「はな・はな・みどり基金」と「フェリシモの森基金」から支援をしている「インド緑化プロジェクト」の2022年度の年次レポートをタゴール協会さまからいただきましたので、みなさまにご報告します。
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■フェリシモの森~2022年度インドの植林状況の報告
私たちはフェリシモの森基金が過去30年間にわたり、緑化プロジェクトの実施のためにタゴール協会(以下、TSRD)に長期にわたる資金援助をしてくださっていることを光栄に思っています。この支援は、西ベンガル州、ジャールカンド州、オディッシャ州のプロジェクト地域周辺の人々にとって心強いものであり、また地球レベルでの環境危機の観点からも大きな変化をもたらしました。
2022年度の植林計画につきまして、当初は30haに48,000本の苗木、36haに72,000個の直播用種子、そして50haに100,000本のマングローブ、合計116haに220,000本の植林を予定していましたが、実際には35haに65,205本の達成となりました。目標と比較して面積・本数とも減少した理由は、TSDR本部と各地のプロジェクトチーム双方の組織管理体制の再構築によるものです。TSRDは、私有地、コミュニティや道路わきの土地における植林、そして直接播種によってこのプログラムを達成しましたが、本プログラムに予定していたマングローブの植林は実施することができませんでした。
期間中に35haの土地に65,205本の苗木を植えることができました。内訳は9haは私有地に12,780本、6haはコミュニティの土地や道路沿いに9,960本、また、直接播種は20haに37,465本、植え替えた苗木は2,600本ありました。プロジェクト対象地域の貧しい村民の方々、学生や女性たちに2,400本の植物が配布され、それぞれの手で植えられました。
今年度の苗床で37,667本、常設苗床で14,763本の苗木が育ちました。前年度からの備蓄苗木の中で被害を受けた分を差し引いた苗木を加えて、残りは合計33,809本となっています。この33,809本の苗木の中から、8,652本を無償で、かつロスなく村民の方々へ配布することができました。苗床での育成作業においては、496人日の雇用を創出することができました。

【実施地域/プロジェクト】
TSRDプロジェクト地域は西ベンガル州北部の洪水多発地帯、西ベンガル州西部及びジャールカンド州東部の乾燥地帯、そして西ベンガル州南部のデルタ地帯の3つの物理的地帯に位置し、それぞれの地域の状況に合わせた植林が行われています。今回、デルタ地帯でのマングローブの植林は行われていません。
【実施方法論/戦略】
・引き続き地域住民の参加に焦点を当てる
・植林場所や受益者などの選定のプロセスにおける、政府機関、SHGなどの関与
・啓もう活動を通じて、今日重要な問題となっている気候変動や生物多様性の保全などに敏感であるように将来世代への環境問題への教育を行う
・TSRDは現在、緑化およびエコロジー分野における政府および非政府機関の活動を促進している
・TSRDと政府はまた、汚染のない環境を維持し、インド政府が宣言した「クリーンなインドとグリーンなインド」(スワチャ・バーラト)に歩調を合わせるためのキャンペーンも行っている
・プランテーション後のメンテナンスは、保護、水やり、肥料の散布などを含めてコミュニティによって行われ、TSRD はこの持続可能性のプロセスにおいて主要な役割を果たしている
報告対象年度において、緑化プロジェクト全体が2つの州の12の村をカバーし、304名の受益者が活発に参加しました。 合計22の啓発キャンプが開催され、275名が参加しました。プログラムにおいて807人日の雇用が生まれました。

TSRDはこの期間に、6つの常設苗床を維持しており、前年と同様に地元の人々がマンゴー、グアバ、レモン、ココナッツなどのさまざまな種の苗木を充分に手頃な値段で入手できています。苗床や植林地には、著名な政府関係者、研修生、学校の生徒が見学に訪れています。プロジェクト地域の一般の人々が、TSRDの苗床やその他の方法で植物を調達することに熱心になることは良いことで、植林に対する情熱は高く維持されています。私たちは使命を果たすため、基本的な2つの要素である「環境と持続可能性を備えたプログラム」を実施しようとしており、すでにいくつかの政府機関や非政府機関がこの環境分野での協力に名乗り出ています。
〈支援者のみなさまへ〉
2022年度は制限があり、目標を達成することはできませんでしたが、懸命な努力と行動により、植林範囲や本数に関して政府および非政府機関の協力を得ながら達成することができました。この連携と団結がさらに広がることを期待しています。
私たちタゴール農村開発協会は、このプログラムへの資金的援助を続けている「フェリシモの森基金」と「はな・はな・みどり基金」に大いに感謝するとともに、私たちの取り組みに協力してくださる地方政府や地域、共同体(SHGや学校などCBOなど)にも感謝します。
(タゴール協会さまより)
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