントになっています。岡さんは金具のあしらいが本当に上手。鞄の雰囲気に合う素材感や色味なども細かく吟味して、いつも素敵に仕上げてくれます。ちなみにこのベルトは飾りで、実際はスナップボタンでスムーズに開け閉めできるのでご安心を。

重厚感のあるブラウンに合わせて、金具もシックに。さりげないのに映えているところがまた素敵。

使い勝手のいいサイズで、収納力もたっぷり。山猫は大きなお財布、ポーチ、手帳、スマホを入れて使っています。まち幅もけっこう広いので、細めのものならお弁当箱も入りますよ。

小さすぎず、大きすぎず、日常使いに便利なサイズ。岡さんはもともと「銀行に持って行く用に」作ったそうです。

今回のフォートバッグは、ベルト穴をふたつ増やして5つにしました。スヴニールバッグは3つだったのですが、男性が持った時や、厚手のコートに合わせた時に少し短いというお声があり、ゆとりをもって斜め掛けできるよう増やしました。

短めにして肩掛けにしても、長めにして斜め掛けにしてもOK。好みや服装に合わせて調節できます。

岡さんは、さっと持てる肩掛け派。日本職人プロジェクトシリーズでも大活躍中のコピーライター金輪際セメ子さんは、短めの斜め掛け派。

ブラックほど主張が強くないので、着こなしにしっくりなじむ上品なカラー。ブラウン好きのNISHIYANのこだわりが生きた、美しい色味です。普遍的ともいえる存在で、年齢も性別も関係なく、ずーっと長く大切に使えます。

WEB限定のお財布は、ポーチみたいなかわいさ。

なんと今回は、フォートバッグと同じ革でお財布も作りました。それがこの、フラップ長財布。WEBだけで販売する限定アイテムです。

実はこのフラップタイプは、岡さんが提案してくださった新モデル。過去に好評だったL字ファスナータイプと2種類ご提案いただいたのですが、プランナーMOEの「山猫さん、パッと見て使いたいと思ったのは、このフラップタイプです。今回のフォートバッグの雰囲気にもすごく合ってると思います」というコメントを聞いて即決しました。

ラウンドにしたフラップがかわいいお財布は、ペンケースのような雰囲気が新鮮!

お財布なんですが、ステーショナリーやポーチみたいな雑貨っぽさがただよいます。シンプルなのに、どこか懐かしいのに、でも新しいところが魅力。ぱちんとフラップを開ける感覚も楽しいお財布です。

お財布だけでなく、文房具やお薬を入れるなど、ポーチ的な使い方もできそうです。

キャッシュレス化でお財布がどんどんコンパクトになる中、小さすぎず大きすぎない、絶妙なサイズもポイント。お札、カード、小銭などがほどよく入って、手になじむ細身のフォルムで使いやさもばっちりです。

かさばらないスマートフォルムながら、ファスナーポケットやサイドのマチなど、岡さんの気遣いが随所に。

分厚くてたっぷり入るお財布に比べて、雑貨っぽい気軽さが、今の気分にぴったり。愛嬌があってかわいいから、毎日楽しく、ずっと大切に使っていただけると思います。

製革工場で岡さん自身が選んだ、特別なレザー。

そしてもうひとつ、岡さんと一緒にチャレンジした新作がお目見え。「もっと理想の革を探してみましょう!」という新しい目標を掲げ、福岡から来てくださった岡さんとともに、兵庫県たつの市の繁栄皮革工業所さんへ伺いました。

繁栄皮革工業所さんは水の使用量に配慮し、すべての革材の原料や、染めるための薬品などの管理を徹底。環境への負荷を抑えることで、世界環境基準であるLWG環境認証を取得されています。そのこだわりに感銘を受けた我々は、たくさんの革台帳の中から、ターコイズ色のスムースレザーを選びました。

副社長さんが、とても熱心に革づくりを説明してくださいました。山猫もすごく勉強になり、1週間くらい副社長さんとお話をしたかったくらい。(今度は日本職人プロジェクトメンバー全員で行きたいと思ってます)繁栄皮革工業所さんのこだわりもまた近々、しっかりご紹介させていただきたいと思っています。

革使いに定評のある岡さんは、「この革をどう使う?どう生かす?」をすごく考える人。言葉であまり多くは語らず、いつもその想いは鞄に表現されています。今回は、その滑らかな手ざわりと深い緑の色味から「清流水」をイメージ。そこからインスピレーションを得て、水を運ぶ器のような円柱形のデザインが完成しました。その名も、「シトゥルス(situlus)」バッグ。バケツを意味するラテン語を使って名前を付けました。

ワンショルダーなどいくつかの提案の中から、色からイメージしたバケツ型に決定!

完成したのは、ハッピーを運んでくれるバケツ型バッグ。

このバケツのようなバッグの使いやすさを高めるために、岡さんとともに頑張ってくださったのが鞄コーディネーターのAKARIさん。バッグの口に使う巾着の素材は当初、麻を予定していました。でも麻ではあまりにほっこりしすぎる……ということで、岡さんとAKARIさんがさまざまな生地を手配し、試行錯誤した結果、光沢のあるゴールドのヒョウ柄生地に決定しました。
これがターコイズ色のレザーによく映えて、一気に洗練された都会的な雰囲気に。底びょうもゴールドで合わせて、さらっと持つだけでかっこいい、大人なバッグになりました。バッグの入れ口を巾着仕様にすることで、大盛り荷物もスマートにカバーできます。

光沢のあるサテン生地×ヒョウ柄がおしゃれ!ゴールドの金具も効いています。

一方、プランナーMOEは、「巾着のひもを結ぶのがめんどうだから」と巾着部分の布地をあえて内側に落として使う派を宣言。なるほど、そうすると巾着生地がバッグの内生地のようになって、ちらりと見えるゴールドのヒョウ柄がおしゃれです。

「巾着は締めずに、あえてパーパーで使いますね」とMOE。しばらく「パーパー」という表現が流行しました(笑)。

スムースレザーの質感とバケツ型のフォルムは、大人っぽさとかわいさが同居。革の風合いを活かしたナチュラル感のある革ですが、そこを見越して愛嬌のあるバケツ型にデザインしたところがさすが。革だからとかしこまらず、ラフに使うのがおすすめです。本革の無骨な雰囲気を生かしたものから、スムースレザーの風合いを生かしたものまで、革の素材感を上手に表現する岡さんのセンスに脱帽です。

巾着のひもも本革素材。ひもの先にあしらったゴールドの金具が、さりげないアクセントになっています。

水流を彷彿とさせるターコイズ色は感受性や創造性を意味し、人生の流れをサポートしてくれる色ともいわれます。また、つややかなゴールド色は、豊かさや自身を意味し、自己価値を高めてくれる色だそうです。このふたつのカラーの組み合わせは、いいことが起こりそうな予感がしませんか? ハッピーな運気も運んでくれそうなシトゥルスバッグと一緒なら、秋からの毎日が楽しくなりそうです。

あふれる愛と引き出しの多さ、まさに革の魔術師!

革という素材への愛と、革の個性を生かす引き出しの多さが、岡さんの魅力。今回は製革工場にも足を運び、素材選びから一緒にモノづくりができました。

打ち合わせのため、フェリシモ本社を訪れてくださった岡さん。お隣は、一緒にものづくりをしている内門祐樹さん。

そして、色へのこだわりが半端ないNISHIYAN、使い勝手に妥協しないMOE、いつも作家さんと僕たちの橋渡しをしてくれるAKARIさん、製革工場の職人さんなど、今回もたくさんの人との会話や出会いがあったからこそ、3つの素敵なアイテムができました。

ちょっと個性的な色や変わったフォルムも、いつかきっとなじんでいきます。
心にぐっとくるときめきを大切に、秋からのお気に入りを見つけてください。

次回は、さらに個性的!? オーソリティーたちの「欲しい」をカタチにした4人4様の新モデルをご紹介します。お楽しみに!

福岡の鞄作家と作った 職人本革のフォートバッグ〈ウッドブラウン〉[本革 鞄:日本製]

¥37,950(税込み)

福岡の鞄作家と作った 職人本革のフラップ長財布〈ウッドブラウン〉

¥13,200(税込み)

福岡の鞄作家と作った 職人本革のシトゥルスバッグ〈ターコイズ〉[本革 鞄:日本製]

¥20,350(税込み)

日本のモノづくりを通してたくさんの素敵な物語を伝えるために続けてきた「日本職人プロジェクト」。2004年のスタート以来、様々な魅力的な方の想いと共に「物」語るアイテムを誕生させてきました。

プロジェクトリーダー 山猫

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